事務局スタッフコラム

自分の力を信じ、一歩ずつ力強く [事務局スタッフコラム]

この4月から、熊本の事務局のフルタイムスタッフになりました。
もともと熊本出身で、昨年までは東京在住。
事情もあって、いわゆる「Uターン」で地元に帰ってきました。

東京では10年以上、学童や子どもの遊び場で勤務をしていました。
子どもたちを取り巻くさまざま状況を受け止めながら、今後はさらに継続的に、別の立場で子どもや若者たちの成長を見守り、応援していきたいと思い、いろいろな活動や学びの場を調べていた時にB4Sの存在を知りました。

そして、Uターン間近にB4Sのボランティア登録のためのオリエンテーションに参加したら…
近々、熊本で事業を展開する予定があるとのこと!
驚くような偶然・タイミングで、B4S事業に参画することになりました。

昨年は本職を抱えながら、B4Sの活動に非常勤として全力で参加、現在に至っています。

こんな経緯で今、ここにいる私が、2019年度の熊本での活動を通して感じたことを書かせていただきます。

◆熊本県でのB4Sの事業は、2019年5月から始まり、2019年度は計7回の子ども向けセミナーや講座を実施。
社会人ボランティア(サポーター)のみなさんと共に、のべ170人にお届けしました。
このことは、こちらの記事でお読みいただけます。

もちろん、B4Sの看板プロジェクトの『巣立ちプロジェクト』もやりました。
巣立ちプロジェクトは、自立を目の前に控えた高校3年生向けの自立準備セミナーです。
東京では全6回で実施しているプログラムですが、熊本ではギュッと絞って計4回。

内容は、こんな感じです。
・第1回:コミュニケーション
・第2回:ひとり暮らしの始め方
・第3回:金銭教育
・第4回:トラブル対応ワーク

41人(のべ121人)の子どもたちが参加してくれました。

はじめて会ったときは、緊張もあり表情も硬くぎこちなかった子どもたちも、回を重ねるごとに、より真剣に、そして楽しみながらワークに集中していく姿が印象的でした。
何より、サポーター × 子どもたち同士の関わり・交流も深まり、和やかな笑顔が広がっていく時間を嬉しく思いました。

そして、巣立ちプロジェクトには、セミナーに参加・学びを深めるたびに、ポイントがもらえ、その参加ポイントを、最終的に生活必需品に交換できる仕組みがあります。
その仕組みを使って、子どもたちの1回1回のセミナー参加の頑張りが、退所後に必要&希望の「電子レンジ」、「電気ポット」、「布団」、「フライパンセット」、「スーツ」などなどに変わりました。

「知恵・知識(セミナー)」と「生活必需品」を、子どもたちへの今後のエールとして参加者に贈らせていただきました!
セミナーで学び得た知識が、施設を巣立った後、彼ら自身を助ける知恵や武器となりますように。

それから…
●セミナー終了後、最後まで残って机の片付けや、机上に残ったゴミを綺麗に片づけて帰る子
●無口な子だったけど、計算ワークで、さりげなく&黙って苦手な子の計算を手伝ってあげる子
●グループに分かれてのワークで、机上でバラバラになったプリントを、そっと他の子どもたちの分まで整頓してくれていた子
●講師からの質問の答えに困っていた子へ、瞬時に同じグループの子が助けフォローしてくれていたこと

もっともっとあります。

子どもたちのたくさんのキラリ光る優しさ、思いやり。
大人でもなかなかできないこと。

周りをよく見ていて、他者を気遣える優しさ、思いやりの心を持っている子どもたち。
そんな素晴らしい心を持っていること、誇りに思ってほしい。

自信をもって一歩ずつ、自身の強みを生かしながら、悩みながらも壁にぶつかりながらも、周りの皆の力を借りていい、頼っていい。
でも最後は自分の力を信じ、一歩ずつ力強く、人生の歩みを進めていけることを、心から願い応援しています!

巣立ちプロジェクトで、たくさんの子どもたち、職員の皆さま、サポーターさんと出会い、皆さまの《子どもたちを想う心》から、たくさんのことを学ばせていただきました。
出会えた全ての皆さまに感謝いたします!!!

現在、コロナ禍のなか、首都圏同様、熊本でも頑張っている若者たち約50人に、応援・支援品を届け、つながり合い、見守っています。
「やっと学校はじまりました~!」、「夢に向かってがんばります!」との声に私も元気をもらっています。しかし、まだまだ様々な状況のなか、戦っている若者もたくさんいます。

そして、いつか熊本でも、セミナーを通しての繋がりのほかに、子ども・若者たちが、気軽に相談や遊びに来ることができる【居場所】を作りたい!

地域・社会全体で子どもや若者を継続的に見守り、応援していきたい!

