事務局スタッフコラム

B4S熊本居場所「かたるベースくまもと」ヒストリー[事務局スタッフコラム]

みなさん、こんにちは!熊本事務局のかよよんです。
2021年2月、熊本県に「かたるベースくまもと」という、児童養護施設や里親家庭で生活しているお子さんや、そこを巣立った若者たちが気軽に相談に来れたり、集える居場所ができました!
この居場所に込めた想いを「居場所ヒストリー」として紹介します。

ここ熊本でB4Sの活動が始まったのは2014年。
熊本県の児童養護施設職員さんからブリッジフォースマイルに「子どもたちのためにぜひ、キャリアセミナー(研修)を行ってほしい!」と、声をかけてくださったことがきっかけでした。
その後、年を重ねるごとに、実績・交流を経て「単発ではなく、継続的に子どもたちに伴走していく体制を作ろう!」という想いで2019年に熊本に拠点を置き、活動を展開していきました。そして2021年1月に熊本県・熊本市から「施設退所児童等自立支援事業」の受託が決まり、居場所を立ち上げることになりました。

笑顔の架け橋(ブリッジフォースマイル)となる「かたるベース(居場所)」を目指して

横浜や佐賀の積み重ねにより、運営の雛形はありますが、なにより必要なのは箱、つまり居場所兼事務所となる実際の物件です。
熊本地震から5年、バスセンターや商業施設、ホテル等が続々と新築される熊本市の中心市街地で物件を探そうというのだから難航します。熊本市内のほぼすべてのバスが乗り入れるバスセンターに近い中心市街地でアクセスを良くしたかったのは、熊本弁でいう「かたりやすく」(参加しやすく)するためです。いくつも相談した不動産屋さんからは「熊本市内の中心地付近で探す場合、住居用でないと難しいですね」とのこと。

困り果てた事務局かよよん、高校時代の恩師M先生からお知り合いに不動産屋さんがいらっしゃると聞いたことを思い出してご相談したところ、よく知っている不動産屋さんだからとご紹介いただいたのが(株)辰グループさんでした。早速ご挨拶に伺ってご相談したところ、辰グループさんからは社会的養護下の子ども・若者の現状や、弊団体の支援活動についても共感していただき、この難しい物件を探してくださることになりました。

やっと候補となりそうな物件が見つかったものの、そう簡単ではありません。今度は広さに問題がありました。がっかりムードの中、辰グループのN専務からある解決策がポロっと提案されました。「実はこの物件9階に2部屋あって、そのうちの1部屋はかよよんの恩師M先生が理事をされている2つの団体(ケアサポーターズクラブ熊本とNPO法人熊本インドネシア友好協会)が入っているんだけど、ちょうど4階が空いてるから、まずはM先生方に4階に降りてもらおうかな!そしたら9階の2部屋ともB4Sの居場所や事務所で使えますね!」・・・なんと辰グループさんをご紹介いただいたM先生に引っ越してもらって場所を空ける、そんなことってあるの?と思うような解決策です。
申し訳ない気持ちでいっぱいのご提案でしたが、ご相談の結果、M先生方も「子ども・若者たちへの支援の応援になれば!」ということで、9階の事務所を出て4階へと移動していただけることになりました。結果的にちょっと追い出した感は否めませんが、みなさまのご縁と応援により、ようやく子ども・若者たちの相談拠点場所&事務所が確定しました。

よかった!と一息ついている間もなく、それから大至急、まずはM先生はじめ2つの団体のみなさまもご協力いただいて引越作業が始まりました。長く使用されていなかった部屋の大掃除と片付けもあって大仕事です。それから事務手続き、リフォーム、B4Sの引越作業等…やるべきことは膨大で、しかも新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続く中、なかなか大人数での作業ができず、難航を極めながらも、一歩ずつ開設の準備を進めていきました。

さあ、箱は確保できた!でも大切な居場所ですから空っぽというわけにはいきません。そんな中B4Sが日頃よりお世話になっている「unico」を展開する株式会社ミサワ様から、素敵な家具のご寄付をいただきました。想像をはるかに超える素敵な家具やソファ等に感動です!居場所の彩りと落ち着きが増して、お子さんや若者たちが居場所でくつろぐ風景が見えました。

シックで落ち着いた印象、重厚感溢れる家具たち。作業が難航することもありましたが、家具の組立て、キッチン用品、事務用品、様々な物品買い出し等、B4Sボランティアさんの温かく力強いサポートのお陰で、みんなの居場所が少しずつ出来上がっていきました。

初めての利用者をむかえて。そしてこれから。

さあ、出来たてほやほやの「かたるベース」、熊本県の緊急事態宣言中ではありましたが、2月中旬、初めての利用者が来てくれました。どんな感想がもらえるんだろう?もちろん自信をもって作ってきた居場所ですが、内心ちょっとドキドキ。
居場所に来てくれた利用者の第一声!「落ち着きますね!家具も木目でいいし、オシャレ!」とのこと~!「落ち着ける場所」と感じてくれたこと、よかったー!ほっと一安心です^^

これからここでどんな時間が流れていくのでしょう?利用者ファーストはもちろん、私たちが目指すのは、利用するみんなにとって、
・ほっと一息つける安らぎの場。
・自分らしく過ごせる場。
・困ったこと、悩んでいること、悲しかったこと、悔しかったことを安心して吐き出せる場。そして嬉しかったこと、楽しかったこと、頑張ったことを共に喜び合える場。

きっとみなさんの周りの地域・社会にも、目には見えない、聴こえない、気づかない中、様々な生い立ちにより生きづらさを感じ、一人でその痛みを抱えながら奮闘している子ども・若者たちがいます。彼らの孤立を防ぎ、安心が増え、彼らの心の安全基地・存在の一つとなれるよう「かたるベースくまもと」を作っていきたいです。その軌跡こそ、この居場所の1番の魅力になっていくと思います。

どうかみなさまの温かい応援・支援をよろしくお願いいたします!

