
ニュース・活動報告

2025年6月に行われたジョブプラクティスには、日本支社長(前列中央)と13人の社員がボランティアとして参加しました。
ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(以下、RBC)東京支店は、2020年から6年以上にわたり、計3000万円以上にのぼる寄付に加えてジョブプラクティスの実施やコエールへの参加を行っています。「今ではすべての社員が、B4Sの活動や、親を頼れない子どもたちに関心を持っている」という同社は、なぜブリッジフォースマイル(B4S)をチャリティパートナーに選び、支援を続けているのでしょうか。6年前のパートナー選定から活動に関わっている、RBCキャピタルマーケッツ証券会社 東京支店、カナダロイヤル銀行 東京支店 業務部 マネージャーの石田亮子さんにお話を聞きました。
(聞き手:ライター 大井明子)
■B4Sは全社員で選んだチャリティパートナー
――どのようなきっかけで、B4Sをチャリティパートナーに選定したのでしょうか。
当社では2020年以前も、社内の担当チームが選んだほかの団体をサポートしていたのですが、支援先選定に社員全員が参加することで、より関心を高めて全社で納得感を持って支援活動をしようと、あらためてチャリティパートナー選定を行うことになったのです。
まずは、選定メンバーで複数の候補団体を挙げ、その中から社員全員に投票してもらってB4Sを選びました。実は私も選定メンバーになっていて、B4Sを候補に挙げたのは私だったんですよ。
――B4Sを候補に挙げたのはなぜでしょうか。
世の中にはさまざまな社会課題があり、支援を求めている団体もたくさんあるので、非常に迷いました。ホームページなどで情報収集をした中でB4Sが気になったのは、「親と暮らせない子どもたちの支援」という活動に深く共鳴したからです。
子どもの成長には、育成環境が大きく影響します。「親と暮らせない」というのは、その子にとって、大きなディスアドバンテージになるだろうということはすぐに想像できました。
それから、ホームページを見ると、B4Sの活動は寄付の利用用途が非常にクリアで、私たちの支援が子どもたちの抱える課題の解決に反映されやすいように感じられました。
社員も、B4Sの活動内容やB4Sが支援している子どもたちについていろいろ調べてから投票してくれたようです。ほかにもたくさん素晴らしい団体はあったのですが、最終的にB4Sを選んだのは、従業員の共感を呼び、結果として最も多くの票を獲得できたからです。
――チャリティパートナーを通じて社会貢献を行う目的は何でしょうか。
私たちRBCは、お客さまの成功と地域社会の繁栄を支援することを使命としています。パートナーの活動を通じて社会貢献に参加することは、地域社会への貢献になるだけでなく、RBCで働く私たちにも大きなプラスになります。一個人ではなかなか知りえなかった、支援を必要としている人たちの状況を理解することにもつながります。また、個人や企業単体の活動よりも、より大きく、効果的に支援を行うことができると考えています。

■もっと深く知るために、寄付以外にも支援を拡大
――2020年から、毎年500万円にのぼる寄付を行っていますが、2022年からは子どもたちをオフィスに招いてジョブプラクティス(仕事体験)も実施、さらにコエールにも参加しています。支援の幅を広げているのはなぜでしょうか。
もともとRBCは社会貢献活動に力を入れており、社員の関心も高いです。それもあって、私も、ただお金を出すだけでなく、社員にB4SやB4Sがサポートする子どもたちについて知ってほしいという気持ちがありました。それで、チャリティパートナーを決めた当初から、社員がボランティアとして参加できるような支援をしたいと考えていました。
残念ながらコロナ禍があり、最初は子どもたちや社員を集めるようなイベントができませんでしたが、落ち着いたタイミングでジョブプラクティスを実施することにしました。
ジョブプラクティスには毎年、どんな内容にするか企画を考えるところから、部屋の飾りつけなどの準備、当日の運営サポートなど、たくさんの社員がボランティアとして参加しています。イベントの後には、参加した子どもたちのフィードバックを受けて反省点を出し合い、次回に生かしています。
毎年参加する人も多いですし、当日参加できなくても、前日の準備を手伝ってくれたりする人もいます。昨年6月のジョブプラクティスでは、部屋の壁にRBCのTシャツを貼って飾り付けたのですが、「当日は行けないけれど、代わりに私のTシャツに子どもたちを歓迎してもらいます」と、自分のTシャツを貸してくれた人がいました。

