ニュース・活動報告
日本では、未成年だけでなく成人であっても、部屋を借りる時はもちろん、大学などへの進学、就職、入院や手術など、多くの場面で保証人を求められます。多くの場合は親が保証人になりますが、親を頼れない子どもたちの場合はそういうわけにいかず、大きな問題になっています。
◆「保証人社会」の日本で苦労する子どもたち
日本は「保証人社会」です。成人であっても、さまざまな場面で保証人を求められます。それが未成年の場合はなおさらです。親を頼れない子どもたちにとって、保証人の問題は非常に難しい壁となっています。
児童養護施設や里親家庭で暮らす子どもたちの多くは、高校を卒業する18歳で社会に巣立ちます。しかし長い間、日本の成人年齢は20歳でした。児童福祉法で守られる対象は17歳まで。18歳、19歳の未成年の子どもたちは、ちょうどこの「法の谷間」にあるために、一人暮らしに必要なさまざまな契約を行う際に、大変な苦労を強いられてきました。
未成年の場合は、自分一人では契約を結ぶことができません。通常は親が保証人になりますが、親が頼れない子どもたちの場合は、施設長や里親が保証人になることを求められたりします。しかし場合によっては、それすらも認められないことがありました。かつては、携帯電話会社によっては、実の親の承認がないと携帯電話の契約が認められず、児童養護施設や里親家庭で暮らす子どもたちは事実上、携帯電話を持つことすらできませんでした。
クレジットカードも同様で、未成年は一人で契約できないため、インターネットで買い物をすることが難しかったりと、不便を強いられていました。
しかし、この「法の谷間」の問題は、2022年に成人年齢が18歳に引き下げられるため、ようやく解消する見込みです。
◆「法の谷間」が解消しても、残る問題
ただ、だからといって親を頼れない子どもたちにとって、保証人の問題がすべて解消されるわけではありません。
成人であっても、保証人を求められる場面はたくさんあります。就職や進学する際に、就職先の企業や入学する学校から保証人を求められることは多く、子どもたちの置かれた状況に対する理解がない場合には、家族のサインを求められることがあります。病気やケガで入院したり、手術をしたりする際にも、家族の同意を求められます。
親を頼れない子どもたちは、こうした場面に直面するたびに、辛い思いをしたり、保証人探しで苦労したりすることになるのです。
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