 

(熊本事務局 かよよん)

熊本事務局スタッフ一同、エンジン全開です!

「かたる」は、『語る』のほかに、熊本弁で『仲間に入る』という意味があります。
「ベース」は、高い山に挑む人が事前準備をしたり、避難する時の安全基地という意味で使われます。
子どもたちが仲間と共に語り合う、心の安心・安全基地でありたいという願いを込めて、「かたるベースくまもと」と名付けました。


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配る寄付から選べる寄付へ。物品支援と共につながりつづける仕組み~トドクン[事務局スタッフコラム]

物品寄付の多くは、もう使わなくなったものや、同じものを複数用意し「配る」というスタイルですが、ブリッジフォースマイル(以下、B4S)の生活必需品寄付では、「子どもたちが欲しいものを、子どもたちに選んでもらう」ことを大切にしています。

施設を巣立つ高校生にとって必要なものはそれぞれ違います。大学に進学する子はノートパソコンが必要でしょうし、寮での暮らしが決まっている子には布団や洗濯機は要らないでしょう。B4Sの寄付仲介では、それぞれの子どもたちのおかれている状況にあわせ、子どもたち自身が好きなものを選べるようにしています。

しかし、それをかなえるためには、多様な寄付品を集めたのち、寄付品の一覧を提示、ひとりひとりの希望をヒアリングし、在庫の確認、寄付品を梱包・発送するという膨大な手間がかかります。数年前までは子どもたちからの希望はFAXで受け付けていました。当時はまだ子どもたちの人数が少なかったので、なんとかなっていましたが、100人を超えてからは大変な作業量です。

その後、インターネットのショッピングシステムを提供されている協力企業様のおかげで円滑に仲介を行ってはいましたが、今後もっとたくさんの子どもたちにB4Sの活動に参加してもらい長く支援し続けるため、2020年「トドクン」という寄付仲介システムを作りました。

私は、「トドクン」の開発資金集め、パートナー開拓と開発進行、リリース、そして現在は運営を担当しています。

資金集めでは、団体として初めてクラウドファンディングに挑戦しました。期間は77日、目標は500万円です。眠れず胃の痛い毎日を過ごしましたが、B4Sの既存支援者様を中心に309名からの寄付が集まり、結果は目標を上回る619万円を達成。2019年度の子どもたちへのプレゼント購入資金に加え、「トドクン」の開発費を捻出することができました。(ご支援、ありがとうございました!)

開発においては、株式会社サンアスタリスク様が私たちの活動主旨に賛同し、開発支援をしていただきました。彼らは非常に推進力があり、私たちの実現したいことへの理解も円滑で、スケジュールは順調に進みました。「施設・子どもにとってどんなシステムが使いやすいか」ということを常に念頭におき、納得のいくシステムが完成できたのも、技術面以外においても信頼のおけるメンバーだったからだなと、時折振り返ることがあります。

運用フェーズに入ってからは、B4S内での業務管理システム「Kintone」と「トドクン」との連携、施設への案内・マニュアル作成、出品物の情報整理など、次々に仕事がおそってきましたが(笑)例年2~3人態勢で大騒ぎで臨んでいたプレゼント申込開始準備も、1人で静かに終えることができました。また、施設や子どもたちも、スムーズに申込ができたのではないかと思います。

今年度のプレゼント申込状況:477件
<2021年1月24日(日)~1月31日(日)までの一週間>

この「トドクン」は、現在B4Sのプログラムに参加した子どもたちへのプレゼント仲介としての役割を果たしていますが、将来的には、他の支援団体などでも活用してもらえれば、より良い循環(支援者と被支援者をつなげる)が生まれるのではないかと考えています。そのためにはどのような改善が必要か。今後の新たなB4Sの挑戦を応援してください!

がんばる子どもたちを応援する寄付仲介サイト「トドクン」

株式会社サンアスタリスク

(運営担当 山﨑 梨英)


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NPO法人に入職してみた! 〜新人スタッフコラム〜[事務局スタッフコラム]

今年3月中頃に入職して7カ月ほどが経ち、未だにいろいろなことに悪戦苦闘してる中、
こうして筆を執ることになり、少しでもブリッジフォースマイルの活動内容が伝わるといいなーと思っています。

まず私の話をしてみますと、前職ではファッション関係のデザインや生産を担当しており、児童養護関連とは縁遠いものでした。
仕事をしていく中で、ある出来事から福祉に興味を持ち、働きながら福祉の専門学校に通い、同時期に障害者の方々とのアート作成プログラムなどを行うNPO法人でボランティアも始めていきました。
今もこのボランティアは続けています。

ブリッジフォースマイル(以下B4S)を選んだ理由は、既存の福祉だけではなく、一般企業の考え方やセンス、一般企業を巻き込む力と福祉の必要性のミックスした新しい福祉の考え方だと感じたこと。ワクワク&ドキドキしながら入職をしたという経緯です。

しかし、入職して5日目には「コロナ」の影響での東京都からの自粛要請に伴い、自宅待機にて業務がオンラインのみとなり、そばに人がいない状態になりました。
質問も回答も業務連絡もオンライン上が主になり、孤独と不安の日々…
使ったことの無いシステムを使わなければならず、困ることも多く、足手まといなのではと考える事も多かったです。
そんな中でも先輩職員からの「どう?」「慌てないでゆっくりでいいから」などの言葉で、少しずつでもいいから業務を覚えようと思えるようになりました。

ボランティアで関わっているNPOはアナログ感満載の「ゆるり」という表現がぴったりの活動だったのですが、B4Sは全く違い、業務量もスピード感も桁違い。パソコン業務がメインで、kintone,やSalesforce、SNSやMessengerなどあらゆるツールを用いて作業を行っていて、現代社会を感じ得ずにはいられませんでした!!

