事務局スタッフコラム

子どもと直接関わらないけど、大事なボランティア![事務局スタッフコラム]



「困難な状況にある子どもたちのために何かしたい!」

「でも特別な資格はないし、子どもと話したこともあまりないし・・・。」

「ボランティアとして何かできることって、ほんとにあるの?」

そう思われている方は意外と多いのではないでしょうか。

実は私がまさにそういう人でした(笑)。

でも大丈夫!

子どもたちと直接関わって自立支援をすることだけではなく、ブリッジフォースマイルは児童養護問題を世の中に知ってもらう啓発活動もとても大事にしています。
その啓発活動の一つとして「児童養護施設への調査」があり、多くのボランティアの方にご協力をいただいています。

 

■ 児童養護施設への調査って何をするの?

児童養護施設への調査は2011年から継続的に行っています。目的は児童養護に関わる現状を正しく把握し、子どもたちへの支援のあり方を提言するためです。

最新の2018年調査では、過去5年間の退所者の退所直後から現在までの状況や、施設職員の支援上の課題などについてのアンケートを送り、全国180施設から回答をいただきました。
結果の概要はこちらをご覧ください。

この結果をまとめるまで、調査プロジェクトのボランティアの方々には
・アンケート内容の検討
・データの入力
・報告書の作成
を分担して作業していただききました。

仕事帰りの夜にB4Sオフィスに集まっての打ち合わせ、ご自宅での各自の作業、SNSを使って作業経過報告…、お忙しい社会人ボランティアの皆さんとはそんな感じで作業を進めていきました。

 

■ これからどんな調査をするの?

児童養護施設への調査は引き続き行いますが、もっと効率的に作業を進められないか、退所者の動向がもっと明らかになるやり方はないかなど、内容のバージョンアップを皆さんと検討中です。

児童養護の現場での課題をデータで示して皆に知ってもらう…それも子どもの自立を後押しするボランティア活動のひとつです。

 

(運営/企画担当 てらみ)


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ひとつ屋根の下で こっそりとアイを叫ぶ [事務局スタッフコラム]



3年と少し前まで、『社会的養護』の”しゃ”の字も知らなかった私。
今でこそ、ニュースで、児童相談所が何をする所なのかを説明していますが、当時の私は児童相談所と児童養護施設との区別もつかないくらい何も知りませんでした。

そんな私が、現在、里親として里子の養育に携わっています。

始まりは「養子」について調べたこと。
当時は「養子」と「里子」の区別も知りませんでした(※1)。

とある児童相談所での里親説明会に参加し、そこで初めて『社会的養護』という単語を知りました。
その後、養育里親の研修を受けたのです(※2)。

約半年後に里親認定は下りたものの、すぐに里子が家に来るわけではありません。
里親になると仕事との両立も難しくなるだろうと思い、 勤めていた会社を退職。今からちょうど3年前 に、B4Sの事務局スタッフになり、B4Sが実施する様々なプロジェクトに参加しました。

例えば、「巣立ちセミナー」や「出張セミナー」では自立を控えた多くの中高生と知り合いました。「自立ナビ」では 一人立ちした18歳の女子と月に1回お茶やランチをしたり、「就労インターンシップ」では、わずか数日間での目を見張るような成長ぶりに感心したり…と、様々な子どもたちに出会いました。

そして、なかでも特に私へ大きな経験をもたらしてくれたのは、里子を迎えるまでの期間に従事した「よこはま Port For」での1年間です。

「よこはま Port For」では、金・土・日の14~20時の間に、まるで自宅のリビングの様な空間で、各々が好きなように過ごします。
お菓子を食べながら会話をしたり、ゲームをしたり(私はここで将棋を覚えました!)、スーパーへ夕食の買い物に行ったり、一緒に料理をして 皆で食卓を囲んだりします。

そこで様々な背景をもつ、様々な性格の子どもたちや若者たち(高校生から30代まで!)と「ひとつ屋根の下で」時間を共にし、『社会的養護』の現実を目の当たりにしたのです。

