ニュース・活動報告

高校生がインターンで履歴書アプリのデザインに挑戦!(2022年夏:就労体験報告)
ワークスタイルでのインターンイメージ画像

ブリッジフォースマイル(以下、B4S)で行っている巣立ち支援といえば、ボランティア登録をしているサポーターのみなさんの力をお借りして運営しているものも多いのですが、それだけではありません。企業のみなさまと連携し、就職活動をサポートしたり、働くイメージを描くためのプログラムを実施したりしています。

 

今回はそのなかでも数日間の就労体験を通して、働くイメージを描いてもらうために行っている「インターン」でどのような活動を行っているのかをご紹介します。

 

◆2022年夏、コロナ禍でも、徐々にリアル実施へと動くも…

2020年夏以降、インターンはコロナ禍により大きな影響を受けました。コロナ禍前は、飲食や美容などの接客関連のお仕事を現地で体験できる機会をご提供くださる企業が多かったのですが、感染対策が難しいため、オンラインでの体験に切り替える、もしくは中止せざるを得ないケースが相次ぎました。

※コロナ禍による影響については、こちらのブログもお読みください。

2022年夏のインターンについては、募集準備期間が感染者数が少ない時期だったので、多くの企業が現地体験に手を挙げてくださいました。また、コロナ禍の影響で、外部イベントに子どもたちを出すことを躊躇してきた施設からも、多くの施設から申し込みが入りました。

B4Sとしても、子どもたちに仕事の現場を体験してもらうよい機会になると喜んだのですが…。7月には再び感染者が急増したことで、残念ながら6企業18件のインターンシップが中止となりました。

そのような状況のなか、はじめてご協力いただくことになった企業が、今夏は8社ありました。今回は8社のうちのひとつ、ワークスタイルテック株式会社で実施したインターンをご紹介します。

 

◆IT企業で、高3生が履歴書アプリのデザインに挑戦!

ワークスタイルテック株式会社は、2016年設立のITのスタートアップ企業です。世界中でインターネットを活用した業務やサービスが増えている現在、これまでのB4Sのインターンシップには無かったIT企業らしい就労体験の機会を提供していただきました。

CEOのドリーさんは、単身ブラジルから来日してこの会社を日本で起業。社員は日本を含むさまざまな国籍を持つ人が集まるグローバルな会社です。B4Sの元スタッフ(現サポーター)からの紹介でご協力いただくことになりました。

 

今回、ワークスタイルテック株式会社で行われたインターンシップの参加者は、高校3年生の男子のM君。9月に入り、2学期がはじまる頃には進路を決めることになる…そんな職業選択のラストチャンスとなる夏に、2日間行われました。M君はインターン参加前は、清掃関係の仕事に就こうと考えていました。

インターンでは、さまざまなITツールを使用しながら、若い世代を対象とした履歴書アプリのデザインをしました。M君は工業高校に通っていることもあり、デザインのセンスがとても良く、ショートカットなどの覚えも早かったそうです。


アプリのデザインのほかには、国をまたいで、さまざまな場所を繋いだzoom会議に参加したり、お昼休みには毎日社長のドリーさんや社員のみなさんにタイ料理やベトナム料理のお店に連れて行ってもらい、IT業界全般や就活だけでなく、人生についても話していただくなど、普段なかなかできない体験ができました。

B4Sのインターンでは、就労体験だけでなく、事前と事後に面談を行っています。事前面談(コロナ禍以降は、オンラインで実施)では、この企業を選んだ理由や、どのような体験をしたいか、目標は何にするか、といったことを話します。

インターン終了時に行う事後面談は、施設の職員さんにも現地に来てもらい、現地で行っています。ワークスタイルテックでの事後面談もM君の担当職員さんと、B4Sのスタッフも参加し、おやつとして用意されていたドーナツを食べながら、和やかな雰囲気のなか実施されました。

 

インターンシップ終了後の帰り道、職員さんが「M君がオフィスに溶け込んでいたのに驚きました」と言っていたのが印象的でした。そしてM君に「就職の応募先、もう一度考え直してみたら?」と話しかけていました。日々忙しい職員さんにとって、M君との帰り道での会話は、1対1で将来について話す機会となったように感じました。

 

◆M君、施設職員さん、企業の方から感想をいただきました

M

日本人が少ないことは知っていたので、最初は少しだけ不安でした。だけど、みなさんがすごく優しくてフレンドリーな感じが自分に合っていたのか、すぐに馴染めたので、仕事体験をさせていただいて、すごく楽しかったです。 そして今回お世話になるまでは、正直、ITには興味がなかったです。ですが、お世話になった後は、ITの分野にも興味を持ち、こんな仕事もあるんだ!と知り、自分の就職活動先を選定するにあたってすごく幅が広がりました。

施設職員さん

当初は難しいと思い込んで、苦手意識があったようですが、スタッフの方々に教えていただいて、初心者ながらIT関連の知識を学ばせていただいてとても嬉しそうでした。また、普段から遊び込んでいるゲームセンスも反映され、褒められていたので、素直に『嬉しい』と笑顔になって可愛らしかったです。

 

企業の方

インターン前は、M君にどのくらい知識があるのかわからず不安でしたが、スマホを使っている学生さんだったので、頼まれたタスクへの理解がとてもよく、うまく取り組めていたように感じました。インターン中は嫌なこともあったかと思いますが、途中であきらめることもなかったので、スタッフ一同とても嬉しかったです。

できればもっと長い期間のインターンでもよかったと思います。この先、生活資金のために仕事を選択することもあるかと思いますが、長期的にみるとIT業界は比較的給料水準も高くおもしろい分野だと思います。これが自分のキャリアになるかどうかはわかりませんが(これは誰にもわかりませんね)、この広い世界で、色々なことを体験して欲しいです。


ワークスタイルテックのみなさま、このような貴重な体験をさせていただき、どうもありがとうございました。

※ワークスタイルテックのみなさまには、冬休みのインターンで「アプリデザイン」のほか、「マーケティング」「カスタマーサービス」そして「IT企業の営業」と4つの仕事についてご協力いただく予定です。

 

◆たった数時間~数日間の体験でも、子どもたちの勇気につながることを信じて

たった数時間~数日間のインターンによる就労体験が、そのまま参加者の将来の職業につながるということは多くはないかもしれません。それでも、学校や施設以外の大人から褒められる体験、自分でチャレンジした体験、朝早起きして見知らぬ場所へ通った体験、社会の扉を少し開けてみた体験は、子どもたちのこれからの人生のなかで、自分自身を勇気づける思い出になっていくのではないかと考えています。

B4Sでは、これまでに80社以上の企業のみなさまにインターン実施にあたりご協力いただいてきました。コロナ禍により、実施が難しくなってしまったインターンもありますが、一方で、ワークスタイルテックさまのようにこれまでご縁が無かったような業種や業界の企業のみなさまにご協力いただき、新たに始まったインターンもあります。

 

子どもたちがさまざまな就労体験できるよう、いろいろなタイプのインターンを増やしていければと思っています。この記事をお読みの方のなかに、「うちでインターンをやってもいいよ」「こんな業種、こんな企業でインターンをできるのでは?」という方がいらっしゃいましたら、ぜひともB4Sの企業渉外チームにまでお声をおかけください。お知り合いのご紹介もお待ちしています!

Bridge for Smile

認定NPO法人ブリッジフォースマイルのホームページへようこそ!

私たちは、児童養護施設や里親家庭などで暮らす、親を頼れない子どもたちの巣立ち支援をしているNPOです。
ご関心に合わせ、以下から知りたい項目をお選びください。