ご存知ですか!? 出張セミナー[事務局スタッフコラム]

私がB4Sに入職したのは2019年の12月なので、そろそろ1年が経とうとしています。
転職活動前までは「自立支援」や「児童養護」とは一切関わりのない仕事で、「世の中には児童養護施設というものがある」くらいのことしか知りませんでした。
そんな私ですが、今は児童養護施設等の職員と連絡を取り合いながら、施設の要望やそこで暮らす子どもたちについて、あれこれ考える日々を送っています。

私が所属する「施設コミュニケーションチーム」では、施設や子どもたちが抱えるニーズ・課題を施設職員さんたちと共有して、B4Sが行える支援やプログラムを提案したり、セミナー企画を行ったりしています。
企画するセミナーの多くは、「出張セミナー」というもので、B4Sスタッフやサポーターが直接施設に行って、子どもたちの生活の場でセミナーを行います。出張セミナーはB4Sの数あるプログラムのなかでも、唯一施設で実施するプログラムです。だから、子どもたちの「素」の姿を垣間見ることができます。
昨年は、「キャリア」「金銭管理」「コミュニケーション」といったテーマで、一都三県を中心に約130回、延べ1,142人の中高生に対してセミナーを実施しました。

私が初めてセミナーにスタッフとして参加した時は、まさに未知の体験でした。そもそも、児童養護施設がどんなところかもほとんど分からなかったので、セミナーが学級崩壊的な状況になったりすることもあるのではないかと身構えていました。実際は、良い意味で裏切られたというか、学級崩壊的な洗礼は受けずに済みましたが(笑)。

その時は、ネットコミュニケーションについてのセミナーだったのですが、中高生たちがネットリスクについて意見を出し合って話し合ったり、ボードゲームを通してSNS・ネットトラブルの知識を学んだり、知らない大人に緊張しながらもセミナーを楽しんでくれている様子でした。また、セミナーが終わった後も、数人の子どもが残って講師に相談や身の上話をしたりしていました。
今振り返ってみると、あの時は児童養護施設やそこで暮らす子どもについて、よく分からない先入観があったのだなあと我ながら思います。

一方で、セミナーを途中で抜け出す子どもも、やっぱりいたりします。
最近の出来事ですが、ある施設の出張セミナーで、中学1年くらいの男子がセミナー開始後すぐに机に突っ伏してずっと顔を上げないでいました。周りの職員や大人が彼に声をかけたりしていましたが、とうとう休み時間の時に会場から出て戻って来なくなってしまいました。そして、同じテーブルにいた女子中高生も、男子がいなくなった後に1人で大人たちとセミナーを受けることに居づらさを感じたのか、同じく休み時間中に部屋を退出してしまいました。

その時は、いろいろ反省すべき点がありつつも、子どもたちに最後までセミナーに参加して、得た知識や視点・スキルを今後の生活に役立ててほしかったなあという思いを持ちました。そんな私に対し、先輩事務局スタッフが、「普段外部のセミナーになかなか参加しない子が、途中で退出したとしても、顔を出してくれたこと、そして、知らない大人と一言二言でも言葉を交わしてくれたこと。そういうことだけでも、その子にとっては、十分に一歩前進なのだよ」という話をしてくれました。

それを聞いた時は、「そんなポジティブな発想もあるものなのか」と新鮮な驚きがありました。しかし今は、多くのセミナーに参加し、職員さんや子どもたちの様子を知るうちに、セミナーの内容から何かしらの学び得ることだけでなく、セミナーに参加すること自体をきっかけに、子どもたちが何かに気付いたり、行動が変わったりするきっかけになれば、それも成功と呼んでも良いのではないかと思えるようにもなっています。

毎年数回の出張セミナーを実施させていただいている施設では、そこにいる子どもたちとだんだん顔なじみになっていくこともあります。毎回会うたびに、徐々に自分の考えていることを話してくれるようになったり、いろいろな表情を見せてくれるようになったりすることは楽しみでもあります。

また、B4Sには多くのプログラムがあるので、他のプログラムで見せる顔とは違う一面を見せてくれることもあります。子どもたちが暮らす場で実施するからこその楽しさかもしれません。いずれにせよ、子どもたちのなかで何かのきっかけや気付きになれるように、これからもゆるく長くつながっていきたいと思います。

(施設コミュニケーションチーム所属 サンボ)


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