これが新しい福祉の形なんだなーという感想と、「ついていくのに必死」という言葉しか見当たりません(未だに必死です…)

今は「施設コミュニケーション」というチームに配属され、児童養護施設や自立援助ホーム等の施設や里親さんの窓口担当です。児童の自立支援を行う金銭管理や進路相談、就活セミナー、退所後の自立に向けたセミナーなどのプログラム利用を案内したり、施設側からの相談で個別対応が必要な児童がいれば別部署の専門支援チームに繋いだりしています。

自立支援プログラムとして施設に直接伺って行う「出張セミナー」、各施設の児童に集まってもらい行う「集合型セミナー」などをオンラインやオフラインで毎月行っています。

この半年ちょっとの間に私が関わったセミナーだけで出張セミナー11回、集合型セミナー5回、巣立ちセミナー6回。その他にジョブプラやインターンなども行い、延べ200人ほどの児童に関わってきました。
しかし、施設コミュニケーションチームは全部で5人しかいません。
一都三県の施設の数は240以上あります。このすべてがプログラム参加してくれているわけではありませんが、セミナーを運営する裏方の仕事だけでいっぱいいっぱいな時もあります。
運営にはサポーターと呼ばれるボランティアさんのお力が必要となります。
参加する児童にとって、施設外の大人と接し、いろいろな経験をしているサポーターさんから刺激を受ける機会にもなっています。
大人と話すことを楽しみにしてくれている子もいます。サポーターさんの数が増えるほど、子どもたちが多種多様な大人と知り合う機会が必然的に増えると思っています。

「私たちと一緒に児童の笑顔を増やしてみませんか?」とこれを読んでくれている方々に直接言いたい気持ちです(笑)

それでは、今夜も出張セミナーがあるので、私はこの辺で失礼します。

(施設コミュニケーション担当 岸田 浩仁)


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ご存知ですか!? 出張セミナー[事務局スタッフコラム]

私がB4Sに入職したのは2019年の12月なので、そろそろ1年が経とうとしています。
転職活動前までは「自立支援」や「児童養護」とは一切関わりのない仕事で、「世の中には児童養護施設というものがある」くらいのことしか知りませんでした。
そんな私ですが、今は児童養護施設等の職員と連絡を取り合いながら、施設の要望やそこで暮らす子どもたちについて、あれこれ考える日々を送っています。

私が所属する「施設コミュニケーションチーム」では、施設や子どもたちが抱えるニーズ・課題を施設職員さんたちと共有して、B4Sが行える支援やプログラムを提案したり、セミナー企画を行ったりしています。
企画するセミナーの多くは、「出張セミナー」というもので、B4Sスタッフやサポーターが直接施設に行って、子どもたちの生活の場でセミナーを行います。出張セミナーはB4Sの数あるプログラムのなかでも、唯一施設で実施するプログラムです。だから、子どもたちの「素」の姿を垣間見ることができます。
昨年は、「キャリア」「金銭管理」「コミュニケーション」といったテーマで、一都三県を中心に約130回、延べ1,142人の中高生に対してセミナーを実施しました。

私が初めてセミナーにスタッフとして参加した時は、まさに未知の体験でした。そもそも、児童養護施設がどんなところかもほとんど分からなかったので、セミナーが学級崩壊的な状況になったりすることもあるのではないかと身構えていました。実際は、良い意味で裏切られたというか、学級崩壊的な洗礼は受けずに済みましたが(笑)。

その時は、ネットコミュニケーションについてのセミナーだったのですが、中高生たちがネットリスクについて意見を出し合って話し合ったり、ボードゲームを通してSNS・ネットトラブルの知識を学んだり、知らない大人に緊張しながらもセミナーを楽しんでくれている様子でした。また、セミナーが終わった後も、数人の子どもが残って講師に相談や身の上話をしたりしていました。
今振り返ってみると、あの時は児童養護施設やそこで暮らす子どもについて、よく分からない先入観があったのだなあと我ながら思います。

一方で、セミナーを途中で抜け出す子どもも、やっぱりいたりします。
最近の出来事ですが、ある施設の出張セミナーで、中学1年くらいの男子がセミナー開始後すぐに机に突っ伏してずっと顔を上げないでいました。周りの職員や大人が彼に声をかけたりしていましたが、とうとう休み時間の時に会場から出て戻って来なくなってしまいました。そして、同じテーブルにいた女子中高生も、男子がいなくなった後に1人で大人たちとセミナーを受けることに居づらさを感じたのか、同じく休み時間中に部屋を退出してしまいました。

