ニュース・活動報告
今年の4月から改正児童福祉法の下に始まった「社会的養護自立支援拠点事業」は、4つの事業内容が掲げられています。「居場所の提供」「相談支援」「専門機関への繋ぎ」「一時的住まいの提供(任意)」です。また、これまでは、児童養護施設等に入所などの“社会的養護出身者”だけだった支援対象者の枠組みが広がり、“親を頼れず困っている若者全般”が対象となりました。
“社会的養護出身者”を対象に支援をしてきたブリッジフォースマイル(B4S)にとって、“親を頼れず困っている若者全般”を対象とすることは、大きな覚悟が必要でした。それでも、自治体ごとの支援格差や制度のはざまで、多くの若者たちが支援の網からこぼれ落ちてしまっている現状や、今まさに困窮している若者たちの行き場のないSOSを、私たちは支援していくことを選びました。「社会的養護自立支援拠点事業」が始まって、3ヶ月。B4Sの挑戦をお届けします。
■居場所の提供
横浜・佐賀・熊本・下北沢・浅草橋(秋葉原)に続いて、北海道・札幌で居場所「B4S PORTさっぽろ」が6月にオープンしました。
■相談支援
5月、HPに新たに【相談・支援情報ページ】を設けました。LINEで気軽に相談ができるようになっています。約2ヶ月の間に、多くの若者がLINEで連絡をくれました。B4Sでは、資格をもった専門支援スタッフを増やし、対応をしています。
「話を聞いてほしい」「住むところがない」「お金のやりくりができない」「親との関係が苦しい」「死にたい・・」など切実な相談が全国から日々寄せられています。【相談・支援ページ】には、さまざまな支援メニューを揃えて案内もしているのですが、まずは、「話を聞いてほしい」という、とてもシンプルな声が多数でした。それから、チャットや電話でやりとりを重ね、居場所を紹介したり、実際に会ってのサポートにつながっています。
自分に必要な支援が見つけやすいように整えられたメニュー
■専門機関への繋ぎ
LINEでは、B4Sの事業所がない土地からのSOSも届きます。その場合は、地域の資源を紹介してつなぎます。また、緊急な場合には、警察や行政などにつなぐことも、今後増えていくだろうと思います。様々な制度や資源を活用してその人の困りごとを解決していくことを目指しています。
■一時的住まいの提供
「仕事を辞めて寮を出なければいけない」「家賃滞納でアパートを追い出されてしまった」「パートナーのDVから逃げたい」こうした相談に対応するため、関東に2カ所、緊急ショートステイに対応できる場を整えました。夏頃には、北海道にも1カ所、常設予定です。(行政事業として実施するのは1か所のみ。残りは自主事業)
部屋が決まるとすぐ、スタッフは掃除をし、内装の準備に取り掛かりました。2012年以降、居場所開設時にもご協力をいただいている株式会社ミサワ様から、ダイニングテーブル・ベッド・キッチン収納など計10点の家具を提供していただきました。また、他の家電や消耗品等は、私たちの声掛けに賛同してくださったB4Sにボランティア登録してくださっている仲間たちが、寄付をしてくれたものもあります。部屋が整ってから、スタッフが実際に宿泊し、なにか不備はないか確認作業も行いました。
急ピッチで整えた、緊急ショートステイの1室。
緊急ショートステイはすでに活用されており、部屋の提供だけでなく、見守りや相談を並行して行っています。あくまでも一時的避難なので、若者がその先、どう自活していくのかという課題には、私たちスタッフや社会人ボランティの伴走がかかせません。どうぞ、ご寄付やボランティアで、私たちと一緒に、親を頼れない若者たちの支援にご協力ください。
■現在、支援拡大・拡充に向けて、クラウドファンディングを実施中!
親を頼れず支援制度も対象外…ひとりで苦しんでいる若者を助けたい
期間:6月3日~7月31日
目標額:1000万円
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