ニュース・活動報告
新しい試みとして、合宿形式のジョブプラクティス(中高生を対象とした職業体験)が、この夏、淡路島で開催されました。パソナグループ(以下パソナ)全面協力で開催された体験尽くしの5泊6日は、関東や九州などの各地から集まった高校生10名に自己教育のきっかけを与えたものとなりました。子どもたちの様子を、レポートします。
◆Let’s Challenge!
合宿は、パソナが淡路島で展開する農業、商業施設を活用した仕事体験が大きな柱です。そして、一貫して取り組んでいくテーマは“コミュニケーション”。パソナ人事部の研修担当の若手社員を中心に企画、準備してくださり、職場でも多くの社員が体験受け入れをサポートしてくださいました。
はじめての場所・はじめての人との合宿に、どの子も緊張していましたが、研修担当の社員から「参加した想いや理由は、みんなそれぞれだと思うけれど、何かを変えたい!何かを持って帰りたい!と思って参加してくれていると思うので、色んなことにチャレンジして欲しい」と開会式でエールが送られました。また、社会人にとって最低限のルールである、挨拶・時間厳守などの大切さも伝えられました。
◆青空のもとで農業体験
循環型農業に取り組む農園で農業体験が行われました。朝7時、眠そうな様子で、泥のついている長靴がイヤだとか、虫がキライなど、ある意味、高校生らしい反応で騒いでいた子どもたちですが、農園長の指示のもと慣れない作業を開始します。大きく実ったナスを探し、ニンジンを掘り起こし、暑いビニールハウスでは「水分補給にいいよ」と言われて傷のついたトマトをほおばりながら収穫しました。その後は、収穫した野菜の仕分け。きれいなものはA品として売り物になり、傷のあるものはB品として廃棄されます。農園長からの「どうやったら食品ロスをなくせると思う?」という問いかけには、「A品とB品のセット売りはどうだろう」「アートに活用方法があるんじゃないか」など、活発な意見交換がなされました。お昼ご飯は、自分たちで収穫したB品の野菜をふんだんに使い、みんなで野菜スープ作り。「包丁さばきがプロ級」「味付け、ばつぐんじゃない!」と少しずつ子どもたち同士の交流も見られた農業体験となりました。
◆実践的な2日間の職業体験
2日間の職場体験は、宿泊施設・レストラン・商業施設の計4か所で行われました。仕事体験を前に、女の子はナチュラルメイクの方法や髪の束ね方など、男の子は髪型、ひげや爪など、校則とは違う社会人のマナーや身だしなみをパソナ社員から教わりました。宿泊施設の客室清掃の仕事では、お客様に見えないところまで気を利かせることが、最終的には部屋の美しさに繋がっていくことを、身をもって体験しました。レストランでは、主に接客を担当しお料理の説明、提供、片付けなど行いました。海外からのお客様も多く、英語でのちょっとした会話にチャレンジする姿もありました。商業施設も基本的には接客を行いながら、商品の補充なども教わりました。2日間、それぞれの持ち場、ペースで一生懸命取り組んだようです。振り返りでは、「自分から挨拶ができなかったので2日目は声出しをがんばった」、「2日目には初日よりも先を見て動けるようになった」と自分の成長を感じる子もいました。中には「スタッフの皆さんの方からも“ありがとう”とお礼を言ってもらったことが、嬉しかった」という声もありました。
◆ブリッジフォースマイル同行スタッフ ジャーニーの感想
10代の頃の挑戦は、一生の財産になると実感した5泊6日の合宿でした。今まで接点のなかった人たちと共同生活をし、知らない環境で職業体験に参加することは、子どもたちにとっても勇気がいる選択だったと思います。一歩踏み出して挑戦してみようと思っても、なかなか普段から染みついた習慣というのは変えられません。寝坊や遅刻があったり、食事中や誰かが話している時でさえもスマホを触ってしまうなど。その度にパソナの社員の方が、時間厳守の大切さや社会人としてのマナーを、根気強く子どもたちに伝えてくださいました。職業体験を受け入れてもらっている立場としては、このままで大丈夫だろうかとハラハラさせられました。しかし、大人の不安とは裏腹に、日が経つにつれて子どもたちは逞しく成長していっているようでした。特に職業体験が始まってからは、スイッチが入ったようにやる気をみせてくれました。責任感を持って任せられた仕事に臨む、コミュニケーションを取りながら創意工夫して作業を行う。お客さんや指導をしてくれたパソナの社員さんに感謝の言葉を伝えるなど、初日からは想像もできないほどの積極性を発揮してくれました。もちろん、5泊6日の合宿だけでは変われない部分もありますが、合宿を終えた顔には充足感と自信が溢れているようでした。今回の経験が成功体験として、これからの彼らの人生にきっと良い影響を与え続けてくれると確信しています。(ジャーニー)
+++振り返りの子どもたちの声+++
ー 仕事のこと
- 笑顔だけは、頑張りました。
- 気を使って接客をしました。自分的にはとても頑張って声掛けもチャレンジしました。
- 初日にはうまくできなかったことを、2日目にはできるように努力しました。
- 指示される前に、片付けをすることを心掛けました。接客の工夫もできるようになりました。
- 周りを見て、どう動けばよいか考えるようになりました。コミュニケーションって大事!
- メモを取る習慣の大切さを知りました。
- 受け入れてくれた職場の方に、「ありがとう」と言ってもらえて、とても嬉しかったです。
ー 今後の自分への課題
- 何事も挑戦なのでやってみないとわからないな!と思いました。
- わからないことを聞く事の大切さを実感したので、取り入れていきたいです。
- 淡路島で送った規則正しいリズムある生活を、帰ってからも続けたいです。
- 色んな人と話をしてみたいと思うようになったので、クラスで話したことのない子と話してみようと思います。
- 興味のあった農業に触れることができて、これを仕事にしたい!とさらに夢が膨らみました。
- いつもダラダラしているのですが、これからは学校の課題もちゃんと出そうと思うようになりました。
-
2024.11.24巣立ち支援株式会社インフォマートで「ゲームプログラミング体験」を開催していただきました
-
2024.09.22巣立ち支援安心・安全な子ども・若者の居場所とは? “つながり”が防ぐ子ども・若者の孤立
-
2024.09.22巣立ち支援「前向きさ生み出せる止まり木に」 親を頼れない子どもや若者の巣立ち 居場所づくりで寄り添う