細い糸でもいい。長く強く。安心の糸(繋がり)を増やしていきたいです。

今後も、皆さまと連携・協力させていただきながら、子ども・若者の笑顔への架け橋《ブリッジフォースマイル》となれるよう、精一杯努めてまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 

(熊本事務局 かよよん)

 


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つながっていることの大切さと喜びを、いま改めて実感する[事務局スタッフコラム]

2012年にボランティア活動として参加し、翌年に入職。ブリッジフォースマイルと関わって、すでに8年が過ぎました(途中1年間の空白期間がありますが)。
これまで主に、横浜市の委託によりB4Sが運営している「よこはまPort For(以下、YPF)」での支援を担当してきました。
そんな長きにわたる活動の中で、最大の出来事が今年のコロナウィルス感染騒動です。

年度末でばたばたと業務に取り組んでいる2月末に飛び込んできたニュース。
昨年の年末から拡散しているコロナウィルス感染による「イベント開催の中止または延期、そして学校の休校」の発表。
これより、学校休校だけではなく多くの自治体が関連施設の閉鎖を決めました。

横浜市からの委託によって運営しているYPFも閉鎖することとなり、私もこの影響で仕事量が激減しました。その後は、外出制限の要請、緊急事態宣言発令とより厳しい措置が取られ、社会全体も閉じこもりの生活が始まり、これからどうなるのだろうと言う不安が沸き起こってきたのは、私だけではないと思います。

社会に出て長い私たちでさえ、経験したことのいないこの厳しい状況です。
初めて社会に飛び出す若者は、どんなに不安を感じているだろう?
我々に何かできることはないのだろうか?
そんな話し合いを持ったのが、新年度が始まった4月の初めでした。

それぞれがそれぞれの立場で案を出し、「できることから始めよう」と動きだしたことは2つありました。
1つは、自治体や支援団体などが実施している緊急支援の情報(助成金情報、緊急無料相談情報など有益と思われる情報、一元化されていないので探すのが大変)を集約し、B4Sとつながっている若者に伝えること。
そしてもう1つが、私が担当することになった「お米の支援(食糧支援)」です。

お米については、定期的にたくさんのご寄付をしてくださる方がいらっしゃること、また2月に1年に一度のまとまった食料品のご寄付があったことで、お米だけでなく食糧も一緒に配送することが可能だったことが決め手でした。

そして、メールやLINEを使って有益な情報とともに、お米の支援を始めたことを伝えると、すぐに多くの若者たちからお米を送ってほしいとの依頼が飛び込んできました。

「4月に就職したんですが、仕事がなく自宅待機中で生活が苦しいです」
「大学に通いながら飲食業でアルバイトをしているんですが、時短勤務になり収入が減ってしまいました。お米を送ってもらえたら嬉しいです」
など、生活の苦しさがひしひしと伝わってくるメッセージに胸が痛みました。

大学や専門学校に進学して、または企業に就職して希望に胸を膨らませて、社会に一歩踏み出したとたんに、この厳しい状況に立ち向かわなければならない彼らを何とか応援したい、
それが一番のモチベーションとなりました。

また、
「お米届いたよ、ありがとう」
「本当に助かります、ありがとうございます。」
というお礼の連絡をいただく度に
「連絡ありがとう、大変だけど一緒に乗り超えましょう!」
といったやり取りも大きなやりがいのひとつです。

現在も、10人から20人分のお米とお菓子などの食料品を箱詰めし、宅配で送付する作業を毎週実施しています。

しばらくして、他にもできることがあるのではないかと検討して、始めたのがアパートなどの家賃補助の支援です。
とはいえ、弊団体にそれを賄えるだけの財力があるわけではないことから、多くの方の助けをいただいて実施することを決めました。
「今月の家賃が支払えそうにありません、助けてください」
「家賃を払わないと追い出されてしまいます。支援お願いします」
といった悲鳴に近いメールが数多く飛び込んできます。担当スタッフも必死で応えていました。

なかには、家賃補助を勧めても
「私も仕事が時短になって減収しているんですが、もっと困っている人を優先してあげてください」
と、補助を辞退する若者もいて、その言葉に逆に勇気づけられることもありました。

現在までに延べ120人以上の若者に家賃補助やお米・お菓子などを送ることができました。
大変な状況の中での退所者とのメールやLINEでのやり取りで、不謹慎かもしれませんが、よかったなあと思うこともありました。
それは、彼らと繋がっていられたことです。

今回、家賃補助やお米の支援のほとんどの対象者は、過去にB4Sと関係を持っていた退所者たちです(途中からB4Sと関係を持たない若者にも一部支援の輪を広げています)。

細い繋がりであっても繋がっていたからこそ、彼らの現状を知ることができ、支援に繋げることができたと思っています(B4Sにつながっていなかった若者のなかには、出身施設と繋がっていたからこそ、支援を受けることができた人もいます)。

支援というと、どうしても何かの悩みや問題を持っている若者との繋がりの比重が高く、元気に暮らしている若者たちとの繋がりが薄くなってしまいがちです。
しかしながら、今回のコロナ災害(と言っても過言ではないと思います)のように、いつ困った状態になるかわからないからこそ、細くても継続的に繋がっていることの必要性、重要性を感じざるを得ません。
今回の出来事で、今後もより多くの退所者の皆さんと繋がり続けていきたいと思いました。

先日、緊急事態宣言が解除されましたが、コロナの影響で受けた経済的なダメージはすぐには回復することはないでしょう。
家賃補助もお米支援も当分は続けて行くことが必要だと思っています。
明日の日本を背負っていく若者たちを少しでも応援できたらという気持ちで、彼らの笑顔のために老骨に鞭打ってもう少し頑張っていこうと思います。

最後になりますが、多くの方からいただいたご寄付をありがたく受け取り、皆さまの温かい気持ちを退所者たちに届けさせていただきます。
これからも引き続き、ご寄付者(「社会」と言ってもいいかもしれません)と退所者たちの架け橋(ブリッジ)となってまいりたいと思います。
本当にありがとうございました。

(運営担当 Matty)


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子どもたちがたくさんの仕事に出会う場所、インターンシップ [事務局スタッフコラム]

企業ができる自立支援のしくみとは!?

