【プレスリリース】全国初の児童養護施設退所者のトラッキング調査を開始しました

 

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NPO法人ブリッジフォースマイルは、
全国初の児童養護施設退所者のトラッキング調査を開始しました。
今後10年にわたり、状況の変化を追跡していきます。
虐待等を背景に親を頼れないまま施設を退所する子どもたち。
初回の調査報告書から見えたのは、高校卒業後の
中退率および離職率がいずれも全国平均より大幅に高いこと。
現況不明の退所者は14%(退所後3年3カ月)となり
支援が必要な人ほど連絡がとれないアフターケアの難しさでした。

 

 ( 47都道府県の628施設に向け実施。有効回答数146施設 回答率23% )
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■進学環境は改善している一方、入学から1年3カ月で14.8%が中退
施設ごとの進路指導の方針に大きな差がみられる
高校卒業後に進学した子ども達の進路について、施設職員にアンケートを実施しました。給付型奨学金制度の拡充などもあり、進学率はこの3年間40%を超えていますが、大学への進学率には変化がなく、専門学校への進学が増えています。中退率は依然として高く、入学から1年3カ月で14.8%が中退しています。専門学校の中退率が大学と比べて高いのも特徴です。中退後に正社員・正規公務員で就労している人は16.3%に留まり、中退が不安定な生活につながりやすいことを念頭においた進路指導が欠かせません。
進路選択の傾向は、施設による違いが大きく、この5年間で10人以上の高校卒業者がいる99施設を分析したところ、大学等への進学率は施設によって0%から80%まで大きな差がありました。

 

■就職後わずか3カ月で10.7%、1年3カ月で30.8%が離職
高校卒業後に就職した施設生活経験者の8割は正社員・正規公務員として就労しています。しかし、就職後わずか3カ月で10.7%、1年3カ月後には30.8%、3年3カ月後には61.1%が離職しています。これは、厚生労働省の調査による高校卒業者の離職率(1年目16.8%、3年目39.2%)と比べて大幅に高くなっています。就職してから年数が経つにつれ正社員・正規公務員の割合が下がっており、就労経験の浅い状態での離職は、不安定な就労環境につながりやすいことが伺えます。

 

■施設生活経験者の40%がなにかしらの問題傾向を抱えていた
満18歳の3月末(原則、施設を退所する時期にあたる)における、施設経験者の問題傾向を分析しました。施設職員がなにかしらの問題傾向があると認識していた人は、40%に上りました。大学等進学者の卒業者と中退者を比較すると「社会性欠如」の項目において「問題があった」とされる卒業者は23.2%である一方、中退者は52.0%という結果でした。
また、生活保護非受給者と受給者を比較すると「精神疾患」の項目において「問題があった」とされる非受給者は22.1%である一方、受給者は71.7%という結果でした。問題を抱えたまま退所した人ほど、中退や生活保護に至りやすいと言えます。メンタル面で課題を抱えている人への支援は高い支援スキルや長期間の関わりが必要となる傾向があり、支援体制の整備が急務です。

 

■施設が現況を把握できていない退所者は14%。支援を必要とするはずの退所者と関係が切れている
退所者の現況は施設を出て年数が経つほど把握しづらくなり、退所後3年3カ月で14.2%の人の現況が分からない状態です。高校卒業後の進路が「無職・その他」の場合、37.0%の人の現況が把握できずにいます。
また、進学者のうち中退者の現在状況「不明」が25.0%に上ることからも、本来支援を必要としているはずの人が、施設とつながることができず、関係が途絶えてしまっていることが伺われます。
退所者との関係を維持するためには、日頃から連絡を取ったり、困ったときに力強くサポートできる環境を整えたりすることが求められます。より困難な状況にある人に対する支援には、人員や予算の確保が欠かせません。

 

本調査は、全国初の児童養護施設退所者のトラッキング調査です。退所者一人ひとりの状況を追跡できるよう、1年に1度、今後10年にわたり調査を続けます。


【全国児童養護施設 退所者トラッキング調査2020】

調査実施者:特定非営利活動法人ブリッジフォースマイル
調査対象:全国の児童養護施設/628件
調査時期:2020年6月16日(火)~8月6日(木)
調査方法:Web回答、または郵送回答(児童養護施設ごとに自由選択)
有効回答数:児童養護施設数 146件(有効回答率 23%)/ 退所者数 2,560人
調査目的:

