ニュース・活動報告

コエールが、新しくなります! ②ワークショップ企業編

ブリッジフォースマイル(B4S)は2011年より、親を頼れない経験をもつ当事者の声をスピーチイベント「コエール」で届けてきました。2024年度は大幅なリニューアルをはかり、新たな取り組みを開始します。

「コエール」の紹介や、スピーチができあがるまでは、①スピーチ動画収録 をごらんください。

 

親を頼れない子どもたちを社会で守り育てるため、共に行動する仲間を増やすためには、社会の一人ひとりに自分事として考えてもらう必要があると思いました。そこで、“スピーチを聴く”その先に、“ワークショップ”を設けて、参加者の皆さんに考えてもらう「コエールワークショップ」が誕生しました。コエールワークショップには、イルミネーター(虐待などを受けた当事者)が参加し、一緒に問題を考えていきます。スピーチでは語られなかった経験や、参加者からの質問にも答えていきます。

 

■企業のボランティア週間内で開催! フィッチ・レーティングス・ジャパン株式会社様

6月4日、フィッチ・レーティングス・ジャパン様(東京・千代田区)にて、ワークショップが開催されました。フィッチ・レーティングス・ジャパン様は、外資系の信用格付機関です。社員の方が、B4Sの活動に興味を持ち、社内のボランティア週間のプログラムに推薦してくださったことが、今回のご縁となりました。社内の会議室に約20名の方が集まり、約2時間のプログラムとしてスタートしました。

 

最初に、参加者全員にチェックインをしていただきました。

チェックインは、その時の気分や、近況など、ざっくばらんにグループでシェアをする時間です。B4Sでは、いろんな会議のはじまりにチェックインをする文化があります。一見、本題と関係ないように思う時間ですが、チェックインがあると自然と、「今ここにいる」という一体感が生まれます。今回のワークショップでは、「こどものとき、親から掛けられて嬉しかった言葉・悲しかった言葉」をお題に入れました。社員の皆様は普段からよく知っている仲だったとは思いますが、普段は話さないようなこのお題に、お互いとても興味を持って取り組んでくれました。終わりのベルが鳴っても、まだ話足りない!というような感じでした。

 

次に、B4S代表の林恵子から、社会的養護と子どもたちの現状や課題について紹介させていただきました。児童養護施設や里親家庭で暮らす社会的養護の子どもたちの数が42,000人という現実に、思わずため息がでる方、話に身を乗り出す方、メモを走らせる方、様々なリアクションがありました。

 

そして、本題のコエールとして、今回参加したイルミネーターは呑んです。『虐待の後遺症』をテーマに呑んが自分の経験や、今もつづく生きづらさなどを話しました。当事者の声を生で聞くことに、緊張感がありながらも、参加者全員が真剣に話を受け取ってくださっている様が伝わりました。呑んは、虐待を受けていたにも関わらず、支援とつながることができずに大人になった一人です。いまも虐待の後遺症に苦しむ呑んは「我慢なんてするんじゃなかった。私も児童養護施設に入りたかった」と話します。

 

 

いよいよ、自分事として考えるワークショップが始まりました。お題は、「虐待かもしれない」と思った子を、どうやって救っていけるのか、です。

 

 

4人の子どもの例を出し、実際にどう助けていけるのかグループに分かれて考えてもらいました。事案を具体的に考えることで、様々な問題が浮上します。「虐待を見かけたら通告が必要」ということは、誰しもが頭でわかっていることですが、どこからが虐待だろうか?通報先はどこなのか?小さな女の子に大人の男性が声をかけるのは難しいのではないか?など、活発に意見交換がなされていました。また、「実は、うちの近所でも・・・」と、身近にあった虐待を疑う体験をシェアする方もいました。

 

グループワーク後に各グループからの発表があり、最後にチェックアウトをして、それぞれの今の気持ちを聞かせてくれました。具体的に行動するシミュレーションをすると沢山の課題にぶつかることや、親を頼れずに育った人たちへの関心が深まったことなど、一人ひとりが想いを打ち明けてくれました。2時間のプログラムはあっという間に終わり、呑んに感謝を伝えにきてくれる方もいました。

 

最後は全員で、まるくなってチェックアウト。

 

■参加者の声

「親や社会に頼れない子供がいて、彼らがどんなサポートを求めているかが良く理解できた」
「実際に虐待を経験した人の話を聞いたり、グループディスカッションをすることで、児童虐待に対する意識が高まった」
「虐待の影響に関する問題を認識し、深く考える貴重な機会となり、実際に当事者の方からお話を伺うことで、その問題の深刻さを改めて痛感した」
「虐待などで親を頼れない子供達をサポートするようなボランティアに参加したいと思った」
「「虐待かもしれない」と思った子を見たときに、どのような行動をとるべきかが分かった」

 

参加者のみなさま、ありがとうございました!

 

 

次回は、大学の授業として開催したコエールワークショプをお届けします。

 

■あなたの会社・学校・地域でコエールワークショップを開催しませんか?

 

コエールチャンネルにて、イルミネーターたちのスピーチ動画を公開しています。イルミネーターがそれぞれの言葉で、それぞれの社会問題に取り組んでいます。ぜひ、動画をご覧いただき、あなたの会社・学校・地域でワークショップを開催し、親を頼れないすべての子どもが笑顔で暮らせる社会の実現へ力を貸してください。

 

コエールワークショップのお問合せ・お申込みは、こちらのお問い合わせフォームより承ります。

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