ブリッジフォースマイルでは、約500名のボランティアさんが自立支援の最前線で頑張ってくれていますが、「企業」が子どもたちの支援の担い手となるプログラムも存在します。それが「インターンシップ」です。児童養護施設等で暮らす子どもたちが早い段階から働くイメージを掴めるよう、企業と連携して行う就労体験プログラムです。

●どんな仕事に心が動いたか

春、夏、冬の長期休みに、中学1年生から高校3年生までの子どもたちが直接職場に出向き、最大で5日間の体験を通じて仕事のスキルや就労観の習得を目指します。私が大切にしているのは、世の中にどんな仕事があるのか、そしてどんな仕事に心が動いたかを子ども自身に気づいてもらうこと。ブリッジフォースマイルでは自立の第一歩を「仕事」と捉えていますが、インターンシップは子どもたちが仕事と最初に出会う大切な場だと私は考えています。

児童養護施設等で暮らす子どもは、当然一般家庭で暮らす子どもと何ら変わりはありません。しかし、異なることもあります。それは進学率の低さです。近年、奨学金などの制度が充実したとはいえ、全高校卒業者の進学率が約70%(※1)に対し、児童養護施設の退所者は約30%(※2)と依然として大きな差があります。つまり、7割の子どもたちが高校を卒業してすぐに働くわけですが、その後の長い人生を生きていけるように、たとえ失敗しても再びチャレンジできるように、施設にいる間に一人でも多くの子どもが「仕事」についての知見をたくさん吸収する必要があると思います。

●見えなかったものが見えてくる

そのために私たちが心掛けていることは、とにかくあらゆる仕事を経験させてあげること、そして参加してくれる一人ひとりに目を向けることです。

おかげさまで、賛同してくれる企業は2017年度のべ83社だったのに対し、2019年度は132社に増えました。職種は弁護士、整備、美容師、ケーキ職人、農業、IT、製造、スーパー、カフェなかにはサッカースタジアムのお仕事などもあります。

さらに、就労体験をよりよい機会にするため、必ず子どもと担当職員、そして企業と我々スタッフとでじっくり話し合う場を設けています。どんな子がどんなキッカケで、どんな希望を持って応募してくれたのか、終了後は何が楽しかったか、難しいかったか、心に残ったかを同じように言葉にしていきます。

たくさんある仕事の中から「これ」と思うものを選んで実際にやってみる。その結果を子どもたち自身はもちろん、周りの大人たちも共有することで、色々な視点からたくさんの発見が生まれると考えています。

●インターンシップのやりがいと今後

私自身いつも楽しいと感じるのは、企業と一緒に体験の内容を組立て、まだ出会っていない子どもたちのことを考えながら募集のためのチラシを作る時。そして体験が終わった帰り道、少しだけ自信をつけた子どもたちの背中を見送る時です。

これからインターンシップは、中学生になりたての子でも気軽に参加できるよう、小学校高学年の見学を導入していきます。そして、今後もより多くの職種を探しています。とくに、保育士、アパレル、ゲーム・アニメ、ブライダル関係のお仕事、絶賛募集中です!!

本当の試練は社会に出たあと。だからこそ、まだ施設にいる間に失敗をふくめ色々なことを伝えたい、そう思う企業の方々が増えることを願っています。

これからも応援よろしくお願いします。

(企業渉外まーぶ)

※1文部科学省調査 2018 ※2ブリッジフォースマイル「全国児童養護施設調査」2018
>>「インターンシップ」については、こちらもあわせてお読みください


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誰にとっても居場所、通りすがりの場所 [事務局スタッフコラム]

私がこの団体に入職したのは、7年前、ちょうど「よこはまPort For」ができたのもこの頃です。
名前どうする? パンフレットどうする? どうやって知ってもらう? など、どうやったら来てくれるかなと頭を悩ます日々でした。
開所は華々しくしたけれど、誰も来ないといった日が続き想像もしていなく、寂しい日々でした。その後、ブリッジフォースマイルのプログラムで以前から繋がっていた退所者が訪ねて来てくれ、退所者から退所へと口コミで広がり、少しずつ利用者は増えていきました。

今では年間来場者はのべ800人になりました。

 

この居場所の名前の由来は、仕事や学校生活で頑張る人、色々あるけれど頑張っている人、みんなさまざまだけど、ポートフォーに来たらゆっくり休んで、ご飯食べてまた明日からもがんばろう!横浜の地にちなんで、船が停泊しエネルギーをチャージし出航するという意味でつけました。

居場所は、社会的養護出身の方であればどなたも利用可能で、秋田から鹿児島までの出身の方が登録しています。現在、横浜近辺に住んでいる方の利用が多く、退所後(19才)すぐに利用している方もいれば年齢はさまざまです。
「よこはまPort For」はナチュラルな家具で統一され、明るく暖かなイメージがあるお部屋です。

過ごし方はさまざまでゲームしたり、おしゃべりしたり、待ち合わせの合間に寄ったりソファやカーペットで寝ている人やスタッフと夕食の買い物にもいきます。お菓子を食べながら「今日の夕飯何する?」と相談し、16時頃買い物に一緒に行きます。夕飯準備は、野菜を切る人、お肉を焼きたい人、お皿を洗う人、拭く人などみんなで手分けをしています。小さなやりとりがPort Forの日常です。
そんな普段のやりとりの中で寄り添い、相談に応じています。
施設等退所後に進学、就職とそれぞれの道を歩み新生活をはじめますが、一人で生活をしていくことに慣れず、体調不調、金銭面の相談が多くあり「もうがんばれない」「自信がない」といった心が疲れた状態にあるため、ひとりひとりに寄り添った関わりをしています。

