ニュース・活動報告
◆ボランティア活動での期待と不安は?
私がブリッジフォースマイル(以下、B4S)のスタッフとして関わり始めて14年目になりました。
B4Sが行う3つの事業の柱の1つ、子どもを支える大人を増やす「人材開発」とB4Sのノウハウを全国に広める「地域展開」を主に担当しています。
B4Sの活動を支える社会人ボランティアは、現在約450名いらっしゃいます。年間1500人近い子ども・若者たちを支援するためには、なくてはならない大切な存在です。
直近1年半で登録したボランティアにアンケート調査を行い「活動参加理由」を聞いています。「子ども支援をしたい」「児童養護の問題に関心があったから」と答えた方は、全体の80%以上でした。
また「活動における関心ごと」は、「子どもたちの相談にのり、個別に対応すること」がトップでした。「子どもとしっかり関わりを持って支援したい」という熱い思いで参加される方が多いことは、とても心強いです。
最初にボランティア活動に参加するにあたり、ボランティア登録後に「オリエンテーション」の時間を設けています。
社会的養護のもとで暮らす子どもたちや社会に出た若者たちの現状や課題、B4Sのビジョン・ミッションの共有、活動における方針や行動指針、ルール、研修制度などについて説明をし、個別相談を受けています。
ここで、「私にできるのかな」と不安を抱える方もいらっしゃいます。
「虐待を受けた子どもの心の傷に触れてしまったらどうしよう」
「いろんな事情を抱えている中学生や高校生と話をするときに何に注意したらいいのでしょう」
「専門知識はないけれど、彼らの力になれるのだろうか」
彼らの置かれた状況を想像し、親身になって心を寄せると、支援が容易ではないと感じる部分もでてきます。
◆研修は団体設立まもない16年前からスタート
実は、団体設立当初、子どもたちを預けてくださる施設職員の方々も「どんな人が関わるんだろう、子どもたちを傷つけられないだろうか」という不安をお持ちでした。
参加する子どもたちにより良い支援を届けるには、まず関わる大人たちが安心して支援できることが大切です。ボランティアの皆さんの不安を取り除き、施設職員の方に「B4Sのボランティアはきちんとした研修を受けて活動に参加しています。」と信頼していただけるよう、設立してすぐにボランティア研修をスタートさせました。
「研修があるから初めてでも安心」
「支援のなかでモヤモヤしていたことを研修で学ぶことができる」
と、年度更新時のボランティアアンケートでは、研修制度への満足度(満足、やや満足)が80%となっています。
2018年からは研修を一般公開をし、名称を「スキルアップ研修」に変更しました。昨年度は44講座実施し、のべ参加人数は500人でした。
◆オンライン化が支援者をつなげる
2020年春以降の新型コロナウィルス感染拡大に伴い、これまで対面で実施していた研修の大部分をオンライン研修に切り替えました。研修参加者は、全国、海外に広がっています。
九州の活動拠点、佐賀・熊本のボランティアも東京のボランティアと一緒に参加、交流ができたり、地方在住で接点が持てなかったボランティア希望者や全国の児童養護施設・里親や支援団体、児童福祉関係者の方々も参加できるようになりました。
こんな出来事がありました。
奨学金に関する研修では、参加者から
「東京には社会資源がたくさんあるが、地方は厳しい」
「進学者が少ない中、どこに奨学金の情報があるか等サポートの仕方がわからない」
など、日頃困っていること、悩んでいることがポツリポツリと出てきました。
すると他の参加者が次々に話をしてくれました。
「公的支援だけに頼るのではなく、地元企業と一緒に独自の奨学金制度を作った団体もある」
「簡単に奨学金情報を検索できるシステムを開発している企業もある」
「コンパスナビや全国児童養護施設協議会のページに一覧が掲載されているので情報収集して早めに問い合わせることが大事」
困り顔だった参加者の顔に少し笑みがこぼれました。
現場での貴重な事例共有にももちろん意義がありますが、支援者が抱える悩みを打ち明け、それを受け止めてうなずく人、アドバイスをくれる人がいて、お互いを励ましあう温かな時間になりました。そして支援者同士の新たなつながりが生まれました。
これからも、子どもたち・若者たちに寄り添い、日々彼らを支える大人どうしが、共に学び、時には互いに労い合い、励ましあい、成長していく場を作っていきたいと思います。
親を頼れない子どもたちが笑顔で暮らせる社会を目指して!!
サポーターのみなさんとお話をする機会が多いのですが、日々仕事や家庭のこと、地域活動等で忙しいなかでも、できることに精いっぱい取り組む、その熱意と行動力に勇気・元気をいただいています。尊敬できる方との出会いが多いことも、B4Sの活動の魅力です。
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