ニュース・活動報告
2004年に退所後支援(アフターケア)が施設の役割と児童福祉法に明記されてから、15年が経ちました。いま施設では、どのような対応をしているのでしょうか。
「卒園後は電話連絡、訪問、又はケースによっては就職企業との連携も取りつつ、関係性によっては結婚・出産等節目での関わりを継続しています。人間としての成長を見守る中で継続して支援を行う関係作りを心がけてはいますが、連絡を取ろうとしても取れない子も多く、また、在園児童を抱える中で『施設として』退所児童をどこまで追いかけるのか、難しさも抱えています。」
(「2018年社会的自立に向けた支援に関する調査」自由記述回答から抜粋)
どこまで追いかけるのかを年齢、場所、内容の3つに分けて考えてみます。
まず年齢です。成人するまで(20歳)と、大学を卒業するまで(22歳)は、比較的区切りやすいです。しかし、結婚出産や転職など、支援が必要となるライフステージの変化のタイミングは年齢には全く関係ありません。
次に場所です。退所後の生活地域は、退所者一人ひとりの事情によって異なります。仕事を求めて都市部に出る子や遠方の大学などに通う子は、施設から地理的に遠い場所に住んでいます。仕事を変えるたびに住まいを転々とする場合や友人やパートナーの家に居候している場合もあります。施設職員がすぐに会いに行ける場所ではないことも少なくないのです。
最後に内容です。「困っているから相談に乗ってほしい」と退所者から連絡が来る場合は、職員が時間を調整して応じることも可能です(とはいえ、職員は多忙で、時間の調整は難しい場合も多く、また、職員の手弁当による支援になることも多いようです)。しかし、例えばお金の管理が上手くできず借金を抱えている子に対して、退所後の通帳を預かったり家計簿を管理したりする支援をするのかどうか。正社員の仕事を辞めてキャバクラで働き始めた子がいた時、キャバクラを辞めさせて他の仕事に就く支援をするのかどうか。どのような内容なら支援をするのか、また、どのような支援をするのが適切なのかは、単純に決められることではなく、本人の意向を尊重しながら進める必要があります。
必要な人に必要なアフターケアが行きわたるのが理想ですが、支援する人の時間も予算も限りがあることから、必要性を見極め「どこまで支援をするのか」を判断することは容易ではありません。
(事務局スタッフG)
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