・「数年働いていたけれど、なんで働いていたかわからない」
・「赤ちゃんができたかもしれない」
・「死にたい」
・「もう何もしたくない」
・「お金がない」
・「食べてない」
・「今から行ける場所(家)がない」

など、いくつも居場所の中のつぶやきから相談に応じています。
ほんの些細なことから、一気に落ち込み生活が乱れ体調が崩れメンタル不調となります。そんな彼、彼女たちに、私たちは細長く繋がりながら、寄り添います。
そうすることで彼、彼女たちは、少しずつ「自分」を「元気」を取り戻しながら進んでいきます。

ブリッジフォースマイルは2016年に佐賀にも2か所目の居場所を作りました。
「さが・こんね」名前の由来は、佐賀に帰ってきたら居場所に来てねという意味。ふらっと寄れる場所にちょっと寄ってみる「安心安全な場所」です。

「よこはまPort For」「さが・こんね」の過ごし方の一番は「雑談」です。

何気ないやりとりの中で、スタッフも一緒になって泣いたり笑ったり怒ったりぶつかったりしてきました。

話を聴くことを主にしている中で、彼、彼女たちが本当に伝えたいことを聴けていたかなと、振り返って思うことがしばしばありました。私自身も自分の考えや価値観の中でのやりとりになっていたのだと思います。

失敗もあったけれど、共に話しあい、互いを尊重できるように努めています。
ここから新たなスタートをきり、巣立っていく人、ふらっと寄る人、さまざまではあるけれど、自分で選んで進んでいってもらえるよう今日も変わらない日々を過ごしていきます。

(施設コミュニケーション Shimaさん)


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ブリッジフォースマイルってどんな団体ですか?15周年パーティーから見えてきたもの [事務局スタッフコラム]

「ブリッジフォースマイルはどんな団体ですか?」
そのようにご質問を受ける機会は多いのですが、そんな時私は「社会的養護と呼ばれる児童養護施設などの児童やそこを退所した若者の自立支援を行う団体です」とお答えしていました。
そうすると説明された方の中には、わかったような、わからないような曖昧な顔をされる場合もあって、話している本人も「自立や支援って何とも説明的な表現だなー」と思っていました。
もちろんこの問いに絶対的に正しい答えなどないのですが、先日開催した15周年パーティーを通じて、私なりに「B4Sってこんな団体だ!」と見えてきたものがありました。

私は以前、ニックネームのジャーニーが表す通り、バックパッカーの旅をしていました。その中で訪れたカンボジアで小学校教諭のボランティアを経験し、子どもたちには無限の可能性があること、ほんの少しのきっかけがあればどんな未来にもつながっていくことを実感しました。帰国してから社会的養護のことを本格的に調べ、理不尽な境遇にいるのは海外の子どもたちだけではないと知りました。

施設に措置される児童は、家庭という大きな拠り所をなくし、虐待経験などトラウマを抱えている場合も少なくありません。また、原則として18歳で施設から退所しなければならず、自立していくためには社会の助けが必要な場合もあります。しかし、残念ながら彼らに対する偏見は根強く存在し、制度の面でもまだまだ現実に追い付いていないなと感じることはあります。

B4Sは「子どもたちがどんな環境で生まれ育っても、夢と希望を持って笑顔で暮らせる社会を目指します」という理念のもと15年間様々な活動を行ってきました。
私は、たった2年間しか活動に携わっていませんが、15年という一つの節目を祝うパーティーの担当者をやらせてもらうことになりました。立候補してくれたボランティアさんたちと「そもそもなぜ15周年パーティーが必要なのか」と言う目的を決めることから一緒に考え、準備を始めていきました。15年の歴史を振り返るだけでなく、「未来志向」と「融合」をテーマに決め、今までこんなことをしてきた、これからの5年、10年ではもっとできることがあるという思いのもと15周年パーティーのプログラムを編成しました。

活動を振り返る中で私自身、たくさんの発見がありました。年間222時間も活動に充ててくださったボランティアさんがいたこと(18年度)。ご寄付や物品提供、就労体験インターンシップ受け入れなど、あらゆる形でご協力をいただいている企業が138社もあること(18年度)。退所間際の高校生を対象とした巣立ちセミナー、初年度は7名だったのが、現在は210名も参加してくれていること(19年度)。

また、15周年パーティーはブリッジフォースマイル職員、ボランティア、施設退所者、施設の職員など様々な関係者が集まるイベントでしたが、特定の誰かをもてなすのではなく、関係者全員で互いに健闘をたたえ合う場にしたいと考えました。そのためパーティーの資金も参加から一律で徴収させていただきました。とはいえあまり高額な参加費だと退所者の負担になってしまうと考え、パーティーの飲食代を賄うための「からあげ・シャンパン基金」という募金をボランティアさんに呼びかけたところ、たくさんの方が協力してくださり、9万円もご協力いただけました。

当日は、15年の歴史の中でブリッジフォースマイルに関わりを持ったたくさんの方が集まり、久しぶりの再会を喜び、ブリッジフォースマイルのこれまでの活動を懐かしみました。そして、これから活動に気持ちを新たにすることができました。参加してくれた方の笑顔が多かったのが印象的です。

