
ニュース・活動報告
認定NPO法人ブリッジフォースマイル(B4S)は2004年の創立以来、虐待などで親を頼ることができず児童養護施設や里親家庭などで暮らしている子どもたちが、自立の際に直面する課題を乗り越えるために、巣立ち前から巣立った後もさまざまなプログラムで「伴走支援」をしています。また、2024年度からは児童養護施設などの社会的養護につながる機会を持てなかった方も含む、親を頼れない方に向けての相談・支援窓口も開設しています。
今回は、20年以上“親を頼れない子どもたち”に寄り添ってきたB4Sを長年支えてきたスタッフ4人で、今までの活動の振り返りや自身の変化、これからのB4Sについて座談会形式でお話をしたものをみなさまにご紹介いたします。
座談会の前編はこちら

【登場スタッフ】左から 植村 百合香、林 恵子(理事長)、菅原 亜弥(副理事長)、矢森 裕章
後編となる今回は、B4Sでの活動を通して感じた自身の心境の変化、これからのB4Sについてのお話をお届けします。
1. B4Sでの活動を通して感じた「自身の変化」
林: 私は、創立当初と比べて対人関係が上手になりました(笑) あと、家庭も円満になりました!
迷惑をかけてしまったみんな、本当にごめんね。
(一同、笑い)
植村: 例えば、最近B4Sに入った人に「林さんって、丸くなったんですか?」って言われたら、「めちゃくちゃ丸くなったよ!!」って返すんですよ。「全然今と違うよ」って言いたい。(笑)
矢森: 私は、良くも悪くも福祉寄りになった。福祉側の気持ちがだいぶわかるようになってしまったなっていうところかな。
私、昔は民間企業に勤めていて、林さんと出会ったときは「会社人」「合理的で新自由主義の権化」みたいな人間でした。
だから、最初は民間の意識を持ちつつ福祉の間にいたはずが、ずいぶんと福祉寄り・子ども寄りになりました。それがいいのか悪いのかは私にもなんとも、まだ分かりませんが。
変化の一番のきっかけは、緊急的にスマイリング(子どもたちへの住宅支援)を任せてもらったことです。はじめてその時、子どもたちとじっくり話す機会が与えられて。その体験があったから、徐々に「俺、支援できるかも」「子どもたちとコミュニケーションをとれるかも」と思えるようになりました。
結果的にあの体験が、今でも自分の子ども支援や個別支援の基礎になっていて。子どもたちへ提供するセミナー作りでもすごい役立っています。
「子どもがいろいろ教えてくれる」という言葉、昔は「そんなことあるか!」ってずっと思っていました。今でも「子どもは、教えてはくれない」と思ってます。
ただ、「子どもたちを通していろいろ気付ける・自分で学ぶことができる」とは思うようになりました。その辺の意識も、随分変わったと思います。
菅原: 私は、予期せぬ経験がたくさんできました。
B4Sの大きなターニングポイントとなった「拠点事業」を受託するときに、今まで以上に福祉の専門性が必要だと思って社会福祉士の資格を取得しました。B4Sの成長や流れに合わせて自分も変化してきているし、いろんなチャレンジのできる場だと思っています。
それこそB4Sの活動拠点をどんどん広げていく中で、佐賀、熊本、北海道に、何度も足を運ばせていただけることになるとは思いませんでした。(笑)
矢森さんや仲間たちと地域展開を一緒に進められて楽しかったですし、なかなかできない経験でした。
矢森: あれは面白かったよね。
菅原: 今までは活動の中心は首都圏だったんですが、地域特性をちゃんと捉えながらコミュニケーションに重きを置いて、地域ごとに支援内容をカスタマイズして、地域の理解も得ながらやっていきます。それは、とてもやりがいがありました。
あと、何よりも団体の規模がこれだけ大きくなって、多くの協力者や企業さん、サポーター(ボランティア)さんに支えられて活動できることが、すごいと思っています。
林さんとの出会いがなかったらこんな経験はできなかったので、林さんとみなさんに感謝です。
植村: 私は「自信がついたかな」と思っています。
時に混乱や衝突もありつつ、「みんなでできた!」という体験を何度もできたお陰かなと思います。
団体のホームページリニューアルでは、ロゴの刷新やビジョン・ミッションの再構築など、これまで培ってきたものを見直す大きなアウトプットに関わりました。資金となる助成金の申請から担当し、カナエールと同じように最初から最後まで携われたのもよかったです。
あと、これは変化というより、私の中で変わらないことですが、施設職員のみなさんの仕事への尊敬と、頼ってもらえたときの嬉しさはずっとあります。
知れば知るほど、糸口も掴めないような子どもの状況があることが見えてきて、そのそばに寄り添い続ける大人の存在と、その役割の意義を、年々強く感じています。

過去にB4Sが発行した広報誌を眺める4人
2. 団体内での、各自の展望とは?
