
ニュース・活動報告
ブリッジフォースマイル(B4S)北海道事務局は、2022年より児童養護施設等で暮らす高校3年生を対象とした一人暮らしの準備に向けた巣立ちセミナーを開始以来、助成金や皆様からの温かいご支援、企業様からのご協賛を賜りながら、道内の親を頼れない子どもたち支援に取り組んでまいりました。
2024年4月からは、改正児童福祉法に基づき開始された北海道の「社会的養護自立支援拠点事業」を受託し、居場所『B4S PORT さっぽろ』を拠点に、相談支援、相互交流の場の提供、専門機関への連携、一時的な住まいの提供などを通して、退所後の若者たちの生活をサポートしてまいりました。おかげさまで、事業開始から1年間で249名の方々にご利用いただくことができました。
しかしながら、この度、2025年度の同事業の受託を目指し申請を行いましたが、誠に残念なことに、選定に至りませんでした。 今回の選定理由につきましては、北海道庁より非公表とされており、道庁が期待する成果、次期事業者の提案内容などを総合的に評価された結果と真摯に受け止めております。
B4Sにとっては、道内での居場所活動や緊急ショートステイを継続することが叶わず、私たちの元に訪れてくれた子どもや若者たちに申し訳ない気持ちです。ただ、私たちは団体として20年間の活動で得たノウハウや、社会人ボランティアの方々と一緒になって、多くの若者たちを孤立から防いできた実績があります。これからも、道内の親を頼れない子どもたちに向けて支援が続けていけるように、今回の経験を今後の活動に生かすべく、私たちなりに選定に至らなかった要因を、以下4点考えました。
1.北海道全域における認知度向上への課題
2022年より札幌市、北広島市の児童養護施設を中心に活動してまいりましたが、道内全域を対象とする本事業においては、1年間でB4Sの活動を十分に広範囲に周知することができませんでした。効果的な情報発信の方法について、北海道という広大な地域に適した方法を模索していきます。
2.関係機関との連携の課題
それぞれの専門性と強みを持つ関係機関との連携が十分ではありませんでした。事業の運営を回すことを優先し、関係機関との信頼関係を構築するための丁寧な情報共有と意見交換に時間を使うことができませんでした。関係機関との連携には、相互理解と信頼関係が不可欠であることを認識し、一層の連携強化に努めます。
3.入所中児童との関係構築の課題
受託事業において「入所中児童への自立支援セミナー」は含まれませんでした。しかしながら、予防的支援の必要性を強く感じているB4Sとしては、これらを独自事業として実施せざるをえず、セミナー費用の一部を施設にご負担いただくことにいたしました。それにより、高校3年生を対象とした自立支援である「巣立ちセミナー」の参加者数が限定的となるなど、B4Sの強みである「セミナーをきっかけに入所中児童との早期からの接点を持ち、継続的な支援につなげる」という点が十分に発揮できませんでした。 また、インケア(入所中から行う予防的支援)の必要性を、行政に理解いただく努力も一層必要であると考えています。
4.札幌市以外で就職・進学する若者への効果的な支援プログラム不在
札幌市は、他事業者が受託し事業を実施していたため、B4Sの拠点が札幌市にあるにもかかわらず、札幌市内の児童養護施設の利用がほぼありませんでした。一方で、札幌市以外の地元で就職や進学をする若者にとって、利用しやすいプログラムが少なく、B4Sとつながるメリットを感じていただけませんでした。
今回の結果は大変残念ではございますが、これまで支援させていただいた若者の意向を尊重し、不利益がないよう、次期事業者への丁寧な引き継ぎを確実に行ってまいります。また、事業を縮小するものの、私たちは、今後も変わらず北海道の地に根差し、親を頼れない若者の自立支援に取り組んでいきます。
B4Sの支援の強みはリービングケアからアフターケアへとつながる継続した支援と、「キャリア」と「つながり」を軸とした予防的支援です。措置中の子どもたちとの早期からの信頼関係構築と、退所後も安心して頼れる関係づくりこそが、社会に出てからの孤立や困難を防ぐ上で重要であることを、20年間の活動経験の中で確信しております。
また、B4Sの特徴として、社会人ボランティアの方々が、若者たちと定期的に会い支援活動を行っている点があります。若者たちの困りごとは気さくな会話の中に潜んでいる事が多く、そこから専門機関への支援につながるケースも少なくありません。北海道という広い地域だからこそ、一人ひとりに寄り添う支援スタイルが必要なのではないかと考えています。
今後も巣立ちセミナーや施設等への出張型自立支援セミナー、個別相談支援などを継続するとともに、他の関係団体との連携をより一層強化し、若者たちの自立を切れ目なく支援できる体制づくりに努めてまいります。
北海道における若者支援の活動を継続していくため、皆様からの継続寄付、単発寄付、ボランティア登録などのご支援、ご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。 今後とも私たちの活動にご理解ご賛同いただき、温かいご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
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