ここで15周年にあたって退所者が送ってくれたメッセージをいくつか紹介させていただきます。

・いつもありがとうございます! 私はB4Sが大好きです。

・15周年おめでとうございます。B4Sには大変お世話になりまして、退所後も、お家探しから就職の相談などしていただいています。今後もますますのご活躍をお祈り申し上げます。

・設立15周年おめでとうございます。 私は以前カナエールに参加し、多くの大人と境遇の仲間に出会うことができました。カナエールは終わってしまいましたが今ある支援や活動を今後も子どもたちの支えになってくれることを祈っております。

・15周年おめでとうございます! B4Sを通して色んな方と出会うことができ毎回の講義が私にとって楽しみであり幸せな時間でした! これからも応援しています。

・B4Sの皆様。15周年おめでとうございます。巣立ちセミナーの時は大変お世話になりました!自立のための学習で役立つことがたくさんありました!今でもその内容を思い出して活かしてます!これからも頑張ってください!

・この度は、15周年おめでとうございます。B4Sとは、7年目の付き合いで、約半分ぐらいですが、一緒に歩いてもらってとっても救われました。インターンの紹介、就活セミナー、マナーセミナー、施設での出張セミナー、すだちプロジェクト、自立ナビ、中学生の時に入所して以来、B4Sに支えられてきました。これからも、たくさんの子どもたちと笑顔の架け橋になっていくB4Sの節目の年に携われたこと誇りに思います。これからもよろしくお願い致します。

設立当時と比べるとこの15年で社会的養護をめぐる様々なことが確実に変化していきました。改善し良くなってきたこともありますが、反対に深刻化し取り組んでいかなければいけなくなったこともあります。 それでもB4Sが「続けてきた」、そして「続けていく」ということが持つ意味は大きいと思います。15周年パーティーを通してB4Sで活動するということは、未来のための仕事だと思えるようになりました。

対人支援は迷うことの連続です。正解も終わりもありません。それでもB4Sという団体は15年間チームで考え、行動に移してきました。
今は、「B4Sはどんな団体ですか?」と聞かれたら、私は少しだけ自信を持って「B4Sは関わってくださった方を笑顔にする団体です。そして笑顔をつないでいく、そんな架け橋のような団体です」とそんなふうに答えようと思っています。

 

 

(運営担当 織田 潤一)


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里親・施設の職員さんと一緒に、今日も走り続けます![事務局スタッフコラム]

「ブリッジフォースマイルのスタッフって日中どんな仕事をしているんですか?」

ある時、ボランティアさんからこんな質問を受けました。

NPOのスタッフが実際何をしているのかわからない方も多いと思います。
B4Sのスタッフは、プロジェクト運営・退所者への個別支援・支援に関わる大人たちの人材育成など、目的ごとにチームに分かれて活動をおこなっています。そのなかで、私は「施設コミュニケーション」というチームに所属し、児童養護施設や自立援助ホーム等の施設の窓口となり、就活に関するセミナーや退所後の自立に向けた巣立ちセミナーなどのプログラム利用を促進したり、個別対応が必要な支援対象者がいれば専門支援チームに繋ぐ役割を担っています。

しかし、私たちが施設へ情報を提供しても、毎年利用する施設もあれば、様々な事情で利用していない施設もあります。B4Sは設立15年ですが、15年間でプログラムを利用したことのない施設が、じつは1都3県のうち11%あるのです。
15年も活動しているんだから、100%利用してるんじゃないの?と思われるかもしれませんね。

ですが、施設によっては日々の業務に追われ、子どもたちの退所後支援まで見据える余裕がなかったり、人手不足により外部の資源を活用するマンパワーがなかったりする場合もあります。また、B4Sのプログラムを利用するにも業務連絡や引率など職員の負担がかかり、現場ではとにかく人手が必要なのです。
それをどれだけカバーできるのか、 事情を一つ一つ聞き出し解決していくのが、施設コミュニケーションの仕事です。

私は4月に、プログラムをほとんど利用していない児童養護施設の担当となり、職員さんと入所中の高校3年生 Aさんの退所後の自立支援について話す機会が増えました。この施設は八王子から1時間という遠方にあり、アクセスの不便さから都心の会場に子どもたちを簡単に送り出せない事情がありましたが、今年度から八王子で集合型セミナーを開催することになり、職員さんへAさんの参加を打診してみました。
「毎年参加させたいと思っていましたが遠方で諦めていました。八王子なら参加させやすい!」と、就職活動や施設を退所することへの気持ちが向いていないAさんに対して、セミナーへの参加を強く勧めてくださいました。

結果、Aさんは、B6月「真剣☆発見☆Myキャリア」、7月「コミュニケーションセミナー」に参加しました。Aさんの参加したセミナーには私も毎回スタッフとして参加していたので、Aさんとの関係性も生まれ、セミナー終わりに本人から個別に就活の悩みを打ち明けられました。

Aさんの悩みを聞いた私は、それを施設に共有し、職員さんも日々の生活のなかでAさんの悩みに気づいていて、「ぜひ個別支援をお願いしたい」と依頼を受け、B4Sの専門支援チームに共有してつなげました。
専門支援チームとAさんで相談して、キャリアガイダンスツールである職業レディネステスト(VRT)というを実施したところ、就労へのイメージが具体的になり、Aさんは就活に意欲を見せ始めました。そして、9月には「高3就活セミナー」に自主的に参加するまでに!
現在は、全6回の退所後自立準備セミナー「巣立ちプロジェクト」に毎月参加しています。

