ニュース・活動報告

心のこもったおもてなしを学ぶ
最高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン東京」でジョブプラクティスを開催
ザ・リッツ・カールトン東京ジョブプラクティス「おもてなし」のこころ

2022年11月12日(土)、ジョブプラクティス(中高生を対象とした1日仕事体験)が、「ザ・リッツ・カールトン東京」により開催されました。同ホテルには、これまで10年間、毎年継続して開催していただいており、コロナ禍で観光業界が厳しい時期もオンラインで実施してくださいました。

 

今回は、待ちに待った3年ぶりの現地を訪問してのジョブプラクティスです。20名の中高生が、「心のこもったおもてなし」を体感しました。

 

◆職業体験セミナーに込める思い

世界規模で展開する、ザ・リッツ・カールトン ホテルは、各国での地域貢献活動として、①子どもたちの幸せ、②飢餓と貧困の撲滅、③環境保全、の3つに取り組んでいます。

ブリッジフォースマイルと10年間関わってくださっているハンス・スタドラーさん(写真左)は、「ホテル業界は、コロナ禍で離職する若者も増えたが、“接客”を通じてこそ得られるやりがいがある。子どもたちにそれを伝え、職業選択の一つとしてほしい」とジョブプラクティスを継続してきた思いを述べてくださいました。

 

◆ホテル・ツアー:景色や内装に感動!

最初は、ホテルのスタッフとしてのおもてなしや心構えに関する話をお聞きしました。続いて、2グループに分かれて、ホテルを案内していただきました。45階ロビーからの壮大な景色。大きく壁にかけられた絵画。ロビーに広がるグリーンシトラスの香り。どれも素晴らしいものでした。
ザ・リッツ・カールトン東京_ホテル・ツアー
スタッフ専用の廊下に一歩出ると、さまざまな国籍のスタッフさんが、忙しく立ち働いていました。どんなに忙しくてもスタッフのみなさんは、参加した子どもたちに笑顔で会釈してくださいます。レストランから取り下げられた食器に残った食べ物は、肥料に加工されるそうです。
五つ星ホテルのゲスト(お客様)では、それを支える裏舞台を見ることはなかなかできません。企業のバックヤードを見られるのはジョブプラクティスならではの経験です。

 

◆ベッドメーキング、マナーの体験

次は客室でのベッドメーキングの実践です。ゲストが客室に入って、最初に目につくのがベッドです。「美しいベッドメーキング」には、とても気を遣うとのこと。仕上げに置く枕がモコモコにならないように、みんなで試行錯誤を重ねました。ホテルの仕事で大事なのは、ゲストを観察し、何が手助けになるか、常に考えること。ゲストの薬をみつけたら、横に水を置いて「お大事に」とメッセージを書くこともあるそうです。

ザ・リッツ・カールトン東京_ ベッドメイク体験

 

最後に、茶室とレストランで、作法(マナー)を学びました。和室の戸の開け方、座席の順番。そして、点てていただいた抹茶を実際にいただき、茶碗の持ち方も学びました。レストランでは、フォークやナイフ、ナプキンの使い方を、教えていただきました。「仕事をする上で大変なことは何ですか?」との質問に、「予期しないことにも臨機応変に対応することです。レストランの予約を受けていないはずなのに“予約客”が10名いらっしゃることもあります。そんな時も慌てずに調理場と連携してサービスすること」と回答いただきました。ザ・リッツ・カールトン東京_お点前&テーブルマナー

 

◆ホテルで働くには

今回の職業体験セミナーでは、あらかじめ参加者に質問を準備してもらいました。多かった質問は、「ホテルに就職するための資格や学歴」。その回答は、「資格や学歴よりも、ゲストや仲間を思いやる気持ちが大切」でした。


もちろん語学はできたほうがいいですし、調理師のように資格があったほうがよい職種もありますが、多くの職種は入ってからトレーニングを受け、日々の業務で会得していくものだそうです。実際、説明くださったスタッフさんにも、高卒の方がいらっしゃいました。ちなみに、ザ・リッツ・カールトン東京では、スタッフさんを「紳士・淑女」、お客様を「ゲスト」と呼ぶそうです。ゲストに「心のこもったおもてなし」をするには、「職場の人間関係が良好で、お互いを尊重し合うことが重要」と、紳士・淑女は力説されていました。

 

参加者のアンケートには、
「明るく優しい人が多かった」
「みんな最初から最後まで笑顔だった」
「直接関わらなかった紳士・淑女も会釈をしてくれて、一人ひとりの意識の高さがすごかった」
といった感想が記載されていました。

 

「心のこもったおもてなし」が何か、一言では言えなくても、それを体感できた一日だったのではないでしょうか。

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