ニュース・活動報告
ブリッジフォースマイル(B4S)では多くの社会人ボランティア(以下、サポーター)が活躍しています。どんな人がどんなふうに活躍しているのか、レポート!
今回は大学で学生支援のお仕事をしている、ニックネーム「クッカ」にお話を聞きました。
■人生の夏休み中に出会ったB4S
――活動を始めて1年。去年ボランティア登録をしたばかりですが、積極的に様々な活動に参加し、周りのスタッフ、サポーターからも信頼されているクッカ。B4Sに出会ったきっかけを教えてもらいました。
もともとは、あまりボランティア活動に興味がありませんでした。仕事が忙しくて、休みの日も仕事のことを考えているような毎日だったのですが、ふと、人生の夏休みが欲しいと思って。この忙しい日々の中で、ただ年を取っていくのは嫌だなと思い、仕事を辞めました。
転職後、時間に余裕ができて、余暇を楽しめるようになりました。旅行、スポーツ観戦、お笑い・・・好きなこと、楽しいことをたくさんしたけど、それでも余力がある。まだ何かをする元気があったんです。
――ちょうどその頃、お兄さんにお子さんが生まれました。
姪っ子がきっかけで家族全員が集まることが増え、みんなが笑っていて・・・特に父のニコニコ・デレデレした顔を見ていて「孫の力、すごい!!」そう思いましたね。
そんな光景を見ているうちに、『子どもは親が守ってくれればそれが一番良いけれど、生まれた環境で何かを諦めなければならない子もいるのかな』 『生まれたからには、すべての子どもたちが楽しく過ごせた方が良いな』という考えが出てきました。
この有り余る元気と姪っ子への愛情を何か他のことに向けられないか・・・
そして、「そうだ、乳児院でボランティアをしよう!」と。
――しかし、当時はコロナ渦ということもあり、乳児院でのボランティアは難しく、ボランティアコーディネーターから教えてもらったのがB4Sでした。
■本業での経験がB4Sを引き寄せる
――想定していなかったB4Sとの出会い。しかし、実は本業と関連性があったといいます。
普段は大学で学生支援の仕事をしているのですが、その経験と通ずるところがあり、興味が持てました。
学生支援では、かなりプライベートに踏み込んで生活面のサポートをします。例えば、奨学金の支援をする場合は経済状況のヒアリングをしたり、授業配慮(障害を持つ学生さんに、どうやって大学に通ってもらうか、どうやって授業に参加してもらうか)について学生さんと話をしたり。
勉強よりもプライベートの話を聞くことが多く、色々な境遇の人がいるということを実感していました。
それぞれが抱える困りごとや悩みは、傍から見たら大したことがないかもしれませんが、それが原因で前向きになれない、生きづらいと感じている子たちがたくさんいるという潜在意識がありました。
――現在は主に学生の就職支援を担当しています。
今の学生たちは大手企業が良いという考えではなく、若いうちから起業したい、フリーになりたい、と思う人もいて、働き方が多様化していると感じます。仕事が一番ではないと考えている学生も多いです。
少し前の「こうあるべき」はもう通用しないので、大人の考えを押し付けるのではなく、本人がどうしたいのか、そのためには何をしなければいけないのか、丁寧に話を聞いて、伴走型の支援をしています。
最初は乳児院でのボランティアを考えていたので遠回りはしましたが、今まで経験してきたことが巡りめぐって、B4Sでの活動につながっているんだと思います。
■B4Sでの活動は、自分にとっても大きなプラスに
――B4Sで活動することを決め、1年目で早速「巣立ちプロジェクト」に参加します。
巣立ちプロジェクトは、月1回の半年間にわたるセミナーです。単発ではなく、子どもたちと複数回会えるので、回を重ねるごとに深い話ができるようになったり、子どもたちの経験が増えていく過程を感じられたりするのが良いですよね。1日がかりのプログラムなので、一緒にお昼ご飯を食べたり、クリスマスパーティーで豪華なご飯を食べたりしたことも、楽しくて印象に残っています。
――このとき経験したサポーター同士の交流も、活動を続けられている理由になっています。