矢森: 私は正直、あんまり細かいことは考えてないです。 団体の展望を決めるのは、執行部や理事会が決めることなので。そこでいろいろ出てきたものの中で、一番面白そうなことをやりたいかな。(笑)
団体の展望として考えるんだとしたら、もうちょっと団体が報われてほしい。(笑)
(一同、笑い)
「社会的養護※2」という枠内で、今までやってきた支援実績とか、今チャレンジしていることとか、もうちょっと同業者観点で正当に評価してもらってもいいんじゃないのか?と思ってるので…そういう形でB4Sが報われてほしいかな。
林さんが外部の委員会とかに入れば、子どもたちの支援の形も、より良い方向に大きく変わるんじゃないかと思ってる。
※2 社会的養護とは、親がいない、または親による養育が難しい子どもたちを、国や自治体などの公的責任で、社会全体で育む仕組み。児童養護施設や里親家庭など、さまざまな形で子どもを保護・養育すること。
林: 次の10年で、それを目指しましょう!
植村: 私は、仲間をもっと増やしていきたいです。
私たちが直接支援できる数には限りがありますが、親を頼れずに生きていく子ども・若者に必要なのは、周囲の理解者の存在です。社会人のみなさんにB4Sのサポーターを経験してもらうことで、身近にそうした若者がいたときに、手を差し伸べられる人が一人でも増えたらと思います。
この支援の輪が広がり、B4Sが目指してきたことが、社会の仕組みの中にもっと組み込まれていくことが次の段階だと考えています。
菅原: 私自身の展望ですが、児童福祉とは違う世界のNPOに副業で行って、どういう支援が行われていて、どんなふうに社会を巻き込みながら活動しているのかを学びたいです。そして、その経験をB4Sでの活動に活かしたいです。
あと、外部で話すスキルや、ネットワークを作るとかは、まずやらないと身につかないと思うので。「みんな」が経験して、「みんな」が成長していけるといいですね。
林: まず私は、B4Sが今まで積み重ねてきたものが全部うまく回り出したタイミングが、今きていると思っています。
B4Sにいろんな良い話が来て、そこに対してみんながとてもポジティブに受け止めて。もちろん心配事はあるけれども、「次はこう行くんだ!」というところに、みんなが希望を持ってくれている感覚があります。これは、5年ぐらい前は全然感じられなかった明るさだと思っています。今、私は視界がワーって広がっている感じがするんですよ。
調査研究も2008年から細々とやってきていましたが、今は、優秀なスタッフやプロボノの方たちが担ってくれています。全国児童養護施設退所者のトラッキング調査はいろんなところで取り上げていただいてますし、行政からオーダーをいただけるようにもなりました。
新しい拠点事業について「もっとこうした方が良い」と政策提言していこうとしていますが、それも、これだけ支援の実績があって、それを研究や分析する人材・体制も全てを整えてきたものが、今「Ready!(準備できた)」という状態だと思います。
ここからは、B4Sのみんながしっかり個々の役割をもって目標に向けて貢献するところが、よりしっかりと繋がりだすのではないかな、という実感があります。
いや、本当私の卒業も間もなくかしら?
(一同、ざわつく)
私が卒業するタイミングは、また組織がグッと成長するタイミングだと思います。私が卒業することで、またそれぞれの人がB4Sに対する貢献感を持ったり、役割をさらに認識したり…その、次のタイミングが楽しみだなと思って。
矢森: 林さんがやり切ったと思えたなら、もちろん辞めていただいて全然いいと思います。それぞれの人生だからね。
林: この活動は面白い!面白いんだけど「この面白さを自分だけで独占してちゃいけない」と思っています。きっと誰にとっても、今のB4Sは面白いと思います。
B4Sはこれだけ素地が整って、いろんなことにチャレンジできるタイミングですし、これから待遇もより改善していく予定です。それぞれどのようなキャリアを目指しながら働いていくのか、環境は大分整ってきたと思っています。
次のフェーズに行くタイミングです!と思っているこの頃です。
一同: 21年間、B4Sを支えてくださった全ての方々へ、心より感謝申し上げます。
これからも、親を頼れないすべての子どもが笑顔で暮らせる社会を目指して支援活動を続けてまいりますので、引き続きお力添えください!
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