全国の児童養護施設を退所した人の進学や就労の状況、施設の自立支援の現状などを把握し、自立に向けた支援の課題を明らかにすること

主な調査内容:

退所年や高校卒業の有無とその後の進路について、「退所時」もしくは「18歳の3月末時点」と、「現在」における状況の調査(住まい、就労状況、施設と本人とのコミュニケーション手段や頻度など)
退所者一人ひとりの状況を、1年に1度、10年間継続して調べるトラッキング調査
次年度以降は前年に登録した退所者については「現在」の状況のみの回答を回収する予定


※本件へのお問い合わせ・取材のお申し込みは、お問い合わせフォームからお願いします。

今年3月中頃に入職して7カ月ほどが経ち、未だにいろいろなことに悪戦苦闘してる中、
こうして筆を執ることになり、少しでもブリッジフォースマイルの活動内容が伝わるといいなーと思っています。

 

まず私の話をしてみますと、前職ではファッション関係のデザインや生産を担当しており、児童養護関連とは縁遠いものでした。
仕事をしていく中で、ある出来事から福祉に興味を持ち、働きながら福祉の専門学校に通い、同時期に障害者の方々とのアート作成プログラムなどを行うNPO法人でボランティアも始めていきました。
今もこのボランティアは続けています。

 

ブリッジフォースマイル(以下B4S)を選んだ理由は、既存の福祉だけではなく、一般企業の考え方やセンス、一般企業を巻き込む力と福祉の必要性のミックスした新しい福祉の考え方だと感じたこと。ワクワク&ドキドキしながら入職をしたという経緯です。

 

しかし、入職して5日目には「コロナ」の影響での東京都からの自粛要請に伴い、自宅待機にて業務がオンラインのみとなり、そばに人がいない状態になりました。
質問も回答も業務連絡もオンライン上が主になり、孤独と不安の日々…
使ったことの無いシステムを使わなければならず、困ることも多く、足手まといなのではと考える事も多かったです。
そんな中でも先輩職員からの「どう?」「慌てないでゆっくりでいいから」などの言葉で、少しずつでもいいから業務を覚えようと思えるようになりました。

 

ボランティアで関わっているNPOはアナログ感満載の「ゆるり」という表現がぴったりの活動だったのですが、B4Sは全く違い、業務量もスピード感も桁違い。パソコン業務がメインで、kintoneやSalesforce、SNSやMessengerなどあらゆるツールを用いて作業を行っていて、現代社会を感じ得ずにはいられませんでした!!

 

これが新しい福祉の形なんだなーという感想と、「ついていくのに必死」という言葉しか見当たりません(未だに必死です…)

 

今は「施設コミュニケーション」というチームに配属され、児童養護施設や自立援助ホーム等の施設や里親さんの窓口担当です。児童の自立支援を行う金銭管理や進路相談、就活セミナー、退所後の自立に向けたセミナーなどのプログラム利用を案内したり、施設側からの相談で個別対応が必要な児童がいれば別部署の専門支援チームに繋いだりしています。

 

自立支援プログラムとして施設に直接伺って行う「出張セミナー」、各施設の児童に集まってもらい行う「集合型セミナー」などをオンラインやオフラインで毎月行っています。

 

この半年ちょっとの間に私が関わったセミナーだけで出張セミナー11回、集合型セミナー5回、巣立ちセミナー6回。その他にジョブプラやインターンなども行い、延べ200人ほどの児童に関わってきました。
しかし、施設コミュニケーションチームは全部で5人しかいません。
一都三県の施設の数は240以上あります。このすべてがプログラム参加してくれているわけではありませんが、セミナーを運営する裏方の仕事だけでいっぱいいっぱいな時もあります。
運営にはサポーターと呼ばれるボランティアさんのお力が必要となります。
参加する児童にとって、施設外の大人と接し、いろいろな経験をしているサポーターさんから刺激を受ける機会にもなっています。
大人と話すことを楽しみにしてくれている子もいます。サポーターさんの数が増えるほど、子どもたちが多種多様な大人と知り合う機会が必然的に増えると思っています。

 

「私たちと一緒に児童の笑顔を増やしてみませんか?」とこれを読んでくれている方々に直接言いたい気持ちです(笑)

 