グループ単位で活動する巣立ちプロジェクトは、サポーターみんなの家が近く、和気あいあいとした雰囲気。仕事も年代も違うサポーターと交流できたことは貴重な経験となりましたし、他の活動のことも色々教えてもらいました。大人同士がぎくしゃくしていると子どもたちにも伝わるので、まずは大人たちが楽しむことが大切だと思います。
――2年目になった今年は、「自立ナビゲーション」と「出張セミナー(自立支援セミナー)」にも挑戦しています。
今年の4月から自立ナビゲーションを始めました。
しているのは高校を卒業し、働き始めたばかりの18歳の子です。初めて会う子なので緊張するんじゃないかな?と思いましたが、楽しんでくれているようです。知らない大人相手に、自分のことを開示して話ができるところは本当にすごいなと尊敬しています。
月1回の面談は、本人がやりたいことや行きたいところを聞いて、それに付き合う形が多いです。会ったときには状況を聞いて、求められたらアドバイスをすることもありますが、基本的には聞き手に回っています。
――自立ナビゲーションの活動を通して、クッカの世界も広がりました。
私一人では行かないような場所、興味が向かなかったような場所に一緒に行けることが面白いです。先日はアニメイトで知らなかったアニメを教えてもらいました。今はメイクに関心があるようで、今度は新大久保でコスメを見たいと話しています。“支援している”という感覚はなく、友達とは違うけど、フラットにやり取りしていますね。
――「出張セミナー」は誘ってもらったことがきっかけで2回参加しています。
児童養護施設の子どもたちとは年齢が離れていますが、みんなフラットにコミュニケーションを取っています。普段から施設の職員さんがそのような雰囲気づくりをしているのだと思いますが、私たちサポーターも「養護施設だからこうするべき」、という意識は持っていません。
やはり、最初のうちは、聞いてはいけないこと、話してはいけないことを意識して気負っていました。でも、子どもたちのほうからフラットに話してくれるんです。
スタッフの方からも、「先入観を持って行かないほうがお互い楽しいし、コミュニケーションも円滑にできるよ」というアドバイスをもらい、今はあまり気を遣いすぎずに接しています。
――他にも、B4Sのスタッフ、サポーターの良さを感じる場面がたくさんあるといいます。
まず、皆さん本当に優しい。プライベートではなかなか出会えないような方ばかりです。
柔らかくて、器が大きくて、受容力が高くて、穏やかで心地よいです。
そして、ちょうどよいタイミングで、ちょうどよい距離感のサポートをしてくれます。
事務局の方は、各活動に合わせた研修のスケジュールを送ってくれたり、サポーターの方は「今度こんな活動に参加するよ」と声をかけてくれたり。私はまだ参加したことがありませんが、「こんなときどうしてる?」を相談するオンライン井戸端会議も開催されているそうです。
■これからボランティアを始める人へ
――ボランティア活動を始めるか迷っている人に伝えたいメッセージを聞いてみると、「悩んでいるなら参加できる!」と。
もしボランティア活動はハードルが高いと感じている方がいるなら、責任感が強い方だと思います。でも、B4Sは事務局・サポーター同士で支えあえる環境が整備されているので、そこまで気負わなくても気軽に参加できる場所です。色々な支援の形があるので、自分に合っている活動、自分にできる活動がきっと見つかりますよ。
――そして、もう一つ伝えたい大切なことがあります。
時間と心に余裕があること、これが本当に重要です。ボランティアは有志の活動なので、やりたい気持ちも大切ですが、自分に負荷をかけすぎないこと。辛くなってしまったら続かないので、長く続けるには頑張りすぎないことです。仕事もプライベートも大事にしながら取り組んでほしいなと思います。
――初めは関心がなかったボランティア活動。実際に初めてみて、今感じていることは・・・
いくつになっても知らないことはたくさんある。仕事は仕事で成長があるけれど、仕事ともプライベートとも違うコミュニティを持つことは人生を豊かにする要素の一つでした。間違いなく、やって良かったです!
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