その時は、いろいろ反省すべき点がありつつも、子どもたちに最後までセミナーに参加して、得た知識や視点・スキルを今後の生活に役立ててほしかったなあという思いを持ちました。そんな私に対し、先輩事務局スタッフが、「普段外部のセミナーになかなか参加しない子が、途中で退出したとしても、顔を出してくれたこと、そして、知らない大人と一言二言でも言葉を交わしてくれたこと。そういうことだけでも、その子にとっては、十分に一歩前進なのだよ」という話をしてくれました。

それを聞いた時は、「そんなポジティブな発想もあるものなのか」と新鮮な驚きがありました。しかし今は、多くのセミナーに参加し、職員さんや子どもたちの様子を知るうちに、セミナーの内容から何かしらの学び得ることだけでなく、セミナーに参加すること自体をきっかけに、子どもたちが何かに気付いたり、行動が変わったりするきっかけになれば、それも成功と呼んでも良いのではないかと思えるようにもなっています。

毎年数回の出張セミナーを実施させていただいている施設では、そこにいる子どもたちとだんだん顔なじみになっていくこともあります。毎回会うたびに、徐々に自分の考えていることを話してくれるようになったり、いろいろな表情を見せてくれるようになったりすることは楽しみでもあります。

また、B4Sには多くのプログラムがあるので、他のプログラムで見せる顔とは違う一面を見せてくれることもあります。子どもたちが暮らす場で実施するからこその楽しさかもしれません。いずれにせよ、子どもたちのなかで何かのきっかけや気付きになれるように、これからもゆるく長くつながっていきたいと思います。

(施設コミュニケーションチーム所属 サンボ)


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児童虐待を取り巻く環境に今、何が起きているか? [事務局スタッフコラム]

皆さん、一時保護所という場所をご存じですか?
一時保護所は、児童相談所で「親と離して一時的な保護が必要」と判断された子どもたちに安全な生活の場を提供する、児童相談所管轄の施設です。親が来ないように所在地が伏せられており、そこで子どもたちがどのように生活しているかは、ほとんど知られていません。

私は、ブリッジフォースマイルのスタッフになる前の 12年間、横浜市の児童相談所の一時保護所で心理療法士として勤務していました。これまでの経験を踏まえ、子どもへの虐待について触れてみたいと思います。

最近は虐待通報が義務となり、通報件数も年間16万件と急増して、都市部では収容人数を大幅に上回る子どもたちが保護されて、慣れない場所で生活しています。時々、一時保護所の環境は劣悪!という批判を耳にしますが、そうとも言えません。あざの跡が痛々しい子どもが安心して眠れたり、家庭で1日3食のご飯を与えられなかった子どもが、おいしいご飯が食べられると喜んでじきに太り始め、虫歯だらけで来た子が歯科治療を受けて、歯磨きの習慣が身に付いたり・・・

よく、一時保護されると学校に通えなくなり、勉強が遅れてしまうと、教育面での不備を指摘されます。確かに教員経験のある先生が個々に学習スケジュールを作って指導に当たっていても、時に子どもたちが落ち着かず、ADHDや発達障害の子どももいるので、教室が騒がしくて勉強しにくい環境があることは事実です。
一方で、弟妹の世話で学校に通えていない子、引きこもりの子、学力がひどく遅れている子たちにとって、保護所で初めて勉強する環境を与えられ、高校に進学できた例も数多くあります。
自分ができないことを人に知られたくない子どもたちは学習に身が入らず、つい騒いでしまいます。しかし、九九や算数の計算、読み書きなど小学2,3年でつまずいて、その後の学習が身に付かなかった子が、わからなくなったところから個別に勉強のやり直しができる体制があれば、勉強に興味が湧いて成績は伸びていきます。保護所の生活環境は決して十分ではありませんが、マンパワーが充実して、安心して生活できる場所があれば、家庭でなくとも子どもは成長します。

しかし、最近の保護児童の増加により、保護所は子どもであふれ、その分職員は疲弊して、一人ひとりの子どもに目が行き届かない状況が進んでいます。保護所から出て子どもが生活できる児童養護施設の空きや里親がいなければ、保護期間は延びるばかりで、子どもたちが保護所に滞留し、長期化すると様々な問題行動を起こして、さらに混乱が生じます。収容人数を増やすために、新しい保護所や施設を作るなら、都会の真ん中ではなく、地方の自然環境豊かな場所で子どもたちを育て、そこで新たな仕事を生み出せないかと夢想したくなります。

幼少期に保護されないまま思春期にもなると、自分から家出して、保護を求めてくる子どももいます。彼らが主張するのは、自分も悪いと思うけど、虐待する親の方がもっと悪いんだから、自分の非を認めて素直に謝ってほしい、という親への期待です。けれど、子どもが変わる以上に親が変わることは難しい!!

親が変わることをあきらめて、まずは自分で自分の将来を考えてくれたら、自立に向けて支援できることはたくさんあるのですが、子どもが親子関係のしがらみから解放されるのは容易なことではありません。一人になる恐怖は子どもでなくとも誰もが抱えているもの。その孤独を知り、一緒に孤独を抱えつつ支える人たちがいることを信じて、親に頼らず、自分の足で歩きだす覚悟が子どもにも問われています。

では、子どもを虐待してしまう大人はどうしたらいいのでしょう?
親もまた、苦しみ、傷ついていないでしょうか。
親自身に、辛い成育歴や不適切な養育のもとで育った経験があるかもしれません。仕事や子育てに悩んでも、他人への不信感からSOSを出すことができない場合もあります。
子どもを感情のはけ口にして暴力をふるったり、期待通りにならないことを理不尽に罰したりすることを、自分では止めれないのかもしれません。