それでは、今夜も出張セミナーがあるので、私はこの辺で失礼します。

私がB4Sに入職したのは2019年の12月なので、そろそろ1年が経とうとしています。
転職活動前までは「自立支援」や「児童養護」とは一切関わりのない仕事で、「世の中には児童養護施設というものがある」くらいのことしか知りませんでした。
そんな私ですが、今は児童養護施設等の職員と連絡を取り合いながら、施設の要望やそこで暮らす子どもたちについて、あれこれ考える日々を送っています。

 

私が所属する「施設コミュニケーションチーム」では、施設や子どもたちが抱えるニーズ・課題を施設職員さんたちと共有して、B4Sが行える支援やプログラムを提案したり、セミナー企画を行ったりしています。
企画するセミナーの多くは、「出張セミナー」というもので、B4Sスタッフやサポーターが直接施設に行って、子どもたちの生活の場でセミナーを行います。出張セミナーはB4Sの数あるプログラムのなかでも、唯一施設で実施するプログラムです。だから、子どもたちの「素」の姿を垣間見ることができます。
昨年は、「キャリア」「金銭管理」「コミュニケーション」といったテーマで、一都三県を中心に約130回、延べ1,142人の中高生に対してセミナーを実施しました。

 

私が初めてセミナーにスタッフとして参加した時は、まさに未知の体験でした。そもそも、児童養護施設がどんなところかもほとんど分からなかったので、セミナーが学級崩壊的な状況になったりすることもあるのではないかと身構えていました。実際は、良い意味で裏切られたというか、学級崩壊的な洗礼は受けずに済みましたが(笑)。

 

その時は、ネットコミュニケーションについてのセミナーだったのですが、中高生たちがネットリスクについて意見を出し合って話し合ったり、ボードゲームを通してSNS・ネットトラブルの知識を学んだり、知らない大人に緊張しながらもセミナーを楽しんでくれている様子でした。また、セミナーが終わった後も、数人の子どもが残って講師に相談や身の上話をしたりしていました。
今振り返ってみると、あの時は児童養護施設やそこで暮らす子どもについて、よく分からない先入観があったのだなあと我ながら思います。

 

一方で、セミナーを途中で抜け出す子どもも、やっぱりいたりします。
最近の出来事ですが、ある施設の出張セミナーで、中学1年くらいの男子がセミナー開始後すぐに机に突っ伏してずっと顔を上げないでいました。周りの職員や大人が彼に声をかけたりしていましたが、とうとう休み時間の時に会場から出て戻って来なくなってしまいました。そして、同じテーブルにいた女子中高生も、男子がいなくなった後に1人で大人たちとセミナーを受けることに居づらさを感じたのか、同じく休み時間中に部屋を退出してしまいました。

 

その時は、いろいろ反省すべき点がありつつも、子どもたちに最後までセミナーに参加して、得た知識や視点・スキルを今後の生活に役立ててほしかったなあという思いを持ちました。そんな私に対し、先輩事務局スタッフが、「普段外部のセミナーになかなか参加しない子が、途中で退出したとしても、顔を出してくれたこと、そして、知らない大人と一言二言でも言葉を交わしてくれたこと。そういうことだけでも、その子にとっては、十分に一歩前進なのだよ」という話をしてくれました。

それを聞いた時は、「そんなポジティブな発想もあるものなのか」と新鮮な驚きがありました。しかし今は、多くのセミナーに参加し、職員さんや子どもたちの様子を知るうちに、セミナーの内容から何かしらの学び得ることだけでなく、セミナーに参加すること自体をきっかけに、子どもたちが何かに気付いたり、行動が変わったりするきっかけになれば、それも成功と呼んでも良いのではないかと思えるようにもなっています。

 

毎年数回の出張セミナーを実施させていただいている施設では、そこにいる子どもたちとだんだん顔なじみになっていくこともあります。毎回会うたびに、徐々に自分の考えていることを話してくれるようになったり、いろいろな表情を見せてくれるようになったりすることは楽しみでもあります。

 

また、B4Sには多くのプログラムがあるので、他のプログラムで見せる顔とは違う一面を見せてくれることもあります。子どもたちが暮らす場で実施するからこその楽しさかもしれません。いずれにせよ、子どもたちのなかで何かのきっかけや気付きになれるように、これからもゆるく長くつながっていきたいと思います。

大学・専門学校でIT系分野を専門に学ぶ児童養護施設出身の若者たちを、就活サポート面談と奨学金で応援する「キャリア支援プロジェクト」に参加の「ばっは」の就活サポート面談レポートをお届けします。
就活サポート面談は、3人の社員の方によるマンツーマンで実施されました(各1時間)。


