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バクスター株式会社「医薬品や医療機器などを提供し、患者さんの生命を守っている会社でお仕事体験!」【ジョブプラクティス】
画像:ジョブプラクティス:バクスター2021年8月開催

日時:2021年8月10日(火) 13:00~16:00 (オンラインで実施)

子どもの参加人数:7人

 

バクスター株式会社は、腎不全、輸液、麻酔、疼痛管理の領域に特化した世界的なヘルスケアカンパニーである「米バクスターインターナショナルインク」の日本法人です。医薬品、医療機器を中心とした医療サービスを患者さんや医療現場に提供しています。

ジョブプラクティスの開催は、今回で3回目。「お医者さん」「看護師さん」以外にも人の生命を守る医療業界のお仕事があることを、子どもたちに伝えるプログラムを提供していただきました。実験やクイズなど、子どもたちが楽しみながら、知識も得られる工夫が満載でした。

 

■参加した子どもたちの興味は?

開始時間になると、子どもたちが続々とオンラインに参加。参加者は、小学校4年生から高校2年生まで7人です。まずは、ひとりずつ自己紹介と、参加した理由を話しました。

「実験が大好き」「実験がやりたかった」という実験派と、「医療や薬のことに興味があったから」「将来医療の仕事に就きたいから」と仕事興味派がいました。これから使う実験キットは、事前に子どもたちの手元に送られていたので、きっとこの時間をワクワクして待っていたことでしょう。

 

■バクスターってどんな会社なの?

最初のプログラムは、バクスターの会社紹介です。

医薬品や医療機器の会社といっても、最初は理解できなかった子どもたちも、クイズに答えていくなかで、だんだんイメージが湧いてきました。

 

「バクスターは何歳だと思いますか?」

「世界に何カ国あると思いますか?」

「どんな人を助けると思いますか?」

バクスターは、約100年の歴史がある、世界100カ国にある会社だったのです。そして、会社には、研究開発や工場、マーケティング、そしてそれらを支える事務や技術の仕事などいろいろな役割の人が働いていて、みんなで力を合わせて、患者さんの生命を守る仕事をしていることを理解することができました。

 

■夢をもって一歩踏み出すのが大切と社長からのメッセージ

次は「社長と話そう」のコーナー。バクスター社長のダニー・リスバーグさんが自らオンラインに参加、子どもたちと直接対話をしてくださいました。

アメリカのカリフォルニアで育った子どものころの写真や犬が大好きなこと、15歳で初めて小さな会社を作ったという体験などをクイズ形式で紹介。普段なかなか接することができない、会社の社長が子どもたちにとっても親しみやすい存在に感じられたのではないでしょうか。

「夢をもって一歩踏み出すことが重要、あきらめないで勉強を続けて」と温かいメッセージを送ってくださいました。

 

■病気と医療機器について学ぼう

バクスターでは、いろいろな職種の人がそれぞれの役割で働いています。

どんな仕事があって、どんな専門知識が必要なのでしょうか?

 

最初に登場したのは、クリニカルコーディネーターの方。

看護師の資格をもち、医師や看護師など医療現場と患者さんの間で、それぞれの困っていることなどをサポートする仕事をしています。専門知識を生かしたクイズで、腎臓の役割や腎臓の病気について説明をしてくれました。

腎臓が病気で働かなくなってしまったときの透析という治療には「血液透析」と「腹膜透析」の2種類があるなど、専門的なお話にも、子どもたちはしっかり耳を傾けていました。

 

次に登場したのは、カスタマーサービス部の方。

文系の大学を出て、ファストフードの店長経験者です。理系の専門職でなくても生命を守るために活躍できることを知ることができました。

患者さんがより安全に安心して治療を受けられるように、滞りなく医薬品が届くようにと、さまざまなサポートを直接患者さんと電話でコミュニケーションを取って行っています。

子どもを患者さん役に、電話応対のデモンストレーションも実施してくれました。明るく親しみやすい語り口、的確な説明が印象的でした。

 

■実験を通して、腎臓病治療の仕組みを学んだ

最後は、待ちに待った実験です。

実は、オンラインが始まってすぐに、こんな準備をしていました。

①実験キットに入っていた2枚のジップロックに、きゅうりを砕いて入れる

②それぞれに10グラムと20グラムの塩と少量の水を入れる

③袋の上からもんでそのまま、置いておく

もし、きゅうりがなければ、他の野菜でもOKとのことでした。

 

そして、実験は、2つの袋を比べることからスタートです。

20グラムの塩を入れた袋の方が、10グラムの袋よりも水の量が多くなっていました。

これは浸透圧の違いによるものだという説明がありました。そして、実はバクスターが提供している腹膜透析もこの浸透圧の力を利用したもので、腎臓が働かなくなって身体のなかの不要なものや水分を出せなくなってしまった患者さんの治療に原理が生かされていることも説明していただきました。

 

次は、災害時に汚れた水をきれいにする浄水器とオレンジジュースを使っての実験。浄水器を通過したオレンジジュースをコップに入れ、元のオレンジジュースと、色や味や匂いを比較したところ…「色は違っているのに、匂いは変わらない」という結果が!

これは粒子の大きさによって、フィルターを通過できるものとできないものがあるという「ろ過」の実験でした。そして、この「ろ過」の仕組みが、腎臓が働かなくなったときの血液透析治療にも生かされているのです。

 

これらの実験を通して、腎臓病治療に使われている科学の基本原理が身近な生活のなかでも、確認できることを学びました。

 

■実験を通して医療業界への興味がますます湧いてきた

クイズや実験で充実した時間を過ごした子どもたちからの感想は

「人工透析の仕組みやろ過の仕組みを学ぶことができて楽しかったです」

「医療への興味が大きくなりました」

「お仕事についても知ることができてよかったです」など。

自己紹介のときに語った目的を、達成できて、満足そうでした。

 

医療現場の様子が、ニュースで放映されることが多いなか、子どもたちの医療の仕事への興味は、これまでになく高まっているようです。今回のジョブプラクティスでは、医師や看護師など病院で働く以外にも、患者さんの生命を守る仕事があるということを具体的に学ぶことができました。将来の職業選択の幅が広がる体験ができたと思います。

そして、何よりも、会社のなかでいろいろな役割の人たちが、力を合わせて目標に向かって仕事をしている姿から、働くことへの前向きなイメージを受け取ることができたはずです。

 

社長はじめ、子どもたちのために素敵なプログラムを企画して実施してくださったバクスターの社員のみなさま、どうもありがとうございました。

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