ニュース・活動報告

巣立ちプロジェクト2020 <第5回「しっかりさんの金銭管理」>@小田原ブランチ
巣立ちプロジェクト2020第5回:セミナーの様子

開催日時・場所:2020/12/13 小田原ブランチ
参加者数:高校生9人/ボランティア8人
テーマ:しっかりさんの金銭管理
講師:ガンバ

 

早いもので、巣立ちセミナーも第5回。今回は小田原ブランチのレポートです!
クリスマスも近いので、会場やお菓子をクリスマス仕様にしたり、スペシャルランチ会、演奏会と特別企画も盛り込んだ楽しい会になりました。

 

5回目ともなると、高校生もボランティアもすっかり打ち解け、開始前の雑談も活発に。「就職決まった!」と嬉しい報告をしてくれた高校生もいました。

 

さて、今回のテーマは「しっかりさんの金銭管理」。施設を出てから、どんなお金がどれくらい必要になるかを学びます。
キーワードは「お金、税金、社会保険」。講師のガンバから、「難しそうに感じるかもしれないけど、細かいことを全部覚える必要はないです。少しでもモヤモヤがなくなってくれるといいなと思っています」と説明があり、セミナーがスタート。
講義とロールプレーやワーク、クイズを組み合わせて理解を定着させていきます。

 

◆給与明細を見てみよう

まずはアイスブレイク。各グループで「お金で工夫していること」を一人ずつコメントします。「バイト代には手をつけない」「何に使ったかを記録する」など色々な工夫が出てきました。
続いて給与明細を見ながら、各項目の意味や正社員とフリーターの違いは?2年目で手取りが減っているのはなぜ?(住民税が発生するからですね)など、税金や社会保険の全体像を学習しました。

 

◆思わぬ出費を想定しよう(ロールプレー)

ここで「児童養護施設出身のA君(退所後に正社員で働き始めたが、現在は退職してフリーター)がスノボで怪我をして入院、手術代で60万円必要になった!」というケースでロールプレー。ナレーター、A君、施設職員のしっかりさんの配役を決め台詞を読んでいきます。
A君は60万円が支払えず、ネット広告で見つけた消費者金融からお金を借ります。その後も次々借りてしまい返済が滞るように。遂にはヤミ金に手を出してしまい、気づいたら負債が300万円!困りかねてしっかりさんに相談に行くというストーリーです。
ここまで読んだところで、A君はどうすべきだったのかグループでディスカッション。
「安易に次々借りるのはよくなかった」
「会社を辞めた時に国民健康保険に加入しておくべきだった」
「そもそも、仕事を辞めなければよかった」
「もっと早く大人に相談すべきだった」
などの意見が出ました。
「宝くじを当てたらよかった」と答える子もいて盛り上がりました。
フリーターになった場合は、自分で社会保険の加入手続きをしないといけないことも学びました。

 

その後、改めて、正社員とフリーターそれぞれで怪我をしたり出産したりした場合にいくら貰えるのか?年金はいくら貰えるのか?をシートに記入して差を確認しました。
数字ではっきり違いが見えたので、「正社員とフリーターで全然違うね。やっぱり正社員がいいね。」という声が聞かれました。

 

◆社会人トーク①(節約術)

ボランティアのセニョーラとけっこうさんに節約術の話をしてもらいました。「水筒持参でペットボトルは買わない」「札入れと小銭入れを分ける」「500円玉貯金」などすぐに実践できそうな術をたくさん教えていただきました。

 

◆スペシャルランチ会

みんなのお楽しみ、クリスマス特別ランチ会です。前回高校生たちに聞いたリクエストで人気の高かったフライドチキン、ピザ、ケーキをボランティアのこもとラーマが手配してくれました。
例年はバイキング形式でしたが、今年は一人分ずつ用意するなど対策をしっかりし、コロナ禍でも楽しいランチになりました。大人たちからは「お腹が苦しい~」という声が多く聞かれましたが、育ち盛りの高校生たちはほとんど完食していました!

 

◆ミッションゲーム

お腹いっぱいの中、午後の部へ。
まずは恒例、眠気覚ましのストレッチ。ボランティアのふくだこが前に出てリードしてくれました!
リフレッシュしたところで、午後最初のワークはミッションゲームです。
まずは、「正社員」「フリーター」「夜間専門学校生」「大学生」から、各自一番近いものを選びます。固定費となる税金や社会保険料、住宅費を記入した後、
「貯金のタイプは?」⇒がっちり/こつこつ/ちょっぴり/明日は明日の風が吹く、
「食事のタイプは?」⇒外食グルメ/コンビニグルメ/そこそこ自炊/きっちに自炊
など、ミッションごとに自分のタイプをカードから選びます。カードの裏に説明とひと月あたりの金額が書いてあるので、金額をシートに記入します。最後はハッピー支出として「友達の結婚式で0~26,000円(貯金の有無により変動)」や、トラブル支出として「虫歯で歯医者を受診で3,000円または10,000円(健康保険の加入の有無で選択)」などよくある臨時支出が書かれているカードを一枚引き、最終的な収支を出します。

 

ほとんどのメンバーが赤字でしたが、黒字だった人からは「貯金ができていたので臨時支出に対応できた」とポイントを共有してもらいました。
その後、「服代はこんなに使わないよ」「デート代に月2万は高すぎる!」など各自節約できるところを削り支出額を再検討しました。

 

◆事例クイズ

2週間で貯金20万円を使い切ってしまった、という実際にあった事例を元に、何に使ったのか?を考えます。「何か買った?」「ゲーセン?」など色々意見は出ましたが…答えは「わからない」でした。欲しいものをいくつか買った、ちょっといいものを食べた、などが塵も積もり20万円になっていたそうです。無駄遣いはしない、支出を把握する、の大切さを改めて学びました。
最後に、仕事を辞めたらいくらかかるのか考えました。収入はなくなるのに、支出は同じようにかかります。会社の寮を出る場合は引っ越し代もかかります。「えー、こんなに必要なんだ。相当貯金が必要だね」と高校生たち。何も考えずに辞めると大変なことになると学びました。

 

◆社会人トーク②(経験談)

ボランティアのしゅがと、はまゆうから、お金にまつわる経験談トーク。
しゅがからは、社会人一年目に、クレジットカードの請求額が給料を上回ってしまったという失敗談を話していただきました。やはり何に使ったかはっきり覚えてなく、把握することの重要性を実感したそうです。また、カードは利用額を把握しづらいため「カード断ちする」という具体的な対策も聞けました。
はまゆうからは、今はお小遣い制なので失敗はないけれどメモをとるようにしている、昔はボーナス払いで使いすぎていた、という話をしていただきました。
大人でも失敗し、失敗から学んでいるというのが高校生にも伝わったのではないでしょうか。

 

◆クリスマス演奏会

同じグループで過ごしたメンバーに感謝を伝えるサンキューカードの交換、高校生とサポータがペアになり不安や悩みを相談するコッコタイムの後、今回は特別に演奏会を開催しました。
ピアノやバイオリンが弾ける高校生とサポーターがクリスマスソングなどを披露し(私も僭越ながら「戦場のメリークリスマス」を弾かせていただきました)クリスマス気分に浸ったところで、第5回セミナーが終了となりました!

 

次回はいよいよ最終回。高校生たちが文字通り巣立っていきます。彼らの自立に向けて少しでも役に立てるよう、最後まで頑張りたいと思います!

 

(ボランティア:ゆきんこ)

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