<就労サポート面談の内容>

「プログラミングを組むコツ」「持っておいたほうがいい資格」についてお聞きしました。
「好きなことをもっと伸ばしたほうがいい」というアドバイスもいただきました。
 

<就労サポートから感じたこと>

ネットで調べておくことも大切だが、実際に仕事をしている人から聞くのでは全然違いました。
 

今回の経験を、今後どのように生かしていきたいか?>

今回、たくさんの人から話しを聞いて、資格を取ると好きなことを伸ばしていくというアドバイスをもらいました。
この2つを大学生のうちにできるよう、今後頑張っていきたいです。

※本プロジェクトは、日本オラクル株式会社とブリッジフォースマイルの協働プログラムです。

開催日時・場所:2020/10/18 オンラインブランチ(日曜)
参加者数:高校生23人/ボランティア20人
テーマ:知っててほしいコミュニケーション&性教育
講師:マイケル

 

児童養護施設等から社会へ巣立つ高校3年生向けの全6回セミナー、第3回が開催されました。テーマは、前半が「コミュニケーション」後半が「性教育」です。

 

今年はコロナの影響を受け、巣立ち史上初の試みであるオンラインでもセミナーを実施しています。そこで今回は、オンラインで行われたセミナーの様子をお届けします!


今年度はオンラインでも開催しています。サポーターは自宅から、高校生は施設から、こんな感じでパソコン越しに参加しています。

 

◆アイスブレイク

グループに分かれて、ブレイクアウトルームでテーマを絞らず自己紹介。
3回目ということもあり、高校生も大人も徐々に慣れてきた様子がうかがえました。テーマも決まってないため、趣味や好きなことなどを高校生に聞くと、とてもうれしそうに話してくれました。

 

その後全員の部屋に戻り、前回同様コミュニケーションスキルの基本「オアシス」についての確認。高校生2人を指名しその子が「オアシスの”お”」と言ったら全員で答えるスタイルです。

 

「オアシスの”お”」・・・「おはようございます」 大人も子どももチラホラ様子をうかがいながら答えていました。Zoomなので声を合わせるのも難しく遅延が発生してしまいますが、元気に答えてくれている子も何人かいました。 少し和んで笑顔も生まれたところで、今日の本題へと入っていきます。

 

◆コミュニケーション①「共通点探しゲーム」

グループに分かれて、お互いの共通点を探します。見た目で分かる共通点(例:男女・メガネの有無)などはNGです。「ラーメンは何味が好き?」「スマホはiPhone?」「漫画と小説、どっちが好き?」「NIKEとMARVELどっちが好き?」と、現代っ子らしい質問も…(社会人からは、「NIKEとadidasじゃないんだ」と言う声も!)。

 

途中話が脱線してしまい共通点を見つけられなかったチームもあったようですが、皆さん多くの共通点を見つけることができていました! 単純な遊びでしたが、大人も楽しめる遊びでした。
共通点があるってうれしいですよね!

 

◆コミュニケーションのケーススタディー

【お題①】
デートも約束をしていたのに現れない。途中電話もLINEもつながらない。やっと現れたのは40分後。チケットを買っていた映画も始まっちゃっている…。
あなたならなんて声かける?

 

絶対に何かあったと思うから「大丈夫?何かあった?」と聞く。
とりあえず「おはよう」と元気に挨拶する。
責めるようなことを言う子はおらず、相手の状況を確認することから始めるといった、冷静かつ優しい対応の回答をしてくれました。

 

【お題②】
テスト前なのにバイト先店長から「明日シフトに入ってほしい」と言われた。なんと回答しますか?

 

大人でも「断る」って難しいですよね。
高校生はどんな回答をしたでしょうか。
ほとんどの高校生は「明日はテストがあるので難しいです。テストが終われば入れるので、そういう時は入れます!」ときちんと断ることができるという回答でした。
まずは事実を受けとめ「お声がけありがとうございます」という前置きをつける優秀回答も。
断れずに受けてしまうかも、という回答もありましたが、「断る」力を身につけるのは大事だなと思います。

 

◆コミュニケーション診断

自分のコミュニケーションタイプを診断するワークに入ります。4つのマトリクスで「建設的」「消極的」「無関心」「攻撃的」それぞれが描かれています。

 