そして昨年春から、里子との生活が始まりました。
24時間365日「ひとつ屋根の下で」生活を共にする里子のと暮らしは、最大でも週に3日、1日6時間しか顔を合わせない時間限定の「よこはまPort For」とは全く違いました。
B4Sですでに数十人の『社会的養護』の子どもたちと知り合い、全てを知った気になっていた私には、それが “ほんの一部” でしかなかった事を思い知らされました(過去形ではなく、まだまだ現在進行形ですが…)。

例えば、どこの里親研修(※2)でも必ず習う「試し行動」。
うちの里子の場合、 “食べるもの”  より  “食べないもの”  のがほうが圧倒的に多く(大袈裟に言ってしまえば2:8くらい)、 私自身もその子と同じ生活をしたため、家庭で食べられるものが殆ど無くなってしまい、その結果、半年で体重が6キロも減ったほどでした(笑)。

もしこれまで、B4Sの様々な活動で、色々な子どもたちに出会っていなかったら、落ち込み方はハンパなかったと思います。そんな時、「そういえば、よこはま Port Forで夕食を作ろうとした時、あの子も、この子も、好き嫌いが多くて大変だったよな~」と彼ら・彼女らの顔が浮かぶと、不思議と気分が軽くなるんですね。

2017年に発表された「新しい社会的養育ビジョン(※3)」によって、里親家庭への委託が急ピッチで進められていますが、全国児童相談所長会による調査(※4)では、里親の委託解除理由のうち「里親との関係不調による委託解除」は約24%。7歳児以上の委託に絞ると、その割合は5割へと跳ね上がります。

心に大きな傷を負った『社会的養護』の子どもたちと生活を共にすることは、「子どもを育ててみたい」という “大人側の希望” だけでは成り立たないほど過酷なものであることを、この数字は物語っています。「里親不調」による委託解除は、ただでさえトラウマを抱えた子どもだちにさらなる心の傷を残します(※5)。
テレビドラマや映画で描かれる血の繋がらない家族の “美しい絆” なんて、今の私には現実の “上澄み” しか描いていないとさえ見えてしまいます。

それでも、「ひとつ屋根の下で」、血の繋がりがあろうとなかろうと、「(“里” 付きですが)親」としての立場で子どもと生活するという経験が、人生のなかに有るか無いかでは、全く別モノだなと思うようになりました。
誤解を恐れずに言うなら、初めて “大人になれた” 実感さえします(遅!)。
テレビドラマや映画を観る時も、“親としての視点” で観られるようになったのは、まさに180度の転換です。

私はこれからも、B4Sで出会った何十人の子どもだちと「ひとつ屋根の下で」一緒にご飯を食べた日々を思い出し、試行錯誤を繰り返しながら、里子との日々重ねていくでしょう。これらの経験は、どんな里親研修よりも強烈に 里子との繋がりを結びつけてくれていると信じ 、今日もご飯を作り続けています。

毎年10月は「里親月間」です。各地域で様々なイベントが行われますので、関心のある方は、ぜひ参加してみてくださいね。

*里子の個人情報保護のため、名前や写真は伏せています*

(運営担当 むーく)

 


※1:養子と里子の違い
家族の戸籍に入る養子と違い、里子はあくまでも自治体から一時的に委託を受けた子どもである為、戸籍や住民票には入らず 里親には親権もありません。

※2:養育里親研修
里親には、短期で子どもを預かるものから、専門知識を持った里親まで様々な形があります。また各自治体によって里親への認定基準や研修内容は異なります。

※3:試し行動
愛着障害に起因し、生活を共にする大人がどこまで自分を許してくれるのかを試す行動と言われています。

※4:新しい社会的養育ビジョン
2017年8月厚労省が「新たな社会的養育の在り方に関する検討会」から発表したもの。里親への委託率を7年以内に75%まで引き上げる(現在の全国平均は19%)という方針などが盛り込まれています。

※5:全国児童相談所長会による調査
http://www.zenjiso.org/wp-content/uploads/2015/03/ZENJISO091ADD.pdf(72ページ参照)

※6:里親不調
委託された里親家庭との折り合いが合わず、児童養護施設等の他関係施設や他の里親家庭へ措置変更されること。里親不調は、委託開始1年以内が一番多いです。

◆コラム内に登場したB4Sのプロジェクトについては、以下をご覧ください。
【巣立ちセミナー】 【出張セミナー】 【自立ナビ】 【就労インターンシップ】 【よこはま Port For】

