ニュース・活動報告

100円未満の“端数”から始まる富士フイルムビジネスイノベーションの社会貢献

ブリッジフォースマイルは、富士フイルムビジネスイノベーション社員によるボランティア団体「端数倶楽部」からご支援をいただきました。

希望する社員の給与から「100円未満の“端数”を天引きして社会のために使う」というこの仕組みは30年以上続き、社会にポジティブな影響を与えてきました。

なぜ、これほど長く続いているのでしょうか。富士フイルムビジネスイノベーション株式会社のサステナビリティ推進部で端数倶楽部事務局を担当している、尾崎さんにお話を伺いました。

 

35年前に有志の社員から始まった

 

— 端数倶楽部とは、どういった取り組みですか?

給与の100円未満の「端数」を会費として拠出し、寄付とボランティアに活用す取り組みです。

端数+一口100円から99口までを追加でき、例えば端数が23円で、一口分を申し込んでいる場合、123円をお給料から天引きします。

現在、会員は約3,000名ほどいて、退職者の方も年会費の形式で会員になることができます。

 

— いつから始まったのでしょうか?

1991年からなので、35年前ですね。

前年の1990年に、当時の富士ゼロックスは日本で初めてとなるボランティア休暇制度「ソーシャルサービス制度」を社員一人ひとりを尊重するという考えのもと、社員の多様な働き方をサポートするために制定しました。

当時、社会との関わりを重視していく企業風土があり、社長は「複眼的に世の中を見る」「会社人間にならない」といった社員像を求めていました。

社会とつながることにより従業員が成長していき、結果的に会社にも良い影響をもたらすという考え方ですね。そうした土壌のなか、端数倶楽部は当時の有志の社員が自主的に設立したと聞いております。

 

業務時間外であっても共感を呼ぶ活動

— どのように運営されているのですか?

端数倶楽部の会員から構成される、約20名の運営委員が中心となっています。

どこに寄付をするか、どういったボランティア活動をするか、といった候補を会員から募集しています。

年に2回、寄付先を募集する期間がありまして、例えばブリッジフォースマイルを推薦した会員がいたように、社員自身が関わっていて、かつ端数倶楽部の活動のコンセプトに合っている団体が対象です。

さらに決算資料や事業計画などを拝見し、健全な活動をしているか確認させていただいた上で、運営委員会で最終決定をしています。

 

— 端数倶楽部のコンセプトに合っている、というのはどの領域になるのですか?

自然環境保護、社会福祉、国際支援・文化教育、災害支援、地域創生などです。

 

— ブリッジフォースマイルを選んでいただいた理由は何でしょうか?

推薦者である端数倶楽部会員の社員がブリッジフォースマイルのボランティアとして10年以上活動されていると推薦文に記載がありまして。

ブリッジフォースマイルは弊社の労働組合と、職業体験のイベントもされていて、今後、端数倶楽部とも一緒に活動できる可能性があるといった意見も出ていました。

そのうえで、社会的養護を必要とする子どもたちへの支援は、当社の中でも大切にしている「人の成長を支えていく」ことと親和性があると感じました。

 

 

富士フィルムビジネスイノベーション横浜みなとみらい事業所でのイベントの様子

 

— 端数倶楽部は有志の社員が中心とのことですが、会社側もサポートされているのですか?

会社側は、社会貢献担当部門に事務局をおき、倶楽部全体の運営に関わる庶務、経理、その他必要な業務を執り行っています。

また端数倶楽部の活動は原則、業務時間外で、皆さんの活動は就業後やお昼休み、土日となります。業務時間外の活動ですが、PC、複合機や会議室の使用も可能となっています。

 

— 端数倶楽部の活動は、業務時間外なんですね!

はい。それでも皆さん積極的に参加されているんです。

 

— 活動は人事評価と関わるのでしょうか?

評価との関わりはありません。
業務とは別で、完全に自主的な活動ですね。

 

— それはすごいですね。参加社員を集めるために、どんな工夫をされていますか?

入社時の説明会のほか、社内向けのイントラやメールで情報発信をしたり、お昼休みにオンラインで活動報告会を実施したりしています。

例えば端数倶楽部は20年前にカンボジアで小学校を建設して、その後も関わりを持ち続けているのですが、動画で子どもたちの笑顔を見たことをきっかけに入会された方もいました。

また、社員の家族が職場見学に来られるファミリーデーにも出展しています。端数倶楽部の存在を、継続的に伝えていくことは大切だと思っています。

 

他に代えがたい体験を得られた

— 新入社員の方々も参加されていますか?

はい。ここ数年で新しく端数倶楽部に参加してくださっている若手社員から、「入ってみてよかった」「このような活動があることも、富士フイルムを選んだ理由の一つになりました」といった声をききます。

学生時代に社会貢献活動をしていた方も多いですね。「先輩から話をきき、会社を誇らしく感じて参加したいと思った」という意見もあり、会社へのエンゲージメントにも影響していると感じます。

端数倶楽部に入って活動すると、部署や年代の違う社員、退職された大先輩などとの交流も広がります。こうした新しい人間関係を通して、仕事以外でも、会社とよりつながっていくと思います。

 

 

— 尾崎さんにとって、すごく印象に残っている活動はありますか。

実は、会員の立場としてカンボジアの活動に参加したことがあるんです。

プノンペンから1時間以上離れた場所に、端数倶楽部が建てた小学校があります。当時、教育を受ける場所が充分でないといった事情からアジアの教育支援活動として2004年に建設されました。実際に訪れて、自分の目で現実を見ると感じることも多く、端数倶楽部が20年前から関わってきたという事実が心に沁みました。

私たちはボランティアをしに行くという意識があったのですが、子どもたちの無邪気な笑顔にふれて、逆に私たちが子どもたちからいろんなものを受け取っていると、参加者みんなが感じていました。

彼らがずっと名残惜しく手を振ってくれて、別れがたかったのが印象に残っていますね。他には代えがたい体験です。

やはり会社が主導して、業務の一環として降りてきているものではなく、自主的に運営していき、意思のある方々が集まって、脈々とそのDNAが伝わっているのが、継続の理由だと思います。

会社としても、この素晴らしい活動が今後も発展していけるようにサポートしていきます。

 

 

小学校のブランコの修繕を実施し文具を贈り、子供たちとの交流を図りました

 

続けられる善意のかたち

— 最後に、これからの展望はありますか?

ボランティア活動では、仕事と違った能力が求められるため、自分自身の仕事を通じてでは得られないスキルアップになることもあると思います。また、誰かの役に立ち、社会に貢献できている実感を得られると、自信にもつながります。

もしボランティア活動に参加する時間が取れないとしても、端数の天引きにより「ちょっとだけ良いことをしている」自分でいられるはずです。

そんな満足感もきっと仕事のモチベーションの向上につながると思うので、より多くの従業員に参画していただき、さらに端数倶楽部の活動が活性化していくことを願っています。



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