24問の問いに対し1~5の点数をつけて自分自身を診断します。
建設的コミュニケーションに慣れるといいよね、いつでも「I’m OK, You’re OK」の心を忘れないようにしましょう。

 

◆ホウ・レン・ソウ シミュレーション

そろそろ疲れてきたなぁ。でも最後のワークです。社会人になったつもりで、ケーススタディーに応じて報告・連絡・相談のタイミングと内容を考えてみましょう。

 

①朝 寝坊した!始業開始まで後10分しかない!
→すぐ会社に電話をして「正直」に寝坊したことを伝え謝る。何時頃到着できそうかも伝える。

 

②スーパーで、果物を切る仕事をしている。手元がくるって、大きさを間違えてしまった。
→すぐに上司に報告し、指示を仰ぐ。

 

③上司から毎日、厳しく怒鳴られている気がする。辛い。
→会社の人や学生時代の友達に相談をする。

 

などなど…グループごとに複数のケースについて話すことができたようです。
いずれも「うそをつかない」ことと「すぐに対応する」ことが大事なことが多いですね。

 

午前中の部はここで終了。ランチタイムです。
マイクも映像もOFFにする人もいれば、そのまま食べながら参加する高校生も。
ランチタイムは、オンラインならではの「オススメのYouTube」を紹介しあったりして過ごしました。

 

◆性について

午前中とは変わって午後は性のお話。

 

まずは「LGBT」って知ってる?
LGBTとは、Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー、性別越境者)の頭文字をとった単語で、セクシュアル・マイノリティー(性的少数者)の総称です。

 

女性の見た目で女性の心、好きになる人は男性。また、男性の見た目で男性の心、好きになる人は女性。この状態を「ふつう」と捉える人は多いですが、必ず異性を好きになるわけではない。恋をする人もいればしない人もいる。どんな心を持っている人であっても、人として相手を思いやる気持ちが大切ですね。

 

このような話を聞いた後、ブレイクアウトルームに分かれてこの話を聞いた感想を話し合います。
さすが高校生です。全員が差別などなく、どんな形も受け入れている様子でした。

 

つづいては「ジェンダー」(男女の区別)について。
男だから・・、女だから・・・」h当たり前のように発される言葉ですが、時には差別的な意味を含んで発言されることがあります。日本は特に色でも男女を分ける傾向が強いそうです。

 

青は男。赤は女。トイレもこの色で分けられていますね。ただ、近年はジェンダー(社会的性役割)が変わりつつあり、きっちり男か女を分けるのではなく、差を無くしていきましょうという流れになってきています。

 

この話を受けて、またブレイクアウトルームで話をしました。
やはり高校生であっても「女の子なんだから」「男の子なんだから」と言われたことがけっこうあり、嫌な気持ちになった経験もあるとのことでした。
男の子の中にも「プリキュア」が好きで踊っていた子もいて、それを隠そうとも思っていない。男女の垣根を意識している子は少ないようです。

 

◆パートナー(恋人)との関係性について

デートDV
・束縛が激しい
・LINEの既読が遅いとすごい量のLINEを送ってくる
・避妊をしてくれない
などは立派なデートDVです。
殴るけるだけがDVではありません。

 

男性から女性だけではなく、女性から男性へのDVも多いそうです。
こういうことがあった場合は、必ず誰かに相談しましょう。
自分も相手も、お互いの体と心を大切にしてくださいね・・

 

さあここでまた小休憩
墨染による体操です~~

 

すっきりしたところで・・・

 

◆体の仕組み・妊娠中絶・出産について

生理はなぜあるのかなどの体の基本的な仕組みの説明から始まり・・いくつか〇×形式でクイズを出しながら体の仕組みや妊娠についておさらいします。
ひと通り話したところで・・・
ブレイクアウトルームでみんなの意見を聞いてみましょう。

 

【お題】
男の子のグループ:
彼女から「妊娠したかも」と連絡がきた。 どうする?

 

女の子のグループ:
生理がこない!どうしよう?

