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社会的養護とは
コラム【親代わり1:1社会的養護(施設や里親など)の種類】のアイキャッチ画像

虐待や親の病気などさまざまな理由によって保護者のもとで暮らすことができない、または適切ではない場合、公的な責任のもとで子どもを育てることを社会的養護と言います。社会的養護のもとで育つ子どもは、約4万5,000⼈にのぼります。その約3分の2に当たる3万人近くが児童養護施設で暮らしていますが、社会的養護には、それ以外にもさまざまな形態があります。

 

◆児童養護施設

児童養護施設は、2019年時点で全国に605カ所あり、2~18歳の子ども3万人弱が暮らしています。児童養護施設の多くは戦後、保護者を失った子どものための孤児院として設立されました。「大部屋・大集団での生活」を基本とする施設が中心となってきましたが、近年はできる限り小規模で家庭的な環境が望ましいとされ、小規模化が進行。地域社会の住宅を利用して数人の子どもと職員が生活する「グループホーム」も増えています。

 

◆乳児院

児童養護施設で暮らすには幼すぎる2歳未満の乳幼児は、乳児院に入所します。乳児院は全国に140カ所あり、3,000人前後の乳幼児が保育士や看護師、栄養士などの専門スタッフによって育てられています。育児疲れなどによる短期入所も多く、ほぼ4分の1は6カ月以内に退所します。退所後は親や親族のもとに引き取られるほか、里親への委託や特別養子縁組されるケースもありますが、約2割の子どもは2歳に達した時点で児童養護施設に移ります。

 

◆里親・ファミリーホーム

施設ではなく、里親に委託される子どもたちもいます。1万2,315世帯が里親登録をしており、そのうち4,379世帯が7,104人の子どもを育てています(経験豊かな養育者が事業として5~6人の子どもを家庭で養育するファミリーホームを含みます)。社会的養護はできる限り家庭的な環境で行われるべきだとして、政府は「施設から里親へ」の転換を強力に推進していますが、実親が里親委託に同意しないケースも多いことなどから、なかなか進まないのが現状です。

 

◆自立援助ホーム

さまざまな問題を抱え、自立が容易ではない子どもたちを20歳まで入所させ、日常生活指導や就労支援などを行うのが自立援助ホームで、全国に143カ所あり、500人前後が入所しています。もともとは中卒や高校中退の子どもたちが就労するまでの数か月間安心して生活するための場所でしたが、近年は大学等に進学する子どもが最長22歳まで入所することもできるようになりました。

 

◆母子生活支援施設

18歳未満の子どもを抱え、自立して生活することの難しい母親が、子どもと一緒に暮らせるのが母子生活支援施設で、全国に226か所あり、3,735世帯の母子が生活しています。経済的に困窮した母子家庭を保護する施設として出発したものですが、近年はドメスティック・バイオレンス(DV)から逃れるための一時保護施設として利用されるケースも増えています。

 

◆児童自立支援施設

児童自立支援施設は、犯罪などの不良行為をした子どもや、こうした行為をするおそれのある子どもの自立を支援する施設で、全国に58カ所あり、1,400人程度が入所しています(通所を含みます)。多くは児童相談所の措置による入所ですが、少年法に基づく審判の結果、送致されることもあります。学校教育は一般の学校ではなく、施設内の分校などで行われます。

 

◆児童心理治療施設 

児童心理治療施設は、心理的な問題を抱え生活に支障をきたしている子どもに、生活しながら治療を行う施設です。、全国に50カ所あり、約1,400人が入所しています(通所を含みます)が、東京都には1か所もありません。入所者は被虐待経験者が年々増え、近年では全体の8割以上にのぼります。2年程度までの期間で家庭復帰や、里親・児童養護施設での養育につなぐことが役割とされていますが、抱える問題が深刻なため、入所期間が5~6年に及ぶ例もあります。

 

施設等種類別の入所児童数と施設数

社会的養育の推進に向けて(令和2年10月 厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課)※

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