コエール「ソーシャルアクションアカデミー」の挑戦 [事務局スタッフコラム]

「なぜ私だけ、こんな不条理な思いをしなくちゃいけないの?」

ある施設出身者のつぶやきでした。
このつぶやきに、なんて答えますか?

「親は選べないのだから、仕方ないよね」
「施設(税金)でご飯食べさせてもらってたんでしょ?」
「いまの日本、本人のがんばり次第でどうにでもできるでしょ」
「昔はみんな貧しかった。海外には飢えている子もいる。それに比べれば、恵まれている」

そういう方々はたくさんいて、それぞれの人生の経験、そして価値観なので、否定はしません。実際、私自身もNPOを立ち上げる前は、本人責任論者でした。

親や出会った大人たちから、大切に扱われなかった経験、何度も心を踏みつけられた彼らの経験を知ると、薄っぺらい「常識」で物事を語っていた自分が恥ずかしくなりました。
だから、私はそういう苦しい経験をした子どもたちの声を多くの人に聴いてほしいのです。

最初のつぶやきに話を戻すと、施設出身者たちが人生のあらゆる場面で悔しい思いをしてきたのは、間違いなく「親を頼れないこと」があります。
しかし、よくよく考えていくと、「親の問題として片づけようとする社会」にこそ、問題があるのではないかと思うようになったのです。

子どもが育つのは、家庭だけではありません。
生活する地域、出会い、経験すべてが、育ちの機会になります。

しかし、その育ちの機会は、親の価値観や経済力によります。
子どもは親を選べない、運が悪かったと諦めろ、そんな理不尽を子どもに押し付けているのです。

そんないまの構造を変えていくために必要なのは、「子育ての社会化」です。
親や家庭にかかわらず、豊かな子育ての機会をどの子どもにも等しく提供されることです。

そのために、コエールを立ち上げました。コエールは、【子どもたちを取り巻く問題を知るための当事者スピーチ】と、【問題を解決するために何をしたら良いかを知るためのプレゼン】で、構成される啓発イベントです。

コエールが目指しているのは、【子どもを取り巻く問題解決に携わるプレーヤーを増やすこと】です。

例えば、虐待で傷ついた子どもたちを一刻も早く救う仕組み、そして傷を癒やす仕組みが必要です。ところが、傷を癒やすことの必要性をわかっている人、実際に傷を癒やすことができる人はとても少ないのです。
それは、福祉や心理の専門家でなくてもいいのです。少なくとも、薄っぺらい常識で自己責任論を振りかざす人が減るだけで、子どもたちをさらに傷つける人を減らすことができます。

プレーヤーを増やすと言っても、簡単ではありません。

NPOを立ち上げるのも大変ですし、続けることも大変です。(実感こめて…)
ボランティア活動も、寄付活動も、しかりです。
ましてや、だれもが施設職員や里親になれるわけでもありません。

それでも、何ができるか考えたい。

そんな思いで、今年は「ソーシャルアクションアカデミー」を立ち上げました。
企画力と実行力のあるビジネスパーソンに、問題への理解を深め、解決への道筋を探ってもらい、それをより多くの人に広げてもらう、というプログラムです。

NPO法人サービスグラントと協働し、ノウハウやネットワークを活用させていただきましたが、正直、走りながら考えるプログラムで、参加者のみなさんには、いろいろご迷惑もおかけしました。

ただ、ゼロとイチは、全然違います。やってみた結果が、確実にあります。
9月26日まで続くソーシャルアクション、ぜひ多くの方に、注目、応援いただけるとうれしいです。
https://coyell.b4s.jp/saa/

(ブリッジフォースマイル代表 林 恵子)


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