親の側にある罪悪感や悩みを吐き出せる場をつくり、親であるその人が蔑ろにしてきた自分の痛みに寄り添う支援が安心して受けられるよう、子どもの一時保護という緊急対応だけでなく、根本的な家族の問題に対応できる支援者の専門性と懐の深さが求められています。虐待の予防は、養育者への支援も含めて、今始まったばかりです。

=====
11月は児童虐待防止推進月間です。
◆オレンジリボン運動
http://www.orangeribbon.jp/
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(子ども・若者支援担当 楳林 康子)


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保護者記入欄に親のサインをもらえない子どもたち [事務局スタッフコラム]

  • 保護者と親権者は違います
  • 頼れない親は保護者じゃない

ブリッジフォースマイル(B4S)の啓発イベント『コエール』は今年で2回目。新しい取り組みとして『ソーシャルアクションアカデミー」が立ち上がりました。詳しくは代表の林が同じコラム欄で熱く語っていますが、社会人ボランティアとともに、子どもをとりまく社会問題に対する解決策を生み出すプロジェクトです。記念すべき立ち上げ1年目になんと、事務局スタッフである私が社会活動家(アクティビスト)として、ソーシャルアクションアカデミーに参画させて頂きました。

私はB4Sに転職するまで、親を頼れない若者と接したことがありませんでした。「インフルエンザの予防接種をする時に、親が同意のサインしないってどういうこと・・?」自分の子と比べて、考えもしなかった不都合があるのに驚きました。
調査研究の仕事を担当していることもあり、まずはこの「親権者の同意問題」の現状を調べ、そして世の中の人に知ってもらおうと思いました。ソーシャルアクションアカデミーでは、その調査結果をもとに、私と同じようにこの問題がオカシイ!と思った3人の社会人ボランティアの方々がチームとして協力をしてくださることになったのです。

私たちのチームで調べたとところ、前回のコエールで親を頼ることができない当事者である若者が発表した予防接種やパスポート取得以外にも、子どもたちが親権者の同意サインがもらえないことで不都合を感じている場面はたくさんありました。

携帯電話の契約、アルバイト就労、銀行口座の開設・・。

しかしこれらの中には、実は親権者でなくても児童養護施設長の代理による同意サインでもOKなケースがあるのです。それを知ってもらいたい!!
でも「親権者が保護者の役割を果たしていない場合がある」という問題自体が、まだまだ世の中では知られていません。それを自分事というか、腹落ちしたところで認知してもらうにはどんな手段をとったらいいのだろうか・・・。知ってもらえれば事態は動く、と信じていましたが、どう知らしめるかが課題でした。

「やっぱりSNSでの拡散だよね。Facebookのアカウントを作ろう。」
「でも若い人にはInstagramだよ。インスタライブをやってみよう。」
「他の団体からもこの問題を発信してもらおう。協業先を探してみるよ。」
「サービスを提供する企業側はこの問題にどう対応しているんだろう。携帯電話についていちどちゃんと調べてみようか。」

 

B4Sだけでは考えつかなかったアイデアも飛びだし、本当に手探りで細々とですが、私たちは認知拡大のための活動を続けてきました。2カ月のチーム活動に渡る成果は是非こちらからご覧ください。

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コエール2020でのソーシャルアクションは一旦終了となりましたが、「親権者同意問題」に関する私たちの活動はまだ続きます。このコラムを読んでくださった方々に少しでもこの問題を理解していただけますように!!

最後になりましたが、私と一緒に活動をしてくださったチームメンバーのつかさん、かつさん、みとさんに心からお礼を申し上げます。

(コエール2020アクティビスト/B4S事務局スタッフ豊田 美紀)


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コロナ禍における緊急支援プロジェクト〜ネットワークを通じて、全国の若者に届ける〜 [事務局スタッフコラム]

新型コロナウイルスの流行により、世界中で大きな影響がありました。
ブリッジフォースマイル(B4S)でも、例年実施しているセミナーや相談事業、居場所事業などを中止せざるをえない状況でした。
そんな中、B4Sには施設や里親家庭を出た若者から窮状を訴える声や助けを求める声が届きました。
彼、彼女たちの声を受けて、B4Sはゴールデンウィーク明けから、寄付を募り、若者向けの緊急支援(家賃補助、食料品配送、メンタルケア)を始めました。

私は家賃補助の担当をしており、ご本人からの申請をもとに、出身施設や支援団体への状況確認、ご本人へのヒアリングを行い、1カ月分の家賃(上限5万円)をお支払いする、という業務に携わりました。

B4Sに過去つながりのあった方からはもちろん、初めてご連絡いただく方も含め、のべ291人(9月24日現在)の方にトータル約1,300万円を給付させていただくことができました。

これだけたくさんの方に給付できたのは、ご寄付いただいた皆様、若者にこの支援のことをお伝えいただいた関係者の皆様のおかげです。本当にありがとうございました。

今回、施設の職員や若者の皆さんとお話をさせていただく中で、改めて今の社会的養護出身者がおかれている現状の一端を垣間見ることができました。

ひとつに、社会的養護出身者の中で、フリーターや日雇いの仕事をしている若者がかなり多くいたこと、そして、そういう子の多くが出身施設や里親さんとは連絡が取れていなかったことでした。

