ニュース・活動報告

20人弱からはじまったボランティア活動。ボードメンバーとして、理事、監事として、B4Sとともに歩む、これからも。

#巣立ち18 たくみんインタビュー画像(アトモBBQ、サポーター仲間と一緒に)

 

団体の立ち上げ間もない2006年からボランティアとしてブリッジフォースマイルを支えてくださっている「たくみん」。サポーターとしてだけではなく、団体を継続していく上で必要な監事や理事といった役員も引き受けてくださっています(現在は理事)。

立ち上げの頃の熱を帯びていた現場の思い出、出会った高校生に驚かされたこと、これからのブリッジフォースマイルへの思いなどを率直に語ってもらいました。

※ブリッジフォースマイルでは、社会人ボランティアとして活動を支えてくださっている方を「サポーター」と呼んでいます。以下、「サポーター」と記載しています。

 

◆ブリッジフォースマイルとの出会い

最初にブリッジフォースマイルに関わったのは、2006年の年明け、巣立ちプロジェクトの後半のオプション講座の回から飛び入りで参加しました。当時の巣立ちプロジェクトは、全6回のセミナーとテーブルマナー講座・インターネット研修のようなオプション講座、イベント(クリスマス会、修了パーティー)を開催していました。

 

参加するきっかけとなったのは、会社の同期からの誘いです。講座のテーマが興味深かったことと、母親から「若い頃からボランティアをしていたほうが良い」と言われていたこと。せっかくなら、ここでボランティアをやってみようと思って参加しました。

 

2006年4月からは本格的に参加して、巣立ちプロジェクトの「ボードメンバー」として、プロジェクトの企画・提案(進め方や内容)を他のボードメンバーと一緒に考えるといった運営面にも携わるようになりました。その後は、アトモプロジェクトの立ち上げにも関わっています。2009年まで巣立ちプロジェクトとアトモプロジェクトでボードメンバーとして活動していました。

 

今は500人以上のサポーターさんがいて、いろいろな会社の人やさまざまなバックグラウンドをもつ人が集まっていますが、当時は20人ほどだったと思います。友人の紹介でブリッジフォースマイルのことを知った人が集まっていたので、出身企業が偏っており知り合いが多かったですね。また、高校生から見て少し上のお兄さん、お姉さんのような存在であることを求められていたので、20代〜30代くらいの人が多く、同世代が集まって、わいわいしている感じもあり、楽しかったことを覚えています。

 

活動は週末で、今のように東京ブランチ・神奈川ブランチのように分かれていなかったため、東京と横浜のセミナーを同じ人が対応しており、週末の土曜日は東京・日曜日は横浜で参加するような形でした。セミナー当日の対応だけでなく、事前準備やオプション講座・合同イベントを含めると毎月5、6回は活動していましたから、彼女と会うよりブリッジフォースマイルの仲間と過ごすほうが長かったですね(笑)。監事、理事になり、さまざまな企業の約款を調べて、ブリッジフォースマイルの運営の仕組みを整えたりもしました。

 

2010年以降は、仕事の関係で巣立ちプロジェクトへの参加は隔年となりましたが、自立ナビゲーションに参加し、退所者と定期的に会い、巣立ち後の暮らしを見守る活動も行いました。現在は、仕事量と相談しながら、参加可能なプロジェクトに関わったり、理事会のミーティングに参加したりしています。

 

◆ずっと関わっている理由は、サポーターとして得られるものがあるから

ずっと活動に関わっているのは、昔、代表の林さん(ニックネーム「えりほ」)に、「えりほが理事長をしている間は、できる限りの協力をします」と言ったから…というのはあるのですが(笑)、自分にとって、活動に参加することで得られるものがあるからです。

 

1つ目は、活動に関わっている人たちの関係性がとてもフラットで、価値観が多様なことです。

企業だと役職や年代による上下関係があったり、考え方や意見が同質になったりしがちですが、ブリッジフォースマイルには、いろいろな価値観をもった人がいます。時として、認識をあわせることが難しいこともありますが、会社の外に出たことで、世の中には価値観が多様な人がいることを実感しましたし、コミュニケーション能力の向上にもつながっています。

 

2つ目は、高校生との関わりを通して、世の中の変化を知れることです。

はじめて参加した2006年と今では高校生の思考は確実に変わっています。自分との年齢差も広がっているから、というのもあると思いますが、思考の変化をさらに大きく感じます。最近衝撃を受けたのは、スマートフォンを使って友だち同士で位置情報を共有していたり、部屋にカーテンをつけていなかったりと、プライバシーに対する考え方が大きく違ったことです。

