ニュース・活動報告
ブリッジフォースマイル(B4S)は2011年より、親を頼れない経験をもつ当事者の声をスピーチイベント「コエール」で届けてきました。2024年度は大幅なリニューアルをはかり、新たな取り組みを開始します。
コエールは、親を頼れない子どもたちを社会で守り育てるために、共に行動する仲間を増やすことを目的としています。この目的がより一層果たされるためには、虐待や家庭環境による影響で困難を背負った子どもたちの存在を知った時に、それらが社会問題であり、一人ひとりが自分事として考えてく必要があると気づいてもらうことだと思いました。そこで、「スピーチを聴く」その先に、「ワークショップ」を設けて、参加者の皆さんに考えてもらうところまでを、コエールとしました。
■コエールワークショップまでの道
■チームで取り組む、スピーチ収録
ボードと呼ばれるコエール全体の実行メンバーには、事務局・社会人ボランティア・そして心理士が入っています。当事者がイルミネーター(登壇者)をやりたいと希望した時、最初にすることは心理士を含めたボードとの対話です。生い立ちの整理をしながら、何を話したいのか、今それを話す時期なのか、どんな社会問題がそこにあったのかなどを、話し合う大事な時間となっています。
イルミネーターと、彼らのスピーチ作りを支えるエンパワ(社会人ボランティア)は、スピーチ発表の4ヶ月前くらいに出会います。今年は、イルミネーター5名、エンパワ6名を、3チームに分けて活動しました。合宿やオンラインで集い、スピーチの内容だけでなく、そのスピーチに関する社会問題についての学びをグループで深めていくことになります。
イルミネーターと出会う前に行われる、エンパワ研修。
虐待の心理的影響や傾聴についてなど、イルミネーターに伴走していく為に必要な“在り方”を学ぶ研修内容。
1泊2日の合宿の様子。お互いを知り、チームビルディングを行う、大事な時間。
スピーチ収録の1ヶ月前には、毎年フジテレビの方々が参加して、イルミネーターのスピーチを見てくれる機会があります。アナウンサーのプロの視点から、アドバイスをもらい、最後のブラッシュアップへチームは動き出します。
毎年、最後はCoyell(コエール)の「C」を作って、記念写真
6月22日。いよいよ、スピーチ収録の日。今年から、リアルタイムの配信はありませんが、会場にはB4Sを支えてくださっている企業の方や、サポーター、福祉関係の学校の先生たちがスピーチを聴きに来てくださいました。そして、毎年司会をしてくださっている、町亜聖アナウンサーと俳優の古原靖久さんが、今年も会場を盛り上げてくださいました。
「緊張する!」と言いながらも、堂々とスピーチをするイルミネーターたちの姿は圧巻でした。この場ではじめてスピーチを聴く司会のお二人は真剣な表情で聴き入り、スピーチ後のフリートークでは思わず熱のこもった感想を吐露する場面もありました。客席にいたエンパワは、イルミネーターよりも緊張した面持ちで、スピーチの一言一言にうなづきながら、祈るような気持ちで見守っていました。ゲストの皆さんの中には、あふれる涙を一生懸命に堪えている方もいらっしゃいました。この日のために駆け抜けた4ヶ月は、けっして簡単なものではなく、時には苦しい思いもしたけれども、充実した期間だったと思わせるフィナーレで幕を閉じました。スピーチ後の懇親会では、晴れ晴れとした表情のイルミネーターを中心に、この場を共有できたことを全員が大切に思ってくれているような時間でした。
このスピーチは、順次、コエールチャンネルにて公開していきます。
ぜひ、スピーチを観て、あなたの会社・学校・地域でコエールワークショップを開催してください。コエールワークショップについては、次回、後編でご紹介します。
2024年度 コエール
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