「施設を出てから〇年以上一度も連絡がなかったです。元気でしたか?」と施設職員さんから聞かれることも何度かありました。

新型コロナウイルスの緊急事態宣言が出たあたりで、社会的養護出身の進学中の学生向けには様々な支援が出てきましたが、フリーターでも利用できる支援はまだとても少ないという声も何度かお聞きしました。
わかりやすく頑張っている若者への支援(例えば学生向けの支援)は、出てくるのですが、フリーターで生活している若者も同じくらい困っているのになかなか使える支援がないのは、支援の偏りというものを感じざるをえません。

ただ、今回の支援のためにつながった若者の中から、これを機に正社員として就職したい、昼の仕事に就きたい、という相談もいただき、実際に就職につなげることができたケースがあったのは本当によかったと思います。
フリーターが悪くて正社員就労が良いと単純に言い切ることはできませんが、少なくとも今回のような有事の際には正規雇用と非正規雇用では待遇において大きな差があるのは事実で、今の日本では正規雇用の方が圧倒的に有利なことは否定できないと思います。

また、今回いろいろな若者と話をする中で、自分も苦しいはずなのに、他のもっと苦しい若者がいるならそっちを支援してほしい、と何度か言われ、他人を思いやる優しさをうれしく思う一方で「もっと他人を頼ってもいいんだよ」「自分を大事にしてもいいんだよ」と思ったりもしました。
苦しいときにこそ、その人の本性が出る、とはよく言われますが、本当に強くて優しい若者たちの声を聞くことができたのはうれしくもあるし、そういうふうに遠慮をさせてしまう自分たちの力不足を反省したりもしました。

10月からは、新たなニーズに対応すべく、正社員就労支援や子育て家庭支援を始めます。
今後も若者の意見に耳を傾け、一人でも多くの若者の助けになるような支援をスタッフ全員で考えながら進めていきたいと思います。

B4Sの緊急支援プロジェクトには、全国の各種支援団体の皆さんに、たくさんのご協力をいただきました。困っている若者に紹介していだいたり、状況をヒアリングしてくださったりと、つながり続けてくださっている皆さんのお陰でここまで支援を広げることができています。

今後もたくさんの方のお力を借りながら支援を続けていきますので、応援をよろしくお願いいたします。

緊急支援プロジェクトHP:https://www.b4s.jp/entry/relief/

(子ども・若者支援担当 矢森裕章)


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コエール「ソーシャルアクションアカデミー」の挑戦 [事務局スタッフコラム]

「なぜ私だけ、こんな不条理な思いをしなくちゃいけないの?」

ある施設出身者のつぶやきでした。
このつぶやきに、なんて答えますか?

「親は選べないのだから、仕方ないよね」
「施設(税金)でご飯食べさせてもらってたんでしょ?」
「いまの日本、本人のがんばり次第でどうにでもできるでしょ」
「昔はみんな貧しかった。海外には飢えている子もいる。それに比べれば、恵まれている」

そういう方々はたくさんいて、それぞれの人生の経験、そして価値観なので、否定はしません。実際、私自身もNPOを立ち上げる前は、本人責任論者でした。

親や出会った大人たちから、大切に扱われなかった経験、何度も心を踏みつけられた彼らの経験を知ると、薄っぺらい「常識」で物事を語っていた自分が恥ずかしくなりました。
だから、私はそういう苦しい経験をした子どもたちの声を多くの人に聴いてほしいのです。

最初のつぶやきに話を戻すと、施設出身者たちが人生のあらゆる場面で悔しい思いをしてきたのは、間違いなく「親を頼れないこと」があります。
しかし、よくよく考えていくと、「親の問題として片づけようとする社会」にこそ、問題があるのではないかと思うようになったのです。

子どもが育つのは、家庭だけではありません。
生活する地域、出会い、経験すべてが、育ちの機会になります。

しかし、その育ちの機会は、親の価値観や経済力によります。
子どもは親を選べない、運が悪かったと諦めろ、そんな理不尽を子どもに押し付けているのです。

そんないまの構造を変えていくために必要なのは、「子育ての社会化」です。
親や家庭にかかわらず、豊かな子育ての機会をどの子どもにも等しく提供されることです。

そのために、コエールを立ち上げました。コエールは、【子どもたちを取り巻く問題を知るための当事者スピーチ】と、【問題を解決するために何をしたら良いかを知るためのプレゼン】で、構成される啓発イベントです。

コエールが目指しているのは、【子どもを取り巻く問題解決に携わるプレーヤーを増やすこと】です。

例えば、虐待で傷ついた子どもたちを一刻も早く救う仕組み、そして傷を癒やす仕組みが必要です。ところが、傷を癒やすことの必要性をわかっている人、実際に傷を癒やすことができる人はとても少ないのです。
それは、福祉や心理の専門家でなくてもいいのです。少なくとも、薄っぺらい常識で自己責任論を振りかざす人が減るだけで、子どもたちをさらに傷つける人を減らすことができます。

プレーヤーを増やすと言っても、簡単ではありません。

NPOを立ち上げるのも大変ですし、続けることも大変です。(実感こめて…)
ボランティア活動も、寄付活動も、しかりです。
ましてや、だれもが施設職員や里親になれるわけでもありません。

それでも、何ができるか考えたい。

そんな思いで、今年は「ソーシャルアクションアカデミー」を立ち上げました。
企画力と実行力のあるビジネスパーソンに、問題への理解を深め、解決への道筋を探ってもらい、それをより多くの人に広げてもらう、というプログラムです。

NPO法人サービスグラントと協働し、ノウハウやネットワークを活用させていただきましたが、正直、走りながら考えるプログラムで、参加者のみなさんには、いろいろご迷惑もおかけしました。