 

女の子グループ『きちんと大人など周りに相談をし、病院に行く。焦らず行動していく。言い方も気をつける。相手にも確実なことが分かってから伝える』
男の子グループ『まず2人で話し合います。病院に行って確かめます。確実なことが分かったら親などに伝えます』

 

焦るだろうという想像の元、きちんと手順を踏んで対処していくことが必要だという発言が見られました。

 

(妊娠出産について)
妊娠するために必要なこと 環境・心・体が整っていることが大事。
その3つがそろっていれば本当におめでたいことだけれど、そろっていない場合、準備ができていない場合はさまざまな問題が出てきてしまいます。

 

(中絶について)
望まない妊娠をしたら中絶すればいいの?
中絶が必要な場合もあると思います。でもそこには、リスクがあること、費用もかかることを知っておきましょう。パートナーの気持ちも考えないといけません。心の負担も大きいです。

 

そのためにも望んでいない場合はきちんと「避妊」をしましょう。
特に避妊の代表となる「コンドーム」「ピル」などの話が主にありました。
また、失敗したと思った際に使える「モーニングアフターピル」の紹介も。
モーニングアフターピルは2021年から薬局で買えるようになる予定です。

 

(性感染症と予防について)
何か異変を感じたら、女性は産婦人科・男性は泌尿器科に行きましょう。
性行為で感染するので、複数の人と関係があるとどんどん感染していきます。
きちんと予防と検診は行っていきましょう。

 

そして最後は、ブレイクアウトルームでまとめの話し合いを・・・
「性行為は妊娠目的以外にはしない方がいいような気がする」
「相手を思いやることで望まない妊娠は避けられると思う」
最近の高校生は大人です

 

◆社会人の話

ボランティアの「さとしん」から、社会人代表として結婚についての話がありました。

 

遠距離恋愛からの結婚・・妊娠と順調に愛を育んで・・・でも妊娠中や出産直後の女性は嵐のよう(情緒不安定)ですよというお話もあり・・・奥さまは産後うつのため、ご実家に帰られている話でした。

 

距離も遠く、コロナもありほとんど会えていないとのこと。「ニーバーの祈り」をご紹介してくださいました。

 

神よ、
変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受け入れるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、変えることのできるものと、
変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。

 

なかなか難しいですが、受け入れるべきこととそうでないことを区別し、皆様にも素敵な結婚をしてほしいという先輩らしいお話でした。

 

午前中コミュニケーション・午後は性教育という話題ががらっと変わる第3回。
高校生もひとつひとつの質問やワークを、真面目に考え回答してくれており、とても雰囲気のよいオンライン開催になっていると思います。

 

第4回は「しっかりさんのひとり暮らし」についてです。
またためになるお話があると思うので、大人の私も楽しみです。

 

(ボランティア:るみちゃん)

皆さん、一時保護所という場所をご存じですか?
一時保護所は、児童相談所で「親と離して一時的な保護が必要」と判断された子どもたちに安全な生活の場を提供する、児童相談所管轄の施設です。親が来ないように所在地が伏せられており、そこで子どもたちがどのように生活しているかは、ほとんど知られていません。

 

私は、ブリッジフォースマイルのスタッフになる前の 12年間、横浜市の児童相談所の一時保護所で心理療法士として勤務していました。これまでの経験を踏まえ、子どもへの虐待について触れてみたいと思います。

 

最近は虐待通報が義務となり、通報件数も年間16万件と急増して、都市部では収容人数を大幅に上回る子どもたちが保護されて、慣れない場所で生活しています。時々、一時保護所の環境は劣悪!という批判を耳にしますが、そうとも言えません。あざの跡が痛々しい子どもが安心して眠れたり、家庭で1日3食のご飯を与えられなかった子どもが、おいしいご飯が食べられると喜んでじきに太り始め、虫歯だらけで来た子が歯科治療を受けて、歯磨きの習慣が身に付いたり・・・

 

よく、一時保護されると学校に通えなくなり、勉強が遅れてしまうと、教育面での不備を指摘されます。確かに教員経験のある先生が個々に学習スケジュールを作って指導に当たっていても、時に子どもたちが落ち着かず、ADHDや発達障害の子どももいるので、教室が騒がしくて勉強しにくい環境があることは事実です。
一方で、弟妹の世話で学校に通えていない子、引きこもりの子、学力がひどく遅れている子たちにとって、保護所で初めて勉強する環境を与えられ、高校に進学できた例も数多くあります。
自分ができないことを人に知られたくない子どもたちは学習に身が入らず、つい騒いでしまいます。しかし、九九や算数の計算、読み書きなど小学2,3年でつまずいて、その後の学習が身に付かなかった子が、わからなくなったところから個別に勉強のやり直しができる体制があれば、勉強に興味が湧いて成績は伸びていきます。保護所の生活環境は決して十分ではありませんが、マンパワーが充実して、安心して生活できる場所があれば、家庭でなくとも子どもは成長します。

