~2年間の巣立ちプロジェクトを経験して(後編)~

ジョブプラクティスは、働くイメージを描いてもらうために、中高生を対象に行っている「1日職業体験」です。
国際的な外資系金融機関アライアンス・バーンスタイン株式会社のご協力を得て実施しました。
日時:2021年12月23日(木) 17:30~20:00 (オンラインで実施)
子どもの参加人数:12人
アライアンス・バーンスタイン株式会社(以下、AB社)は米国・テネシー州ナッシュビルに本社を置く外資系金融機関です。株式、債券、マルチアセットなど幅広い運用商品を提供する会社で、世界26カ国、51都市、4,000人もの社員さんが働いています。
今回、学校でも学び始めているSDGsと、将来設計をゲーム感覚で学ぶライフプランを、お金のプロである金融企業ならではの視点で教えてくださいました。
現在、私たちが住む地球は、自然資源の枯渇や気候変動、貧困や格差など多くの問題を抱えています。こうした問題から、だれひとり取り残されない世界の実現を掲げ、あらゆる国と人の目標として作られたのがSDGs(持続可能な開発目標)です。
そんなSDGsに、AB社は投資を通じて貢献されています。例えば、二酸化炭素を削減する新たな技術を開発する会社を見つけて、積極的にお金でバックアップし、利益を投資家の方に分配するという重要な役割をAB社は担っています。ちなみに、燃料電池や電気自動車の開発など、地球温暖化対策には、日本の技術が不可欠だそうです。
買物や就職にもSDGsは関係するというお話もあり、これからの未来を背負って生きていく子どもたちにとって、「プラスチック包装が少ないものを買う」「働いている人を大切にする会社を選ぶ」などの言葉はとてもリアルに響いていたようです。
まじめな話のあとは、アイスブレイクを兼ねたクイズで盛り上がりました。金の採掘量という難易度の高いものから、ベートーヴェンの肖像画が不機嫌そうに見える理由などとてもユニークな問題を子どもたちは楽しみながら答えていました。
人生にはさまざまなライフイベントがあり、どう乗り越えるか、どのくらいお金が必要かを考える必要があります。
AB社の社員さんで、学校でお金の授業を教える先生でもある方が講師となり、最後のプログラム「ライフプラン作成」にチャレンジしました。子ども2~3人に社員さん1人がひとつのグループを作り、ある18歳から働き始めた人が60歳の時点で赤字にならないようなライフプランを作るのがミッションです。
各グループの社員さんがシミュレーターという年齢ごとの収支の増減や貯蓄残高が可視化できるソフトの画面を共有し、人生のあらゆる選択を子どもたちが下していきます。
何歳で結婚?子どもの教育プランは?家の購入は?趣味は?収入、生活費、その他の支出などさまざまな要素を考慮しながら、どのチームもミッション達成に向け大盛り上がり。結果はどのチームも60歳時点での貯蓄残高の黒字化に成功しました!おめでとうございます!
住宅購入、教育資金、老後の生活資金など想像以上にお金がかかる世の中ですが、このプログラムを通じて、一つひとつのライフイベントを冷静に見つめ、早い段階から準備することの大切さを学ぶことができました。
施設を出たあと、やりたいことがない、見つからない、そんな子どもたちは多いと思います。
しかし、進路を考えるのと同じくらい、これからの未来がどうなるのか、これからの暮らしで自分がどんな選択をするかを考えることが大切だと知りました。
後日、子どもたちには嬉しいサプライズがありました。クイズタイムの正解数に応じて、社員さんから子どもたちにクリスマスプレゼントをいただいたのです!中身はとてもおいしいお菓子。「じっくり味わうようにといったのに、あっという間に食べてしまった。それはもう、大変喜んでいました!」というコメントが施設から届きました。
アライアンス・バーンスタインの社員のみなさま、クリスマスの時期に大切な時間をいただき、本当にありがとうございました。
※トップの画像のうち左下の画像は、金融庁公開ソフト「ライフプランシミュレーター」です。
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