ただ、ゼロとイチは、全然違います。やってみた結果が、確実にあります。
9月26日まで続くソーシャルアクション、ぜひ多くの方に、注目、応援いただけるとうれしいです。
https://coyell.b4s.jp/saa/

(ブリッジフォースマイル代表 林 恵子)


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自分の力を信じ、一歩ずつ力強く [事務局スタッフコラム]

この4月から、熊本の事務局のフルタイムスタッフになりました。
もともと熊本出身で、昨年までは東京在住。
事情もあって、いわゆる「Uターン」で地元に帰ってきました。

東京では10年以上、学童や子どもの遊び場で勤務をしていました。
子どもたちを取り巻くさまざま状況を受け止めながら、今後はさらに継続的に、別の立場で子どもや若者たちの成長を見守り、応援していきたいと思い、いろいろな活動や学びの場を調べていた時にB4Sの存在を知りました。

そして、Uターン間近にB4Sのボランティア登録のためのオリエンテーションに参加したら…
近々、熊本で事業を展開する予定があるとのこと!
驚くような偶然・タイミングで、B4S事業に参画することになりました。

昨年は本職を抱えながら、B4Sの活動に非常勤として全力で参加、現在に至っています。

こんな経緯で今、ここにいる私が、2019年度の熊本での活動を通して感じたことを書かせていただきます。

◆熊本県でのB4Sの事業は、2019年5月から始まり、2019年度は計7回の子ども向けセミナーや講座を実施。
社会人ボランティア(サポーター)のみなさんと共に、のべ170人にお届けしました。
このことは、こちらの記事でお読みいただけます。

もちろん、B4Sの看板プロジェクトの『巣立ちプロジェクト』もやりました。
巣立ちプロジェクトは、自立を目の前に控えた高校3年生向けの自立準備セミナーです。
東京では全6回で実施しているプログラムですが、熊本ではギュッと絞って計4回。

内容は、こんな感じです。
・第1回:コミュニケーション
・第2回:ひとり暮らしの始め方
・第3回:金銭教育
・第4回:トラブル対応ワーク

41人(のべ121人)の子どもたちが参加してくれました。

はじめて会ったときは、緊張もあり表情も硬くぎこちなかった子どもたちも、回を重ねるごとに、より真剣に、そして楽しみながらワークに集中していく姿が印象的でした。
何より、サポーター × 子どもたち同士の関わり・交流も深まり、和やかな笑顔が広がっていく時間を嬉しく思いました。

そして、巣立ちプロジェクトには、セミナーに参加・学びを深めるたびに、ポイントがもらえ、その参加ポイントを、最終的に生活必需品に交換できる仕組みがあります。
その仕組みを使って、子どもたちの1回1回のセミナー参加の頑張りが、退所後に必要&希望の「電子レンジ」、「電気ポット」、「布団」、「フライパンセット」、「スーツ」などなどに変わりました。

「知恵・知識(セミナー)」と「生活必需品」を、子どもたちへの今後のエールとして参加者に贈らせていただきました!
セミナーで学び得た知識が、施設を巣立った後、彼ら自身を助ける知恵や武器となりますように。

それから…
●セミナー終了後、最後まで残って机の片付けや、机上に残ったゴミを綺麗に片づけて帰る子
●無口な子だったけど、計算ワークで、さりげなく&黙って苦手な子の計算を手伝ってあげる子
●グループに分かれてのワークで、机上でバラバラになったプリントを、そっと他の子どもたちの分まで整頓してくれていた子
●講師からの質問の答えに困っていた子へ、瞬時に同じグループの子が助けフォローしてくれていたこと

もっともっとあります。

子どもたちのたくさんのキラリ光る優しさ、思いやり。
大人でもなかなかできないこと。

周りをよく見ていて、他者を気遣える優しさ、思いやりの心を持っている子どもたち。
そんな素晴らしい心を持っていること、誇りに思ってほしい。

自信をもって一歩ずつ、自身の強みを生かしながら、悩みながらも壁にぶつかりながらも、周りの皆の力を借りていい、頼っていい。
でも最後は自分の力を信じ、一歩ずつ力強く、人生の歩みを進めていけることを、心から願い応援しています!

巣立ちプロジェクトで、たくさんの子どもたち、職員の皆さま、サポーターさんと出会い、皆さまの《子どもたちを想う心》から、たくさんのことを学ばせていただきました。
出会えた全ての皆さまに感謝いたします!!!

現在、コロナ禍のなか、首都圏同様、熊本でも頑張っている若者たち約50人に、応援・支援品を届け、つながり合い、見守っています。
「やっと学校はじまりました~!」、「夢に向かってがんばります!」との声に私も元気をもらっています。しかし、まだまだ様々な状況のなか、戦っている若者もたくさんいます。

そして、いつか熊本でも、セミナーを通しての繋がりのほかに、子ども・若者たちが、気軽に相談や遊びに来ることができる【居場所】を作りたい!

地域・社会全体で子どもや若者を継続的に見守り、応援していきたい!