2025年6月に行われたジョブプラクティスの様子
――昨年は子どもたちと一緒に、楽しみながら金融や投資について学べる投資ゲームを実施しました。「国債」「為替」などの価格が変化する中で、米、肉、カナダ名産のメープルシロップなどを売買しながら資産を増やす、本格的なゲームだったのですが、参加した子どもたちはとても楽しかったようで好評でした。ゲームの構成もすべて、社員のみなさんが考えたそうですね。
そうなんです。普段の仕事でゲームを作ったりすることはなかなかないので、社員も楽しんでいたようです。
ジョブプラクティスはもともと、子どもたちの将来の職業選択に役立てるためのものですが、職業に限らず、日常の中で「選択」する機会はとても多い。「さまざまな選択を自分でできるようになることが大切なので、それを体感できるようなゲームにしたいね」「『未来は自分で決められる』ということを知ってほしい」「今、夢がなくても、わからなくても大丈夫だと伝えたい」など話しながらゲームを考えました。
終了後の振り返りでは、「子どもたちもとても楽しんでくれたようだし、このゲームを定番化させて、まだ参加したことがない子どもたちにも経験してもらうのはどうだろう?」「こういった金融知識は、社会に出ると誰もが必要になる。それを子どもたちに教えられるよう、施設の職員の方々にも知ってもらえるといいのでは」などの意見が出ました。こうした意見はB4Sのスタッフのみなさんとも共有し、ぜひ今後に活かしたいです。
――親を頼れなかった当事者たちが、社会問題について情報発信を行うコエールにも参加しています。
ジョブプラクティスは、児童養護施設や里親家庭で生活する子どもたちと接する機会になりますが、こうした「親を頼れない子どもたち」を取り巻く環境については、それだけではなかなかつかみ取ることができません。
私自身、初めてコエールに参加したとき、これほど多くの問題があるのかと衝撃を受けました。登壇した当事者の方々は、それぞれが本当に重い経験をしていて、それを言葉にするのはとてもつらかっただろうと思いました。RBCの社員も、コエールで彼ら・彼女らの話を聞けば、私たちがB4Sを通じて支援している子どもたちに対する理解が深まり、活動の意義を深められるのではないかと考えました。
また、コエールに参加することで、B4Sという団体の必要性をあらためて認識しました。もちろん、まだまだ支援が必要な人たちはたくさんいますが、それでも、B4Sがなければ救われなかった人たちがたくさんいることがわかり、あらためてチャリティパートナーとしてふさわしい団体だと感じました。

■「やって終わり」にならないようタイムリーにレポートを共有
――昨年のジョブプラクティス当日は、社長と13人の社員の方々がボランティアとして参加。コエールも、多くの社員が視聴しています。いつもたくさんの社員のみなさんが関わっているそうですが、社員を巻き込む上で苦労はありますか。
ジョブプラクティスには毎年社長も参加しており、そうしたリーダーシップも後押しになっていますが、社会貢献への関心の高さはRBCの文化なので、特に苦労をしたことはありません。
ただ、イベントなどについて事前の案内を送るだけでなく、終了後に、どんな風に行われたか、写真を盛り込んだレポートをタイムリーに共有することで、「やって終わり」にならないよう工夫しています。行われたイベントの様子を知らせると、「今回は参加できなかったけれど、来年はぜひ参加したいです」といった反応が来たりします。
また、「絶対参加してください」といった形にしないよう、気を付けています。それぞれの社員の意思を尊重し、あくまでもできる形・できる範囲で参加してもらうようにしています。そうでないと続きませんし、だからこそ、たくさんの社員が参加し続けてくれているように思います。
――B4Sや、B4Sが支援する親を頼れない子どもや若者に対する関心は、社内で高まっていますか。
明らかに関心は高まっています。毎年、B4Sの林恵子代表を招いて、活動報告を行ってもらっていますが、半数近い社員が参加していますし、たくさんの質問があがります。今では社員でB4SやB4Sの活動について知らない人はいないでしょう。120%の認知だと言っていいと思います。

2025年11月に行われた、B4S林恵子代表による活動報告会
■理解を深めるためにも継続は重要
――企業によっては、「より多くの団体を支援したい」と、短期間で支援先を変えるところもあります。RBCは6年間にわたり、継続してB4Sを支援していますが、なぜでしょうか。
確かに、支援を必要としている団体はたくさんあります。支援先を広げるという選択肢も素晴らしいと思いますが、私たちRBCは、継続を重視しています。
まず、一つの社会課題を理解するためには、短期間では難しいと考えているからです。私たちは、社員の社会課題に対する理解を深めることも活動の目的の一つと考えているので、継続的な支援が欠かせません。実際、これまでも、ジョブプラクティスやコエールへの参加、林代表による報告会などを重ねることで、社員の理解が深まってきたという実感があります。
また、私たち東京支店は四十数人と、それほど大きな組織ではありません。支援先を増やせば、それだけボランティアなどに参加する社員も分散し、一人ひとりの負担も高まるでしょう。こうした理由からも、RBCには継続的な支援がマッチしていると考えています。
――B4Sへの支援を始める前と後で、変化したことはありますか。
私も社員も、社会の問題について考える機会が増えました。社員全員の投票で決めたパートナーですから、社員にも当事者意識が生まれていますし、関心も理解も高まっています。B4Sが支援する子ども・若者たちを取り巻く状況の厳しさや、彼ら・彼女らを支援する上でのB4Sのみなさんのご苦労にも、心を寄せています。

■会社から、社会課題を知り解決に貢献する機会をもらっている
――こうした社会貢献活動を続けることは、RBCのためにもプラスになっているでしょうか。
会社がこれだけ、社会課題の解決に対して強いコミットメントを示していることは、社員の会社に対する愛着につながっています。
「チャリティパートナー」という会社の取り組みをきっかけに、自分たちの周りにある社会課題について知ることができ、しかも課題解決に貢献できる。会社から、そんな機会をもらえていると感じます。
――今後は、どのようにB4Sとのパートナーシップを続けていきたいと考えていますか。
今後も続けたいです。社員の関心も高く、さまざまなアイデアが挙がっているので、私たちが提供できるスキルや経験、リソースを活用して、例えば子どもたちだけでなく、子どもたちをサポートしている施設職員の方々に対しても、金融教育などを通じた支援ができないかといったことも考えたいです。
今年も5月にジョブプラクティス開催を予定しており、たくさんの子どもたちに出会えることを今から楽しみにしています。
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