施設に対して、資源であるB4Sの情報を提供するのが施設コミュニケーションチームの仕事ですが、ただ情報提供する一方的な関係ではなく、職員さんと一緒に協働し子どもたちに向き合っていきたいと考えています。また、今回Aさんへのサポートも、私と職員さんが連絡を取り合い、お互いに違った視点でAさんに働きかけたことで、就労への意識が自然と向いたのだと思います。

子どもたちに必要な情報を届け、利用してもらうまでの道のりは、決して容易なことではありません。未だに11%の施設は、B4Sのプログラムを利用したことがないので、全体を見てもまだまだ施設によって格差が生じているのです。その施設間格差を埋めることも、私たちのミッションの一つです。

子どもたちの生活の場にいる職員さんの想いや考えを知ること、そこから私たちが施設に必要なサポートを継続して提案していくこと。
これからも細く長く、双方にとってより良い支援体制を築いていけたらと思います。

 

 

(施設コミュニケーション らっこ)


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子どもと直接関わらないけど、大事なボランティア![事務局スタッフコラム]



「困難な状況にある子どもたちのために何かしたい!」

「でも特別な資格はないし、子どもと話したこともあまりないし・・・。」

「ボランティアとして何かできることって、ほんとにあるの?」

そう思われている方は意外と多いのではないでしょうか。

実は私がまさにそういう人でした(笑)。

でも大丈夫!

子どもたちと直接関わって自立支援をすることだけではなく、ブリッジフォースマイルは児童養護問題を世の中に知ってもらう啓発活動もとても大事にしています。
その啓発活動の一つとして「児童養護施設への調査」があり、多くのボランティアの方にご協力をいただいています。

 

■ 児童養護施設への調査って何をするの?

児童養護施設への調査は2011年から継続的に行っています。目的は児童養護に関わる現状を正しく把握し、子どもたちへの支援のあり方を提言するためです。

最新の2018年調査では、過去5年間の退所者の退所直後から現在までの状況や、施設職員の支援上の課題などについてのアンケートを送り、全国180施設から回答をいただきました。
結果の概要はこちらをご覧ください。

この結果をまとめるまで、調査プロジェクトのボランティアの方々には
・アンケート内容の検討
・データの入力
・報告書の作成
を分担して作業していただききました。

仕事帰りの夜にB4Sオフィスに集まっての打ち合わせ、ご自宅での各自の作業、SNSを使って作業経過報告…、お忙しい社会人ボランティアの皆さんとはそんな感じで作業を進めていきました。

 

■ これからどんな調査をするの?

児童養護施設への調査は引き続き行いますが、もっと効率的に作業を進められないか、退所者の動向がもっと明らかになるやり方はないかなど、内容のバージョンアップを皆さんと検討中です。

児童養護の現場での課題をデータで示して皆に知ってもらう…それも子どもの自立を後押しするボランティア活動のひとつです。

 

(運営/企画担当 てらみ)


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ひとつ屋根の下で こっそりとアイを叫ぶ [事務局スタッフコラム]



3年と少し前まで、『社会的養護』の”しゃ”の字も知らなかった私。
今でこそ、ニュースで、児童相談所が何をする所なのかを説明していますが、当時の私は児童相談所と児童養護施設との区別もつかないくらい何も知りませんでした。

そんな私が、現在、里親として里子の養育に携わっています。

始まりは「養子」について調べたこと。
当時は「養子」と「里子」の区別も知りませんでした(※1)。

とある児童相談所での里親説明会に参加し、そこで初めて『社会的養護』という単語を知りました。
その後、養育里親の研修を受けたのです(※2)。

約半年後に里親認定は下りたものの、すぐに里子が家に来るわけではありません。
里親になると仕事との両立も難しくなるだろうと思い、 勤めていた会社を退職。今からちょうど3年前 に、B4Sの事務局スタッフになり、B4Sが実施する様々なプロジェクトに参加しました。

例えば、「巣立ちセミナー」や「出張セミナー」では自立を控えた多くの中高生と知り合いました。「自立ナビ」では 一人立ちした18歳の女子と月に1回お茶やランチをしたり、「就労インターンシップ」では、わずか数日間での目を見張るような成長ぶりに感心したり…と、様々な子どもたちに出会いました。

そして、なかでも特に私へ大きな経験をもたらしてくれたのは、里子を迎えるまでの期間に従事した「よこはま Port For」での1年間です。

「よこはま Port For」では、金・土・日の14~20時の間に、まるで自宅のリビングの様な空間で、各々が好きなように過ごします。
お菓子を食べながら会話をしたり、ゲームをしたり(私はここで将棋を覚えました!)、スーパーへ夕食の買い物に行ったり、一緒に料理をして 皆で食卓を囲んだりします。

そこで様々な背景をもつ、様々な性格の子どもたちや若者たち(高校生から30代まで!)と「ひとつ屋根の下で」時間を共にし、『社会的養護』の現実を目の当たりにしたのです。

そして昨年春から、里子との生活が始まりました。
24時間365日「ひとつ屋根の下で」生活を共にする里子のと暮らしは、最大でも週に3日、1日6時間しか顔を合わせない時間限定の「よこはまPort For」とは全く違いました。
B4Sですでに数十人の『社会的養護』の子どもたちと知り合い、全てを知った気になっていた私には、それが “ほんの一部” でしかなかった事を思い知らされました(過去形ではなく、まだまだ現在進行形ですが…)。