細い糸でもいい。長く強く。安心の糸(繋がり)を増やしていきたいです。

今後も、皆さまと連携・協力させていただきながら、子ども・若者の笑顔への架け橋《ブリッジフォースマイル》となれるよう、精一杯努めてまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 

(熊本事務局 かよよん)

 


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つながっていることの大切さと喜びを、いま改めて実感する[事務局スタッフコラム]

2012年にボランティア活動として参加し、翌年に入職。ブリッジフォースマイルと関わって、すでに8年が過ぎました(途中1年間の空白期間がありますが)。
これまで主に、横浜市の委託によりB4Sが運営している「よこはまPort For(以下、YPF)」での支援を担当してきました。
そんな長きにわたる活動の中で、最大の出来事が今年のコロナウィルス感染騒動です。

年度末でばたばたと業務に取り組んでいる2月末に飛び込んできたニュース。
昨年の年末から拡散しているコロナウィルス感染による「イベント開催の中止または延期、そして学校の休校」の発表。
これより、学校休校だけではなく多くの自治体が関連施設の閉鎖を決めました。

横浜市からの委託によって運営しているYPFも閉鎖することとなり、私もこの影響で仕事量が激減しました。その後は、外出制限の要請、緊急事態宣言発令とより厳しい措置が取られ、社会全体も閉じこもりの生活が始まり、これからどうなるのだろうと言う不安が沸き起こってきたのは、私だけではないと思います。

社会に出て長い私たちでさえ、経験したことのいないこの厳しい状況です。
初めて社会に飛び出す若者は、どんなに不安を感じているだろう?
我々に何かできることはないのだろうか?
そんな話し合いを持ったのが、新年度が始まった4月の初めでした。

それぞれがそれぞれの立場で案を出し、「できることから始めよう」と動きだしたことは2つありました。
1つは、自治体や支援団体などが実施している緊急支援の情報(助成金情報、緊急無料相談情報など有益と思われる情報、一元化されていないので探すのが大変)を集約し、B4Sとつながっている若者に伝えること。
そしてもう1つが、私が担当することになった「お米の支援(食糧支援)」です。

お米については、定期的にたくさんのご寄付をしてくださる方がいらっしゃること、また2月に1年に一度のまとまった食料品のご寄付があったことで、お米だけでなく食糧も一緒に配送することが可能だったことが決め手でした。

そして、メールやLINEを使って有益な情報とともに、お米の支援を始めたことを伝えると、すぐに多くの若者たちからお米を送ってほしいとの依頼が飛び込んできました。

「4月に就職したんですが、仕事がなく自宅待機中で生活が苦しいです」
「大学に通いながら飲食業でアルバイトをしているんですが、時短勤務になり収入が減ってしまいました。お米を送ってもらえたら嬉しいです」
など、生活の苦しさがひしひしと伝わってくるメッセージに胸が痛みました。

大学や専門学校に進学して、または企業に就職して希望に胸を膨らませて、社会に一歩踏み出したとたんに、この厳しい状況に立ち向かわなければならない彼らを何とか応援したい、
それが一番のモチベーションとなりました。

また、
「お米届いたよ、ありがとう」
「本当に助かります、ありがとうございます。」
というお礼の連絡をいただく度に
「連絡ありがとう、大変だけど一緒に乗り超えましょう!」
といったやり取りも大きなやりがいのひとつです。

現在も、10人から20人分のお米とお菓子などの食料品を箱詰めし、宅配で送付する作業を毎週実施しています。

しばらくして、他にもできることがあるのではないかと検討して、始めたのがアパートなどの家賃補助の支援です。
とはいえ、弊団体にそれを賄えるだけの財力があるわけではないことから、多くの方の助けをいただいて実施することを決めました。
「今月の家賃が支払えそうにありません、助けてください」
「家賃を払わないと追い出されてしまいます。支援お願いします」
といった悲鳴に近いメールが数多く飛び込んできます。担当スタッフも必死で応えていました。

なかには、家賃補助を勧めても
「私も仕事が時短になって減収しているんですが、もっと困っている人を優先してあげてください」
と、補助を辞退する若者もいて、その言葉に逆に勇気づけられることもありました。

現在までに延べ120人以上の若者に家賃補助やお米・お菓子などを送ることができました。
大変な状況の中での退所者とのメールやLINEでのやり取りで、不謹慎かもしれませんが、よかったなあと思うこともありました。
それは、彼らと繋がっていられたことです。

今回、家賃補助やお米の支援のほとんどの対象者は、過去にB4Sと関係を持っていた退所者たちです(途中からB4Sと関係を持たない若者にも一部支援の輪を広げています)。

細い繋がりであっても繋がっていたからこそ、彼らの現状を知ることができ、支援に繋げることができたと思っています(B4Sにつながっていなかった若者のなかには、出身施設と繋がっていたからこそ、支援を受けることができた人もいます)。

支援というと、どうしても何かの悩みや問題を持っている若者との繋がりの比重が高く、元気に暮らしている若者たちとの繋がりが薄くなってしまいがちです。
しかしながら、今回のコロナ災害(と言っても過言ではないと思います)のように、いつ困った状態になるかわからないからこそ、細くても継続的に繋がっていることの必要性、重要性を感じざるを得ません。
今回の出来事で、今後もより多くの退所者の皆さんと繋がり続けていきたいと思いました。

先日、緊急事態宣言が解除されましたが、コロナの影響で受けた経済的なダメージはすぐには回復することはないでしょう。
家賃補助もお米支援も当分は続けて行くことが必要だと思っています。
明日の日本を背負っていく若者たちを少しでも応援できたらという気持ちで、彼らの笑顔のために老骨に鞭打ってもう少し頑張っていこうと思います。

最後になりますが、多くの方からいただいたご寄付をありがたく受け取り、皆さまの温かい気持ちを退所者たちに届けさせていただきます。
これからも引き続き、ご寄付者(「社会」と言ってもいいかもしれません)と退所者たちの架け橋(ブリッジ)となってまいりたいと思います。
本当にありがとうございました。

(運営担当 Matty)


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