ニュース・活動報告

【プレスリリース】全国児童養護施設 退所者トラッキング調査2023 報告書が完成しました

2023年10月26日:プレスリリース(PDF)


11月の「児童虐待防止推進月間」によせて

いつ・誰に・どんな 支援が求められるのか
データから見る児童養護施設退所者(ケアリーバー)の多様性と退所後支援の現状


認定 NPO 法人ブリッジフォースマイル(B4S)『全国児童養護施設 退所者トラッキング調査 2023』報告書を公開
( 47都道府県の児童養護施設 558カ所へ実施 有効回答数 129件/退所者数 2597人)

 

『退所者トラッキング調査2023』は、2020年から 10年計画でスタートした調査です。今回は、全国47都道府県にある569の児童養護施設にアンケートを送付。129施設(2597人分)の回答が得られました。

退所者の進学・就労の実態、支援制度の利用状況、住まいの状況、親族との関係、性別による傾向など、さまざまな側面から得られた回答結果を報告書(81ページ)にまとめています。

 

◆全国児童養護施設 退所者トラッキング調査2023 【概要版】 ➡ こちら(PDF)

◆全国児童養護施設 退所者トラッキング調査2023 【詳細版】 ➡ こちら(PDF)

 

昨年に引き続き、退所後の支援(アフターケア)体制を掘り下げています。

児童養護施設におけるアフターケアは、予算もつき始め、体制が整いつつあることも見えてきましたが、依然として施設間でばらつきがあること、担当職員の個人的な努力に委ねられている部が大きいことには変わりがありません。

今回はじめて、満18歳3月を待たずに家庭復帰した子どもたち7学年分(2016~2022年)の高校卒業状況を集計しました。

同時期の全退所者を比べると、はるかに高い割合で中退者が多く、その背景についても調査をしています。


【アンケート調査で見えてきたこと】

 

◆施設の施設退所後の子どもたちへの支援(アフターケア)の実態

・6施設に1施設はアフターケア担当職員がいない

早期に家庭復帰した退所者の高校中退率は56.6%と、退所者全体平均と比べてたいへん高い

・大学等への進学率は40.5%と着実に増加している一方、一般の高卒者の進学率とは未だ大きな差がある

・大学等中退率は、入学1年後で7.5%、入学4年後で27.5%

・高校卒業直後に就労する人のうち、4人に1人は福祉就労

・高校卒業直後に正社員就労した人のうち、就職から1年3か月後に半数が離職

・いずれの進路でも支援制度利用は増加、進学者の9割が支援制度を利用

・施設側で健康保険の加入状況把握していない人が24.4%

・施設退所後に親元に戻る割合は減少傾向、就職者は福祉系支援者との同居が約2割

・「不登校」「自傷行為」「メンタル治療歴」経験者の中退率は高く、離職率も高い

 


【全国児童養護施設 退所者トラッキング調査2023】

調査実施者:特定非営利活動法人ブリッジフォースマイル
調査対象:全国の児童養護施設 569件
調査時期:2023年6月1日(木)~7月28日(金)
調査方法:Web回答
有効回答数:児童養護施設数129(有効回答率 23%)/ 退所者数 2,597人
調査目的:

全国の児童養護施設を退所した人の進学や就労の状況、施設の自立支援の現状などを把握し、自立に向けた支援の課題を明らかにすること

主な調査内容:

退所年や高校卒業の有無とその後の進路について、「退所時」もしくは「18歳の3月末時点」と、「現在」における状況の調査

・児童養護施設のアフターケア体制

・児童養護施設退所者の高校卒業後の進路

・大学等進学者の中退率

・高校卒業後の就労形態、離職率

・支援制度の利用状況

・退所時の同居者

・就労者の勤務先からの住宅支援

・退所前の特筆すべき出来事

・性別による傾向

・施設とのコミュニケーション状況

・メンタル面での課題


※昨年度のトラッキング調査はこちら

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