 


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子どもたちの笑顔を増やしたい。そのために我々大人・社会ができることって? [事務局スタッフコラム]

皆さんの中で、子ども達の笑顔がもっと増えてほしい!と思う人はいますか?
私も、それを強く願っている一人です。

私は、4年前にコエールの前身となるプログラムに、ボランティアとして参加しました。
それがキッカケで、今はスタッフとして働いています。

私自身、社会的養護という存在すら知らないところから、ボランティアをしたことで知り、その可能性を見せてもらい、本当に良い経験をさせてもらったからです。
ボランティアで何ができるかな?と思って参加しましたが、貰うものの方が大きくて。
それは、自分の親への感謝だったり、人の可能性を信じる力だったり、チームや努力がもたらすパワーだったり。
ボランティアをする前にイメージしていた“支援者と支援を受ける人”という関係は全くありませんでした。

本当に沢山の事を教えて貰いました。
だからこそ、未だ知らない人に届ける、啓発活動を無くしてはいけない!と、直感的に感じ、今に至っています。私自身が、知って動き出した大人の一人なのです。

約2年間の準備期間を経て、“親ありき日本を超える” というテーマで、コエールというイベントを開催しました。(2019年7月21日 国立オリンピックセンターにて)

・イルミネーター(親を頼れない経験をした若者)のスピーチ
・アクティビスト(解決に向けて動き出している活動家)のプレゼンテーション
・「社会で子どもを育てるとは」というテーマのパネルディスカッション
という内容で、総勢約600人の方が関わるイベントとなりました。

その中で、感じたことをお伝えします。

イルミネーター達と約半年間の関わりで、一番感銘を受けたのは、「自分と同じ経験を子どもたちにしてほしくない!」という強い想いです。
自分の経験を知ってほしい!知る事で変わる社会があるはず!と、目指す社会を一緒につくるチームであり、同じ志を持つ仲間でした。
その想いが当日の熱気に繋がったのだと思います。

イベントに参加した方のアンケートでも、
「小学校の教諭をしていますが、社会的養護の子ども達と、どう関わっていいか分からなかったので、彼らの気持ちを知れたようで良かった」
「すべての若者に等しく明るい未来が訪れるよう、自身でも考えていこうと思いました」

など、イルミネーターの想いが届いたと感じられるコメントも多くいただきました。

目指すものは皆一緒なのではないでしょうか??
子ども達の笑顔がもっと増えてほしい!
その為に何が出来るのか?

悲しいニュースで心を痛めるだけでなく、社会全体で、日々考えながら出来る事をしていきたいです。
一人一人の力が、社会を変えていくことを信じて。

 

 

(スピーチイベント・コエール担当 小倉 徹也)

 

 


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この社会の片隅で、今日もきっとがんばってる、あの人やこの人の顔を浮かべながら [事務局スタッフコラム]

「お願いしたいのは、細ーく、だとしても、長ーくつながることです!」

ブリッジフォースマイルの社会人ボランティアへ、そんなふうに投げかけることがあります。ボランティアの登録者数は、年間500名近く。この仲間の力が、支援の力そのものです。

親を頼れない若者たちが社会で孤立することがないよう、退所者支援の『アトモプロジェクト』では、定期的なイベントを開催しています。
例えば夏はBBQ、冬はクリスマスイベント。ボランティアと若者が定期的に集まり、近況報告をし合います。

やはり知っているボランティアメンバーがいるからこそ、若者も「じゃあ参加するよ」となります。そうやって、ずっとずっと参加し続けてもらうのが理想の形です。

実際、長くつながるというのは、そんなに簡単なことではありません。
困難な状況になるほどに、姿を見せてくれなくなるし、SOSを出してはくれません。全く連絡がつかなくなってしまう若者はいくらでもいます。

支援現場では「長くつながっていてよかった」と思える瞬間がいくつもあります。それらは、若者たちがこんなにもがんばって、社会のどこかで生きているという証でもあると思い、いくつか残しておきたくなりました。以下、プライバシー保護のため一部変更し、ご紹介します。

 

