
ニュース・活動報告
~親を頼れない若者たちを見守るB4S PORT(相談・居場所事業)~

B4S PORT(ビーフォーエス ポート)とは
日々の生活の中で孤独や不安を感じたとき、あなたは、安心して過ごせる場所や、助けてくれる誰かを思い浮かべることができますか?
親を頼れず、児童養護施設や里親家庭など社会的養護の中で過ごしてきた若者たちは、18才以降、その枠組みから離れると、気軽に相談できる人やつながりを感じられる場所がなくなり、「孤立」してしまいがちです。社会的養護の経験がなくても、さまざまな事情で親を頼れず、安心して過ごせる居場所が見つからない人もいます。
私たちブリッジフォースマイル(B4S)は、そんな若者たちが気軽に立ち寄れる居場所「B4S PORT」を、全国で展開しています(2025年7月時点で全国5カ所)。「PORT」という名前には、エネルギーを充電したり、ひと休みしたり、それぞれの明日に向かうための「港」になれるように、という願いを込めました。B4S PORTでは、B4Sの職員と社会人ボランティアから成るスタッフが、日々訪れる若者たちを迎えています。
B4S PORTでできること
B4S PORTでは、みんなでおしゃべりをしたり、一緒にごはんを作って食べたり、何もしないでゆっくりしたり、自由な時間を過ごすことができます。希望者は、寄付品の食材や文房具、衣服などを持ち帰ったりすることもできます。
また、若者たちが楽しみながら、さまざまな人や社会とのつながりを広げるきっかけとなるよう、毎月イベントを開催しています。イベントの内容は、クリスマスなどのパーティ、料理、街歩き、読書会など多岐にわたります。
心理士等の専門的スキルを持つスタッフと個別に相談することもできます。居場所を利用する若者たちの背景やニーズはさまざまです。気軽なおしゃべりを楽しみに訪れる人もいる一方、今日の住まいや食事に困っている人、メンタルヘルスの悩みを抱えている人もいます。利用者が困りごとを抱えている場合は、居場所で継続的に関係性を築きながら少しずつ課題を解きほぐし、本人の希望に応じてB4Sや行政機関、他団体の提供する各種の支援につなげていきます。

B4S PORT よこはまで「流しそうめんイベント」を行ったときのようす
「何気なく居られる場所」
B4S PORTしもきたの立ち上げ後間もない2023年11月から運営に関わっている社会人ボランティア・しーしーは、居場所の様子や雰囲気を次のように語っています。
「B4S PORTでは毎月のシフトに入るので、顔見知りがどんどん増えていきます。スタッフから何か話をして過ごすというよりは、利用者がふらりと来て、おやつをつまんで何気なく居られる場所というのが素敵だなと感じています。
夕飯を作る日には、利用者が手伝ってくれたり、みんなでご飯を食べたりすることが、大家族みたいで嬉しい気分になれます。私がたまにサツマイモ持参で焼き芋を作ると美味しいと喜んでくれて、些細なことでも居場所の楽しい体験になっているんだなぁと感じます。」

