ニュース・活動報告

巣立ちプロジェクト2021 <第1回 「オンラインツールに慣れる!&コミュニケーション」>@オンライン土①ブランチ
画像:巣立ちプロジェクト第1回活動報告

開催日時・場所:2021/8/28 オンライン
参加者数:高校生23人/ボランティア14人 
テーマ:コミュニケーション
講師:あーみー


来年3月に児童養護施設を退所予定の高校生を対象にした支援プログラム、『巣立ちセミナー』が始まりました。
今年も昨年に続き、実地開催とオンラインの2種類で開催できるように準備を進めてきたのですが、COVID-19の感染拡大に伴い、8月の第1回は、全ブランチをオンラインで開催することになりました。

 

今回のテーマは「オンラインツールに慣れること」と「コミュニケーション」。

本来なら、対面で実施したいテーマではありますが、「オンライン」での挑戦です。

なかなかのチャレンジだと思いましたが、参加者の協力で、順調にプログラムが進みました。

 

◆Zoomに慣れよう!
全体セミナーは10時開始でしたが、社会人ボランティアは、早めに集合。9時半には各ブレークアウトルームへ分かれて高校生の入室を待ちました。

すると、9時半頃から続々と高校生達がログインを始めました。皆、初対面、かつオンラインの参加で少し緊張している様子の中、笑顔で挨拶をしてから、自分のニックネームを決めてもらいました。


ブリッジフォースマイルでは、スタッフ、ボランティア、高校生の参加者全員がニックネームで呼び合います。
ニックネームが決まり、“いよいよ活動がスタートした!”という感じがしてきます。Zoomの「名前の変更」の操作説明をして、無事にニックネームへ変更が完了! その後は、ニックネームの由来についても含めながら、全員が順に自己紹介をしました。

◆シリトリレー
最初はアイスブレーク。シリトリレーをやりました。ブレークアウトルームに分かれてグループで協力し、しりとりをしながら、穴埋めをしてゴールを目指します。

自分の番ではなくても、無意識に皆んなで同時に考えているので、順番の人が選んだ言葉が意外だったり、「これは難しいだろう」と思ったタイミングで出てきた言葉に盛り上がったりました。

休憩を挟み、2回目のシリトリレーは、「自分にまつわる言葉」という縛りが入りました。これが意外と難しく…。みな、なかなか苦戦していました。


◆自分の好きなもの(自己紹介第二弾)
シリトリレーでお互いに慣れてきたかな、というタイミングで、自己紹介第2弾。自分の大切にしているもの(お宝)紹介タイムしました。

 

ある高校生が見せてくれたのは、「コロナで自宅学習が増えた時期に勉強した世界史のノート」。彼の学習の軌跡には目を見張るものがありました。また、本当に歴史に興味があるのだろうな、というのが伝わって来る紹介でした。

「好きなスポーツのボール」を大切にしている高校生は、2人いました。1人が見せてくれたら、もう1人も「実は自分も…」ともってきてくれたのが、小さなときに買ってもらったボール。きっと白かったであろうサッカーボールが、金色になっているところにも、その美しさを感じました。

 

大切にしているものについてのエピソードを聞いたり、質問したりしながら、お互いを少しずつ詳しく知っていくことができました。

 

ここでランチタイム。Zoomの画面は切らずに、そのまま退席して、それぞれがお昼休みになりました。


◆YES/NOゲーム!

ランチ後は、「お昼に食べたもの」をあてるYES/NOゲームからスタートです。

「洋食ですか、和食ですか」というような質問から始まるので、なかなか答えが出てきません(苦笑)。


「和食ですか?」から、「それは、冷奴ですか?」となり、不正解。でも「近い」と言っていたので、「そうめんですか」と聞いたら、みごと正解!
「焼きそばですか?」と聞いたら「違う」とのこと。ならば「ホットドックですか?」と聞いたら「正解!」。

「暑い日なので、そうめんかな?」「子どもが多い施設の食事なので、楽しい感じでホットドックでは?」など、高校生の環境を想像したら、見事に正解に結びつきました。


◆社会に出てからも必要なコミュニケーション

「社会に出て困ること」を聞いたアンケートが紹介された後に、「新社会人に求められるものは何か?」という問いが投げられました。

高校生から出てきた答えは、性格・人格・謙虚さ・学ぶ姿勢・挨拶などなど。

「答えが何か」を当てるというよりは、大切だと思うことを一人ひとりが言葉にしながら、みんなで「それ大事だよね」「それも大事だよね」と列挙することを大事にする時間となりました。

