ニュース・活動報告
ブリッジフォースマイル(以下、B4S)は、公益財団法人パブリックリソース財団の2019年度事業 「子ども支援団体の組織基盤強化」プログラムに採択され、2020年4月〜2023年3月までの3年間、広報・ファンドレイジングの組織基盤強化に取り組んできました。
※この事業は、一般財団法人日本民間公益活動連携機構(JANPIA)の休眠預金等活用事業の1つで、公益財団法人パブリックリソース財団がその資金の分配団体、B4Sが実行団体となります。
◆組織の抱えている課題と組織基盤強化の必要性
虐待や親の事情などで、児童養護施設や里親家庭などで生活する子どもたちの多くは、18歳で社会に巣立ちます。社会に出て困ったことや不安なことがあっても、そうした子どもたちには、経済的なサポート、アドバイスや励ましを与える「実家」というセーフティネットがありません。B4Sは、退所前の子どもたちや退所した若者の課題やニーズにあわせて多様なプログラムを開発、運営しています。
しかし、私たちが運営している複数の支援プログラムを、多くの協力者と協働して実施するためには、運営する事務局スタッフの存在が欠かせません。事務局スタッフが生活の不安なく、心身ともに疲弊することがなく、事業を持続して運営することができるよう、団体の組織基盤の強化が急務でした。
◆本プログラムを通して取り組んだこと
最初に、広報・ファンドレイジングにおけるロジックモデルを作成しました。ロジックモデルとは、投資した資源が、私たちが目指す社会的インパクトを生み出すまでに、論理的にどのような順序をたどるかを示すものです。これにより、B4Sの短期/中期/長期のアウトカム(目指すべき成果)と3年間で行う取り組みを整理し、見える化しました。
【B4Sが設定した中長期アウトカム】
・自立できる子どもが増える
・子どもが生きやすい社会になる
・寄付者、ボランティアなど、支援者が増える
・社会の認知が広がる
【3年間で行った主な取り組み】
・ロジックモデルの作成
・団体のリブランディング
(ビジョン・ミッションの再構築、共感を得やすい団体ロゴ・Webサイトの制作、パンフレット及び年次報告書のリニューアル)
・コミュニティファンドレイジングの検討と運営チームの立ち上げ
・広告、チャネルの運用方針の見直しとSEO対策の強化
・社会的インパクトの可視化
また、資金分配団体のパブリックリソース財団様からは、定期面談、中間報告会、組織診断、ワークショップの開催などを通して、多大な伴走支援をしていただきました。
◆取り組みにより生まれた成果と波及効果
評価については、実データの解析(定量評価)、アンケート調査(定量/定性評価)、ヒアリング(定性評価)の3つの方法を組み合わせることにより、多面的に行いました。
【取り組みにより生まれた成果】(事後評価報告書より一部抜粋)
・団体ロゴ、Webサイトのリニューアルにおいて、団体と事業内容、社会課題や活動意義をわかりやすい言葉で説明できるようになった、見やすさの改善やスマートフォン対応も行うことができた
・2022年6月から新規SEO記事の公開により、自然検索からのサイト訪問者数が増加した(対前年比16ポイントの増加)
・継続寄付会員数が年平均成長率41%と2019年以前の3年間と比較して順調に増えた、企業寄付も増加し、遺贈寄付の問い合わせも増えた
・Webサイトのリニューアルは、個人の潜在寄付者層をターゲットとして構成したが、企業のCSR担当者から法人寄付先の選定や協働プログラムの企画をすることもあり、問い合わせが増え、リニューアルの好影響があった(信頼性の向上につながった)
◆今後の持続・発展に向けて
広報・ファンドレイジングの各ツールのリニューアルと体制を整えることができ、団体全体における広報・ファンドレイジングに対する意識が高まり、今後の運用や成果について明るい見通しが持てるようになりました。3年間の取り組みで、定量的にも定性的にもこれまでにない成果を得ることができました。今後も施策の実行、効果の測定を繰り返すことで、団体の成長に向けて、持続可能な運営体制を整えていきます。
組織運営基盤の強化は、団体として認識している大きな課題であり、広報・ファンドレイジングの再生を目的とする本事業は適切でした。改めて、パブリックリソース財団の担当者様、協力会社様、関わっていただいたボランティアのみなさんに感謝申し上げます。
児童養護施設や里親家庭などで生活する子どもたちが、巣立ちの際に直面するさまざまな課題を乗り越えるための支援、そして、親を頼れないすべての子どもが笑顔で暮らせる社会の実現に向けて、これからも宜しくお願いします。
-
2024.06.29広報・啓発活動コエールが、新しくなります! ①スピーチ動画収録
-
2024.06.29広報・啓発活動社会的養護自立支援拠点事業がはじまりました
-
2024.07.08広報・啓発活動2023年度「年次報告書」ができました