例えば、どこの里親研修(※2)でも必ず習う「試し行動」。
うちの里子の場合、 “食べるもの”  より  “食べないもの”  のがほうが圧倒的に多く(大袈裟に言ってしまえば2:8くらい)、 私自身もその子と同じ生活をしたため、家庭で食べられるものが殆ど無くなってしまい、その結果、半年で体重が6キロも減ったほどでした(笑)。

もしこれまで、B4Sの様々な活動で、色々な子どもたちに出会っていなかったら、落ち込み方はハンパなかったと思います。そんな時、「そういえば、よこはま Port Forで夕食を作ろうとした時、あの子も、この子も、好き嫌いが多くて大変だったよな~」と彼ら・彼女らの顔が浮かぶと、不思議と気分が軽くなるんですね。

2017年に発表された「新しい社会的養育ビジョン(※3)」によって、里親家庭への委託が急ピッチで進められていますが、全国児童相談所長会による調査(※4)では、里親の委託解除理由のうち「里親との関係不調による委託解除」は約24%。7歳児以上の委託に絞ると、その割合は5割へと跳ね上がります。

心に大きな傷を負った『社会的養護』の子どもたちと生活を共にすることは、「子どもを育ててみたい」という “大人側の希望” だけでは成り立たないほど過酷なものであることを、この数字は物語っています。「里親不調」による委託解除は、ただでさえトラウマを抱えた子どもだちにさらなる心の傷を残します(※5)。
テレビドラマや映画で描かれる血の繋がらない家族の “美しい絆” なんて、今の私には現実の “上澄み” しか描いていないとさえ見えてしまいます。

それでも、「ひとつ屋根の下で」、血の繋がりがあろうとなかろうと、「(“里” 付きですが)親」としての立場で子どもと生活するという経験が、人生のなかに有るか無いかでは、全く別モノだなと思うようになりました。
誤解を恐れずに言うなら、初めて “大人になれた” 実感さえします(遅!)。
テレビドラマや映画を観る時も、“親としての視点” で観られるようになったのは、まさに180度の転換です。

私はこれからも、B4Sで出会った何十人の子どもだちと「ひとつ屋根の下で」一緒にご飯を食べた日々を思い出し、試行錯誤を繰り返しながら、里子との日々重ねていくでしょう。これらの経験は、どんな里親研修よりも強烈に 里子との繋がりを結びつけてくれていると信じ 、今日もご飯を作り続けています。

毎年10月は「里親月間」です。各地域で様々なイベントが行われますので、関心のある方は、ぜひ参加してみてくださいね。

*里子の個人情報保護のため、名前や写真は伏せています*

(運営担当 むーく)

 


※1:養子と里子の違い
家族の戸籍に入る養子と違い、里子はあくまでも自治体から一時的に委託を受けた子どもである為、戸籍や住民票には入らず 里親には親権もありません。

※2:養育里親研修
里親には、短期で子どもを預かるものから、専門知識を持った里親まで様々な形があります。また各自治体によって里親への認定基準や研修内容は異なります。

※3:試し行動
愛着障害に起因し、生活を共にする大人がどこまで自分を許してくれるのかを試す行動と言われています。

※4:新しい社会的養育ビジョン
2017年8月厚労省が「新たな社会的養育の在り方に関する検討会」から発表したもの。里親への委託率を7年以内に75%まで引き上げる(現在の全国平均は19%)という方針などが盛り込まれています。

※5:全国児童相談所長会による調査
http://www.zenjiso.org/wp-content/uploads/2015/03/ZENJISO091ADD.pdf(72ページ参照)

※6:里親不調
委託された里親家庭との折り合いが合わず、児童養護施設等の他関係施設や他の里親家庭へ措置変更されること。里親不調は、委託開始1年以内が一番多いです。

◆コラム内に登場したB4Sのプロジェクトについては、以下をご覧ください。
【巣立ちセミナー】 【出張セミナー】 【自立ナビ】 【就労インターンシップ】 【よこはま Port For】

 


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子どもたちの笑顔を増やしたい。そのために我々大人・社会ができることって? [事務局スタッフコラム]

皆さんの中で、子ども達の笑顔がもっと増えてほしい!と思う人はいますか?
私も、それを強く願っている一人です。

私は、4年前にコエールの前身となるプログラムに、ボランティアとして参加しました。
それがキッカケで、今はスタッフとして働いています。

私自身、社会的養護という存在すら知らないところから、ボランティアをしたことで知り、その可能性を見せてもらい、本当に良い経験をさせてもらったからです。
ボランティアで何ができるかな?と思って参加しましたが、貰うものの方が大きくて。
それは、自分の親への感謝だったり、人の可能性を信じる力だったり、チームや努力がもたらすパワーだったり。
ボランティアをする前にイメージしていた“支援者と支援を受ける人”という関係は全くありませんでした。

本当に沢山の事を教えて貰いました。
だからこそ、未だ知らない人に届ける、啓発活動を無くしてはいけない!と、直感的に感じ、今に至っています。私自身が、知って動き出した大人の一人なのです。

約2年間の準備期間を経て、“親ありき日本を超える” というテーマで、コエールというイベントを開催しました。(2019年7月21日 国立オリンピックセンターにて)