◆Aさん
施設を退所し進学したものの、家族のもとに戻ったことで、精神的な不調もあり、中退。英語を使った仕事がしたいという夢を諦めず、家を出て住宅支援を受けながら勉強に励む。数年のアルバイトと勉強生活の努力が実り、晴れて第一希望の大学に進学決定。英語もかなり上達した様子。
嬉しそうな報告とともに「安心できる環境と応援してくれる人が近くで見守ってくれたからがんばれました。感謝の心を忘れずにがんばっていきたいと思います!」とメッセージをくれた。
一時期の落ち込みを知っているので、「よくぞここまで!」という気持ちになる。

◆Bさん
施設を退所し、専門学校に進学したものの中退。施設やボランティアが継続的に関わるも、本人の他責傾向の強さから、なかなか自立のための準備が進まない。一旦は自立援助ホームに入ったが、その在所期限も迫ってきたために散々嫌がっていた一人暮らしと、施設職員の仲介の仕事を始めたところ、以前とは違い、どんどん前向きな発言が出てくるようになる。
長らく他人からの評価に過敏な面があったが、最近は「そう言われたけど私、そこまでひどくなくない?!って思って」というような、それも聞いているともっともだと思えるような、客観的に自分を見られてきている傾向があり、頼もしい。

◆Cさん
施設を退所し、大学へ進学。どうにかして卒業したいという希望はあったものの、学費が払えず中退。数年間、誰とも音信不通となる。出身施設の中で唯一連絡を取り続けた職員が、10年越しで信頼関係を結び、近いうちに会って話をしようと約束しているそう。
難関な資格をとることができ、就職活動中。その資格は、かつて大学で学んでいたことと重なるもので、ついに希望の仕事に近づけるんだなと、話を聞いて感慨深くなる。

 

どのエピソードにも、出身施設の職員をはじめ、B4Sボランティアや事務局スタッフが駆け回った痕跡がありますが、それは割愛しています。
彼らは支援対象者というだけでなく、生まれ育った環境を乗り越えようとしているチャレンジャー。彼らを支えるために、大人が駆け回る意義がそこにあります。

彼らに必要なのはやり直しがきく環境。
やり直せる環境があれば、例えつまずいても、また再び自分の道を見つけることができる。
やり直せると知っていれば、応援してくれる人がいれば、もっとチャレンジすることができる。

それを成し得る関わりのひとつが “細くても長いつながり” なのではないでしょうか。
チャレンジの先の再チャレンジを、一緒に喜べる職員や里親さん、ボランティアメンバーが一人でも多くいるといいなと思います。

 

(広報担当 植村 百合香)

 


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ひとつ屋根の下で こっそりとアイを叫ぶ

3年と少し前まで、『社会的養護』の”しゃ”の字も知らなかった私。
今でこそ、ニュースで、児童相談所が何をする所なのかを説明していますが、当時の私は児童相談所と児童養護施設との区別もつかないくらい何も知りませんでした。
そんな私が、現在、里親として… 続きを読む

 

養育里親と事務局スタッフ 両方をやっているから見えてきた“自立支援”について書きました。

運営担当 むーく(2019/10/8)


子どもたちの笑顔を増やしたい。そのために我々大人・社会ができることって?

皆さんの中で、子ども達の笑顔がもっと増えてほしい!と思う人はいますか?
私も、それを強く願っている一人です。
私は、4年前にコエールの前身となるプログラムに、ボランティアとして… 続きを読む

なぜ僕はボランティアからスタッフになったのか? 啓発活動にどんな可能性を感じているのか?
そんなメッセージを綴ってみました。

スピーチイベントコエール担当 小倉 徹也(2019/9/27)


この社会の片隅で、今日もきっとがんばってる、あの人やこの人の顔を浮かべながら

「お願いしたいのは、細ーく、だとしても、長ーくつながることです!」
ブリッジフォースマイルの社会人ボランティアへ、そんなふうに投げかけることがあります。ボランティアの登録者数は、 年間500名近く。この仲間の力が、支援の力そのものです。
親を頼れない若者たちが… 続きを読む

私がこれまでの8年間で出会った施設退所者のこと、ほんの一部ですが、はじめて書いてみました!

広報担当 植村 百合香(2019/8/21)

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