高校生と関わり、考え方や感覚の違いを肌で感じ、価値観が広がったことが、団体内の活動だけではなく、ビジネスにおいても、世代が違う人たちと関わる際に役立っています。

 

3つ目は、理事会に参加し、団体の運営にも携わらせてもらっていることです。

代表のえりほをはじめ、ブリッジフォースマイルの執行部は、団体の方向性を示したり、ビジョンを作ったり、各プロジェクトのネーミングをすぐに思いついたりしますよね。NPO団体というよりは、新規事業をどんどん立ち上げていく、ベンチャー企業に似ていると感じます。もし自分が今の会社で新しい事業を作っていく立場になった場合には、必要とされる経験だと思うので、近くで見ていて、とても勉強になり、学ぶことが多いです。

また、理事会に参加していると、既存のプロジェクトを終えて、新しいプロジェクトを立ち上げるかどうかの判断を迫られる時もあります。自分たち(=ブリッジフォースマイル)の立ち位置と社会に求められていることを考え、次に何をやっていかなければならないか、アイデアが次々に出てくることも本当にすごいと思っています。自分の会社の中では経験できないことを学ばせてもらっています。

 

3つお話ししましたが、これらは、私にとっての「得られるもの」です。他にもいろいろありますが、ボランティアだからといって奉仕の精神で関わるというよりも、ブリッジフォースマイルとの関わりを通して学べることが多かったというのが、これまで続けてこられた一番の理由だと思っています。

 

◆B4SはOne Team(ワン・チーム)。立ち上げ期の、ある思い出と緊張感。

大変でしたが、良かった思い出があります。それは、千葉ブランチを立ち上げた時のことです。この時は、今の巣立ちプロジェクトのような集合型でセミナーを実施するのではなく、施設を訪問する出張型のセミナーとして実施しました。その施設からは、「1回目のセミナーの様子を見て、良ければ2回目以降の実施を決める」と言われていたので、1回目はとても緊張していた記憶があります。

当日は、施設のリラックスタイムにお邪魔する形で行いました。高校生だけではなく、中学生もいたし、パジャマ姿の参加者もいて、ある意味とても自由な雰囲気のなかでのセミナー開催となりました。私もえりほも、ドキドキしながらセミナーを開催したのですが、1回目のセミナーの評価が良かったため、2回目だけでなく、半年間も続けることができました。

 

このような成功につながったのはサポーターのチームワークの良さが影響していたのではないかと思います。サポーター仲間とはこれまで多くの時間をともに過ごし、誰が何を得意としているかをお互い把握していたので、サポーター同士の協働はとてもスムーズで、役割ごとにここは誰に任せようというチームワークができ上がっていました。子どもたちの反応にあわせて、臨機応変に対応し、とても良いセミナーを開催できたと思っています。翌年以降、他の施設からも参加してもらえるようになり、集合型開催の千葉ブランチとして育っていったんです。うれしかったですね。

 

◆広がるプロジェクト。今のブリッジフォースマイルへの思い

現在の巣立ちプロジェクトは、仕組みが整って、カリキュラムの内容がある程度決まっています。事務局スタッフとボードメンバーの皆さんの努力で、このような形になって良かったと思います。子どもたちにとって必要なセミナーとしての認知が定着し、毎年毎年、多くの児童養護施設や里親家庭などから高校生を送り出していただける関係性がしっかりできていると実感しています。最初の頃は、セミナーの案内をしても何人来てくれるんだろうかとドキドキする部分があったので、今とは大違いです(笑)。

 

うれしい反面、規模が大きくなるにつれて、全体が見えづらくなったとも感じています。同じプロジェクトに参加しているサポーターであっても、知らない人がたくさんいますよね。サポーターさんも事務局スタッフもどうやったら長く続けられるのかを考えることがありますが、難しいです。もし、参加できない期間があっても、時間ができたら、また戻ってきたいと思ってもらえるといいなあと思います。ふとした時に思い出し、戻ってみようかなと思った時に、知っている人が誰もいなかったら寂しいですよね。プログラムにおいても、フォロー体制やチームワークがその場の雰囲気を作っていきますので、サポーターさん一人一人の強みや特徴を出せるように、サポーターさん同士の一体感やチームビルディングが大切ですね。そして、おのおのの関係性ができると、継続的な参加につながるし、団体全体がうまく回っていくと思っています。私自身は、これからも今までと変わらず関わっていきます。いろいろな人と関われる機会も楽しみにしています。

 

#巣立ち18 たくみんインタビュー画像(千葉ブランチ立ち上げ、横浜食育セミナーの様子)

 


 

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