・イルミネーター(親を頼れない経験をした若者)のスピーチ
・アクティビスト(解決に向けて動き出している活動家)のプレゼンテーション
・「社会で子どもを育てるとは」というテーマのパネルディスカッション
という内容で、総勢約600人の方が関わるイベントとなりました。

その中で、感じたことをお伝えします。

イルミネーター達と約半年間の関わりで、一番感銘を受けたのは、「自分と同じ経験を子どもたちにしてほしくない!」という強い想いです。
自分の経験を知ってほしい!知る事で変わる社会があるはず!と、目指す社会を一緒につくるチームであり、同じ志を持つ仲間でした。
その想いが当日の熱気に繋がったのだと思います。

イベントに参加した方のアンケートでも、
「小学校の教諭をしていますが、社会的養護の子ども達と、どう関わっていいか分からなかったので、彼らの気持ちを知れたようで良かった」
「すべての若者に等しく明るい未来が訪れるよう、自身でも考えていこうと思いました」

など、イルミネーターの想いが届いたと感じられるコメントも多くいただきました。

目指すものは皆一緒なのではないでしょうか??
子ども達の笑顔がもっと増えてほしい!
その為に何が出来るのか?

悲しいニュースで心を痛めるだけでなく、社会全体で、日々考えながら出来る事をしていきたいです。
一人一人の力が、社会を変えていくことを信じて。

 

 

(スピーチイベント・コエール担当 小倉 徹也)

 

 


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この社会の片隅で、今日もきっとがんばってる、あの人やこの人の顔を浮かべながら [事務局スタッフコラム]

「お願いしたいのは、細ーく、だとしても、長ーくつながることです!」

ブリッジフォースマイルの社会人ボランティアへ、そんなふうに投げかけることがあります。ボランティアの登録者数は、年間500名近く。この仲間の力が、支援の力そのものです。

親を頼れない若者たちが社会で孤立することがないよう、退所者支援の『アトモプロジェクト』では、定期的なイベントを開催しています。
例えば夏はBBQ、冬はクリスマスイベント。ボランティアと若者が定期的に集まり、近況報告をし合います。

やはり知っているボランティアメンバーがいるからこそ、若者も「じゃあ参加するよ」となります。そうやって、ずっとずっと参加し続けてもらうのが理想の形です。

実際、長くつながるというのは、そんなに簡単なことではありません。
困難な状況になるほどに、姿を見せてくれなくなるし、SOSを出してはくれません。全く連絡がつかなくなってしまう若者はいくらでもいます。

支援現場では「長くつながっていてよかった」と思える瞬間がいくつもあります。それらは、若者たちがこんなにもがんばって、社会のどこかで生きているという証でもあると思い、いくつか残しておきたくなりました。以下、プライバシー保護のため一部変更し、ご紹介します。

 

◆Aさん
施設を退所し進学したものの、家族のもとに戻ったことで、精神的な不調もあり、中退。英語を使った仕事がしたいという夢を諦めず、家を出て住宅支援を受けながら勉強に励む。数年のアルバイトと勉強生活の努力が実り、晴れて第一希望の大学に進学決定。英語もかなり上達した様子。
嬉しそうな報告とともに「安心できる環境と応援してくれる人が近くで見守ってくれたからがんばれました。感謝の心を忘れずにがんばっていきたいと思います!」とメッセージをくれた。
一時期の落ち込みを知っているので、「よくぞここまで!」という気持ちになる。

◆Bさん
施設を退所し、専門学校に進学したものの中退。施設やボランティアが継続的に関わるも、本人の他責傾向の強さから、なかなか自立のための準備が進まない。一旦は自立援助ホームに入ったが、その在所期限も迫ってきたために散々嫌がっていた一人暮らしと、施設職員の仲介の仕事を始めたところ、以前とは違い、どんどん前向きな発言が出てくるようになる。
長らく他人からの評価に過敏な面があったが、最近は「そう言われたけど私、そこまでひどくなくない?!って思って」というような、それも聞いているともっともだと思えるような、客観的に自分を見られてきている傾向があり、頼もしい。

◆Cさん
施設を退所し、大学へ進学。どうにかして卒業したいという希望はあったものの、学費が払えず中退。数年間、誰とも音信不通となる。出身施設の中で唯一連絡を取り続けた職員が、10年越しで信頼関係を結び、近いうちに会って話をしようと約束しているそう。
難関な資格をとることができ、就職活動中。その資格は、かつて大学で学んでいたことと重なるもので、ついに希望の仕事に近づけるんだなと、話を聞いて感慨深くなる。

 

どのエピソードにも、出身施設の職員をはじめ、B4Sボランティアや事務局スタッフが駆け回った痕跡がありますが、それは割愛しています。
彼らは支援対象者というだけでなく、生まれ育った環境を乗り越えようとしているチャレンジャー。彼らを支えるために、大人が駆け回る意義がそこにあります。

彼らに必要なのはやり直しがきく環境。
やり直せる環境があれば、例えつまずいても、また再び自分の道を見つけることができる。
やり直せると知っていれば、応援してくれる人がいれば、もっとチャレンジすることができる。

それを成し得る関わりのひとつが “細くても長いつながり” なのではないでしょうか。
チャレンジの先の再チャレンジを、一緒に喜べる職員や里親さん、ボランティアメンバーが一人でも多くいるといいなと思います。

 

(広報担当 植村 百合香)

 


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