ニュース・活動報告

ブリッジフォースマイル（B4S）のVISION～親を頼れないすべての子どもが、笑顔で暮らせる社会へ～を実現するための一つが「巣立ちプロジェクト」。春に施設や里親家庭から巣立つ高校生のために、自立に必要な知識やスキルを伝えるセミナーを、夏～冬の半年間、月1回開催しています。今年度は約200名の高校生が参加。2005年の初開催から数えると合計約2,300名もの高校生が参加してきたことになります。今年度も首都圏、佐賀、熊本、北海道で実施。この活動報告では首都圏の様子をご報告していきます。

◆ブランチ数が過去最多に！

2005年の初開催は7名の参加者数でした。年を重ねる度に参加者数は増え2018年には約140名、そして2019年以降は200名前後の参加者数で推移。これに伴いブランチ数も増えて、2023年は過去最多の全13箇所。新型コロナウイルス感染症が落ち着いた事もあり、リアルな場への参加希望が完全に復活しました。一方で、コロナ禍でスタートしてみたオンライン会場は忙しい高校生にとって需要も多く、今年度も4会場が設定されました。

※ブランチ：巣立ちセミナーを実施する会場（オンライン会場も含む）のこと

＜巣立ちプロジェクト実施概要（2023年度首都圏開催）＞

・ブランチ数：合計13箇所-会場ブランチ 9箇所、オンラインブランチ 4箇所

・参加人数
　・高校生：申し込み者数199人（昨年：202人）

うち、会場ブランチ参加者　121人、オンラインブランチ参加者　78人

・参加施設数　79施設、うち里親5

・社会人ボランティア：申し込み者のべ人数　158人

うち、会場ブランチ参加者109人、オンラインブランチ参加者　49人

◆定量化した成果を基に打ち上げ懇親会でディスカッション

B4Sでは私たちの取り組みやその成果を定量化する動きがあります。

例えば巣立ちプロジェクトではセミナーの開催前（8月）と開催後（１月）に、高校生が“同じ設問”からなる全14問のテストにチャレンジしています。その結果は・・・。正答率は確実にあがっています！

一人暮らしのための知識が着実に蓄積してきたことがわかります。また、一人暮らしへの知識だけでなく6回のセミナーを通じて、ポジティブに気持ちを切り替えることができるか？といった問いにも成果が見られました。

他にも巣立ちプロジェクトの前後に、高校生へアンケートをお願いしています。

設問例：「困った時に相談相手を見つけ、相談ができますか（4段階の回答）」

事前アンケートでも「できる、ややできる」は高い割合（82％）でしたが、事後アンケートではより高く（92％）なっています。自分一人で悩まずに相談相手を見つけ、伝えるワークが効いています。

今年度はこれらの巣立ちセミナーに参加した高校生の変化やアンケート結果や成果を「社会的インパクト」としてサポーターの皆さんへ共有し、振り返り懇親会でもグループディスカッションなどで活用しました。

巣立ち振り返り＆打ち上げ懇親会を2月に実施。42名の参加で盛り上がりました！

＞＞社会的インパクトをご紹介する巣立ちプロジェクトの記事はこちら

◆高校生、施設職員・里親、サポーターの声

【高校生の声】

・セミナーの参加を通して将来が少し、楽しみになりました

・将来のことを考える良い時間でしたし、しっかり考えないといけない、と気づきました

・何かあればB4Sが頼れる存在であること知りました

・大人が話す経験談・失敗談は自分の将来を考える上での学びになりました！

・暖かいサポーターや他の高校生との会話はとても楽しく、いろいろと知り、考えました

・同じ境遇の仲間と知り合えて、話をするのが楽しかった

【施設職員・里親の声】

・多様な人、逆に同年代の仲間と接する機会があったようで良かったようです

・参加者本人の居場所をみつけることができたようです

・毎回楽しんでおり、最終回では寂しさもあったようです

【サポーターの声】

・高校生とのコミュニケーションに不安がありましたが、実際に参加するとその不安はなくとても良い雰囲気の中で参加できました

・高校生とのコミュニケーションにより自身の視野が広がり、気づきも多くありました

・サポーターひとりひとりの意見に耳を傾けていただきとても有り難く思います

・動画による事前学習は良い方法だと思います

◆2024年度もよろしくお願いします！

これまでの巣立ちプロジェクトを通して、いくつかの課題も見えてきました。
各種データのさらなる分析と検証、セミナー内容のアップデート、高校生の参加率を維持・向上させるには、巣立ちセミナーへ参加した高校生をB4Sの他のプロジェクトへどう繋げるか？などです。

これらを踏まえて巣立ちセミナーを更に充実させていきます。

VISION～親を頼れないすべての子どもが、笑顔で暮らせる社会へ～の実現に向け進みます。

2024年の巣立ちプロジェクトもみなさんのご協力が不可欠です。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

巣立ちプロジェクトでは参加する高校生たちにポイントを付与しており、もうすぐ自立しなければならない参加者たちは生活に必要なものを選んでポイントと交換しています。
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