
ニュース・活動報告

巣立ちプロジェクトは、首都圏、佐賀、熊本に続き、今年は北海道でも開催されています。今回は第2回の様子をお届けします。
【開催概要】
開催日時:2022年11月23日
実地開催
参加者数:高校生10人/ボランティア9人 見学者6人
講師:マイケル
◆第2回の北海道ブランチ、スタートです!
記念すべき第1回の北海道ブランチから約1カ月が経過した札幌市は、街路樹の葉がすっかり舞い落ち、いつ雪が積もってもおかしくない気候です。第2回はそんな寒空のなかで開催されました。
前回に引き続き、ブランチを軌道に乗せるべく東京から社会人ボランティアのみなさんが駆けつけてくれました。講師のマイケルをはじめ強力な布陣で、第1回よりも多くの子どもたちと見学者を迎えました。
2回目ともなるとボランティアと子どもたちはすっかり顔なじみです。子どもたち同士も初回とは違い、良い意味でリラックスしながら参加していました。
金銭事情についての講義では、厳しさに直面し、険しい顔つきになった時もありましたが、険しさも退所後を見据えたものだと思うと、頼もしく感じられ、うれしくなりました。
◆18歳になることに伴う責任
今回のメインテーマは、成人年齢の引き下げに伴う賃貸住宅の契約や新生活に向けた金銭管理でした。
施設から出ることで得られる自由な生活。
楽しいことが多く待っている反面、生活を循環させるのは自分であるという責任。
暮らすだけでもなかなか大変です。
ボランティアとして参加しているわれわれ「大人」であっても、どれだけ正しく、または間違いなく暮らすことができているのでしょうか。
決して簡単なテーマではない内容だからこそ、講師だけでなく、ボランティアも多くのことを高校生に伝えたくて、より一層力が入る、そんな緊張感があふれていた印象です。
◆こんなにお金が必要なの・・・?
一人暮らしを始めるにあたり必要な経費や生活用品をすべて算出した合計額を発表する際に、ある高校生から「こんなにお金が必要なの・・・?」という言葉がポロッと漏れ出ました。
一人暮らしに必要な物、すでに持っている物、無くても生活できる物。
世の中には物質があふれています。物質社会に身を置く現代人にとって、新たに生活を始めるのに何が必要で、何が不必要かを取捨選択することも大事です。
洗剤、食器、カーテン、ドライヤーなど、一人暮らしに必要なものを選ぶシミュレーションでは、みんな、シミュレーションであることを忘れるほどの真剣な面持ちで一つひとつ品物を選んでいました。開始当初の「なんでこんな作業をするの?」という声はどこにもありません。
今年の高校生は、世界情勢が安定しない物価高のタイミングで施設を出るため、特に難しい生活となることが予想されます。そんななかでも、できる限り理想を現実に近づけるべく熱く語りあいました。シェアタイムは講義再開の時間を忘れるほど、盛り上がりました。
◆人を信じ切らない。でも信じる気持ちは忘れずに
金銭管理に伴い、社会的な「契約」が可能となる18歳。
成人になることで契約を結べる良さもありますが、一方で悪徳商法や詐欺被害も心配です。
誰しも「わたしは絶対ひっかからない」と思うものですが、実際はそんなことはありません。ボランティアが語る経験談が、よりリアルに、そして鮮明に高校生へ響いたようです。
人を信じることで得られる目に見えない「信頼」や「信用」には、お金で買えない価値があります。悪徳商法や詐欺被害を避けたいからといって、すべてのできごとを疑うことは良いとはいえません。子どもたちには、信じる、信じようとする気持ちは大切にしてほしいなぁ、と思います。
リアルな世界に足を踏み入れようとしていることを自覚しはじめているからでしょうか。学校では決して学べないことを学べるセミナーを、高校生たちはランチ後もしっかりと受講していました。
◆自発的に書いた内容を言葉にしている「サンキューカード」
巣立ちプロジェクトでは、終了時に一緒に学んだ仲間やボランティアに向けて、その日の感謝の言葉をカードに書き、渡すときに声に出して読み上げる「サンキューカード」の時間があります。
前回は戸惑いを感じていた子どもたちも、書いたメッセージを自発的に読み上げて、相手の目を見て渡していました。
たった2度の開催で、感謝する気持ちをカードにすらすら書けるようになっていたことに、驚きとうれしさが込み上げてきました。
会場のあちこちで、笑い、照れ、お礼が飛び交う、終始穏やかな時間が終わり、会場を後にするころには、札幌の空はすでに真っ暗になっていました。
社会人ボランティア:かおぴー
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