元・児童相談所職員から見た居場所の価値
B4S PORTには、長年児童福祉に携わってきた職員もいます。元・児童相談所の心理士という経歴を持ち、現在B4S PORTよこはまのスタッフを務める「やすみん」に、居場所を運営する上での心がけや安心して過ごせる居場所の価値について聞きました。
「児童相談所にいた頃、社会に出たら、どうやって生活していくのだろうと気になる子がたくさんいました。虐待で大きな被害を受けた子、精神科につながって治療している子など、重たいものを抱えて本当に苦しんでいることが伝わってきて、彼らに解決は難しいだろうけれど、この重たいものとどう付き合っていくのだろうかと気がかりでした。
今、居場所の運営に関わって、児童相談所の一時保護所と居場所は少し環境が似ていると感じます。一人ひとりが大変な事情を背負っているけれど、そこでどう楽しく過ごせるか、スタッフが尽力しているという点で通じるものがあります。
居場所は何よりまず、安心感が得られる場所にしたいです。みんなでおいしいご飯が食べられる、ちょっとしたことから人とのつながりができる、そうした関わりの中で、子どもたちが『あ、ここにいていいんだ』と思えるような環境づくりを心がけています。
私は個別支援も多数行ってきましたが、居場所の価値は極めて大きいと思っています。
利用者の中には、大人に信頼感をもてず、いろいろな支援を利用することができるのに、上手にSOSを出せない人もいます。人によっては、甘えたいのに甘えられなくて、かえって人を遠ざけてしまうなど、ニーズをまちがった形で表現することもあります。
居場所はまず、大人との信頼関係を作る場所です。一人でも頼れる人がいれば随分生きやすくなるし、よりよい人間関係を学ぶこともできます。そうして気持ちが落ち着くと、徐々に周囲の人とのつながりが広がり、自立に近づいていきます。」
居場所で見守る若者の成長
やすみんに、とりわけ印象に残っているエピソードを聞きました。
「居場所を利用するようになって、周囲が驚くほど変化した人もいます。ある利用者は、ほとんど両親を知らず、中学まで不登校で施設の中に引きこもっていました。18才で一人暮らしを始めましたが、仕事でつまずき、再び引きこもってしまうことを心配した施設職員の紹介でB4S PORT よこはまに来るようになりました。
居場所につながった当時、リストカットの跡がたくさんあり、スタッフが話しかけても、ほとんど話すこともありませんでした。けれど、徐々にスタッフや他の利用者たちと馴染んで、一緒に料理やゲームをするようになりました。居場所で振袖を着て成人式のお祝いもしたし、活動的になり、コロナの時は緊急食糧支援のボランティアにも参加してくれました。なぜ参加したのか尋ねたら、『いっぱい、いろんなことしてもらったから』と話してくれました。
元々、行政サービスの手続きを自ら行うなど、自分で決めたことは実行する力がある子だったので、紆余曲折はありましたが、今では結婚し、頼もしい母親に成長しました。前よりずっと明るい表情で、時々子どもを連れて遊びに来る姿には感慨深いものがあります。」
若者と社会資源をつなぐ「ハブ」としての居場所
このように、B4S PORTは、「親」「実家」といったセーフティネットを持たない若者たちに「安心安全な場」「近しい境遇の仲間との出会い」「信頼できる大人との出会い」「相談できる環境」を提供し、若者たちの安全基地として機能しつつ、利用者ひとりひとりが自分なりに幸せな生活を送れるようになることを目指し、中長期的に関わり続けています。
若者支援の現場では、行政窓口より訪問しやすいB4S PORTのような居場所が、若者の困りごとを把握し、社会資源につなげるハブ的役割を果たすことも期待されています。

社会人ボランティアの募集・ご寄付のお願い
B4Sでは、居場所の運営など、親を頼れない子ども・若者たちの自立を支える活動に参加いただける社会人ボランティアを募集しています。多様な経験や考え方を持つ社会人ボランティアとの出会いも、子ども・若者たちにとって社会とつながる一つの機会となります。活動に共感いただける方のご参加をお待ちしています。
▶B4Sのボランティア活動についてはこちら
また、B4S PORTでは、居場所での時間をより楽しく充実したものとするために、みなさまからのご寄付(継続寄付、物資支援)を活用させていただいています。いつもご支援いただいている個人・法人の寄付者のみなさまに、この場を借りて心より感謝を申し上げます。引き続きのご支援をよろしくお願い申し上げます。
▶継続ご寄付などについてはこちら

現在、B4S PORT(よこはま・しもきた・くまもと)では、Yahoo!『買って応援便』によるご寄付を受け付けています。『買って応援便』とは、物資の支援を希望している団体や施設に、Yahoo!ショッピングで購入した商品を寄贈できる仕組みです。長期保存できる食品やお菓子、飲み物など、若者たちがくつろげる空間を提供するために居場所で必要としているものが毎月更新されていますので、ご覧いただけましたら幸いです。
▶「B4S PORT よこはま」が希望する商品
▶「B4S PORT しもきた」が希望する商品
▶「B4S PORT くまもと」が希望する商品
※本記事は、当事者から掲載許可を得たうえで公開しております。
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