 

しかし、最近の保護児童の増加により、保護所は子どもであふれ、その分職員は疲弊して、一人ひとりの子どもに目が行き届かない状況が進んでいます。保護所から出て子どもが生活できる児童養護施設の空きや里親がいなければ、保護期間は延びるばかりで、子どもたちが保護所に滞留し、長期化すると様々な問題行動を起こして、さらに混乱が生じます。収容人数を増やすために、新しい保護所や施設を作るなら、都会の真ん中ではなく、地方の自然環境豊かな場所で子どもたちを育て、そこで新たな仕事を生み出せないかと夢想したくなります。

 

幼少期に保護されないまま思春期にもなると、自分から家出して、保護を求めてくる子どももいます。彼らが主張するのは、自分も悪いと思うけど、虐待する親の方がもっと悪いんだから、自分の非を認めて素直に謝ってほしい、という親への期待です。けれど、子どもが変わる以上に親が変わることは難しい!!

 

親が変わることをあきらめて、まずは自分で自分の将来を考えてくれたら、自立に向けて支援できることはたくさんあるのですが、子どもが親子関係のしがらみから解放されるのは容易なことではありません。一人になる恐怖は子どもでなくとも誰もが抱えているもの。その孤独を知り、一緒に孤独を抱えつつ支える人たちがいることを信じて、親に頼らず、自分の足で歩きだす覚悟が子どもにも問われています。

 

では、子どもを虐待してしまう大人はどうしたらいいのでしょう?
親もまた、苦しみ、傷ついていないでしょうか。
親自身に、辛い成育歴や不適切な養育のもとで育った経験があるかもしれません。仕事や子育てに悩んでも、他人への不信感からSOSを出すことができない場合もあります。
子どもを感情のはけ口にして暴力をふるったり、期待通りにならないことを理不尽に罰したりすることを、自分では止めれないのかもしれません。

 

親の側にある罪悪感や悩みを吐き出せる場をつくり、親であるその人が蔑ろにしてきた自分の痛みに寄り添う支援が安心して受けられるよう、子どもの一時保護という緊急対応だけでなく、根本的な家族の問題に対応できる支援者の専門性と懐の深さが求められています。虐待の予防は、養育者への支援も含めて、今始まったばかりです。

2020年11月末をもって「新型コロナ緊急支援」寄付受付を終了いたしました。
2021年3月末まで、緊急支援事業を継続して行い、支援を続けてまいります。


コロナ禍で仕事に困っている、児童養護施設や里親家庭など社会的養護出身者を対象にした、就労支援です。

 

1.新しい仕事にチャレンジできます!
経験がなくても、職場体験(3社まで)とインターンを通じて、新しい仕事を試してみることができます。
自動車運転を伴う仕事の場合は、運転免許取得費用の一部(上限15万円まで)もサポートします。

 

2.助成金から給料を払います!
職場体験およびインターン期間中は、コロナ緊急支援助成金事業(キャッシュフォーワーク)から、お給料を支払います。(時給1050円、1週28時間、最大12週間まで。)

 

3.正社員、契約社員採用の道があります!
ご紹介する企業は、正社員、または契約社員として、長期的に雇用する予定のある会社です。職場体験およびインターンを経て、双方合意が得られれば、正式に採用となります。

 

<この就労支援にご協力いただける企業様を募集しています>
・正社員・契約社員の採用ニーズがあること
・勤務地が東京・千葉・埼玉・神奈川・佐賀であること
・労働関係法規を遵守していること
・募集職種が「港湾運送業務」または「建設業務」ではないこと ※職業安定法に基づく紹介禁止業務のため
・公序良俗に反する事業、および青少年の健全育成上ふさわしくない事業を行っていないこと
・宗教活動や政治活動を主たる目的とする団体、暴力団又は暴力団員の統制下にある団体でないこと

※就労において支援の必要のある求職者であることをご理解いただき、育成を目的としてご対応ください。

メール宛先:b4s-job★b4s.jp(★を@に変えてください)

メール件名:「コロナ緊急支援 企業協力」

Bridge for Smile

認定NPO法人ブリッジフォースマイルのホームページへようこそ!

私たちは、児童養護施設や里親家庭などで暮らす、親を頼れない子どもたちの巣立ち支援をしているNPOです。
ご関心に合わせ、以下から知りたい項目をお選びください。