 

グループで話し合った後は、全体でのシェアタイム。

どのグループの発表のなかにも、「挨拶」などのコミュニケーションに関連する意見が出ていました。コミュニケーションは大切なのだと実感が湧いたのではないかと思います。


次に、職場で大切なコミュニケーションとして紹介されたのは「ホウレンソウ」です。

事例として、やる気はあるのに新しい部署でうまくいかないもどかしさを、「仕事を辞めたい」という言葉で周囲に漏らしたら、言葉だけがそのまま伝わり、仕事を辞めて社員寮も出なければいけなくなった、というエピソードの紹介がありました。

そして、この事例に対して、「何がいけなかったのか」「どのようにしたら良かったのか」をグループで真剣に意見交換をして、報告・連絡・相談の大切さを学びました。


◆体操
オンラインセミナーはずっと画面をみていることもあり、体が強ばります。
ここで、「身体を気持ちよく伸ばしましょう〜!」と、ストレッチ中心の体操の時間がありました。


大人も高校生も、リフレッシュできたのではないかと思うのですが…実は、この時間の担当は私で、数日前からとても緊張していました。「リフレッシュできたよね? できていたら嬉しいなあ~」という心境です。無事に大役を果たせていたら良いなと思っています!


◆社会人の先輩の話(社会人1年目で気をつけたこと)
新社会人に近いサポーター2人から、自身の社会人になってからの体験紹介がありました。

職場でのコミュニケーションでは、上司や先輩など皆忙しいので、「○○の件で、何分くらい相談させてください」と声をかけたほうが、心の準備ができて相手が話を聞きやすい、という話は社会人ボランティアにとっても、役立つアドバイスだったと思います。

 

◆伝言ゲーム
代表の高校生が、「不思議な絵」を見て、グループのメンバーにどんな絵だったかを説明し、メンバーがその絵を想像して描くワークです。

この頃には、みな打ち解けてきていて、「誰が絵を見てきてくれかな?」と呼びかけると、「じゃあ自分が行ってきます」と自主的に手を挙げて引き受けてくれました。

覚えてきた絵を言葉で伝えるという難しいワークです。しかも「妖怪が片手にお茶を持っている」というような実在しない絵もあり、とても大変でした。でも、ポイントを得た絵を描く人も現れ、なかなか盛り上がりました。

 

◆振り返りの時間
最後は、1日を通した振り返り。わからなかったことがある高校生からは質問に対して、ボランティアが答えたり、進路面での不安ごとを聞いたりする時間です。

「社会人に聞きたいことがあれば、何でもいいよ」と呼びかけてみたら、高校生から「結婚していますか。結婚はタイミングと聞きましたが、そうなのですか?」という質問が! 既婚者のサポーターによる体験談が始まり、結婚に至る馴れ初めや心境を聞くこととなりました。いきなりの結婚談義となりましたが、「結婚に至る過程は人それぞれ。必ずしも、タイミングだけではないよ」ということが、高校生に伝わるといいなあと思いました。

 

その後、高校生たちから、「自分は大学に通いたい」「何学部や教員免許を目指したい」とか、「寮がある学校や就職先を探している」など、自分のことを教えてくれる時間となり、大分打ち解けた感じになりました。

高校生同士も1日を一緒に過ごして、話が合いそうとか、好きな科目や進みたい学部が似ているなど、仲良くもっと話がしたそうな様子も見えました。

 

午前10時から15時半まで、盛りだくさんな1日でしたが、高校生にとって、楽しく学べた充実の時間になったのではないかと思います。最初は遠慮がちだった高校生が、徐々に慣れ、意見を言ったり、役割を引き受けてくれたりと積極的に関わってくれるようになりました。これからも毎回のセミナーを楽しみにして、参加してくれたら嬉しいです。


(ボランティア:なこさん)

Bridge for Smile

認定NPO法人ブリッジフォースマイルのホームページへようこそ!

私たちは、児童養護施設や里親家庭などで暮らす、親を頼れない子どもたちの巣立ち支援をしているNPOです。
ご関心に合わせ、以下から知りたい項目をお選びください。