巣立ちプロジェクト2019 <第3回「知って役立つコミュニケーション&性教育」>@小田原ブランチ

開催日時・場所:2019/10/26 小田原ブランチ
参加者数:高校生11人/ボランティア15人
講師:ありぽん(前半)、ぴーこ(後半)

 

児童養護施設を来年の春に退所予定の高校3年生、4年生を対象にした『巣立ちセミナー』第3回が開催されました!
この日は朝から天気に恵まれて、国府津駅のホームからキレイに富士山が見えました!

 

さて今回は前半のコミュニケーションと後半の性教育で講師が変わる形になり、前半の講師は前回と同じくありぽんに担当いただきました!
そして後半の性教育は、講師初デビューの事務局スタッフぴーこです!

 

◆アイスブレイク

まずは簡単なゲームで頭と体をリラックス♪

 

あなたは5種類の動物(ウシ、ネコ、タヌキ、ウマ、オオカミ)を連れて旅に出ますが、残念なことに順番にお別れすることになりました。
さて、あなたがお別れする順番は?

 

えーと、なんだろー?
みんなそれぞれに悩みつつ選んでみましたが、講師ありぽんからの解説では、動物にはそれぞれ意味があり、一番最後まで残ったものはあなたが大切にしているもの、ということでした。

 

人によっては、仕事だったり、恋人だったり、お金だったりとグループの中でもみんなバラバラです。大切なものはみんな違うし、共通点もあったりとさまざま。
だからコミュニケーションって難しい。

 

そうです、今日のテーマはコミュニケーションということで、いかに相手を安心させられるかというありぽんのメッセージとともにセミナー開始です。

 

◆コミュニケーションのケーススタディ

【お題 ①】
初デートに相手が2時間遅れて、とぼとぼと歩いてきた。
待ってる間にチケットを買っていた映画も始まり、電話もメールも何も来ない。
そんな状態でずーっと待たされたあなたはイライラ・・・そんな時どうする?

 

こんなお題に高校生のみんなはから出る意見は、
「とりあえず理由聞かなきゃわかんないよね」
「怪我がないか確認しなきゃ」
「まずはお茶しておちつこう」
という感じでした。

 

このお題は、自分の気持ちもあるけれど、まずは相手に何が起きたのか想像してみよう、考えてみよう、という内容でしたが、小田原ブランチの高校生は答えになったように相手を責めることもなく、みんな優しい気持ちを持っているなーって、なんだかほっこりしました。

 

【お題 ②】
店長に予定外のバイトを頼まれたが断りたい。
明日はテストだからバイトしないで勉強したい。
そんなときなんて言って断る?

 

ここでも優しい高校生たちは「無理は無理だけど、次頑張ります」という意見が大半でした。
ただ、「何時までなら大丈夫?」とか、「1時間だけお願い」など、具体的な打診になったら断れないかも・・・みたいな意見もありました。

 

そうですね、人間関係は難しいものです。
けど、無理なものは無理といえる気持ちは大事ですね。

 

◆コミュニケーション診断

そしてここで事前課題をもとに自分のコミュニケーションタイプを診断するワークに入ります。4つのマトリクスで「建設的」「消極的」「無関心」「攻撃的」それぞれが描かれています。

 

巣立ちプロジェクトの合言葉でもある「I’m OK, You’re OK」な建設的コミュニケーションに近づくために必要なキーワードを自分で探して話し合ってみました。

 

◆ホウレンソウ・シミュレーション

午前の部最後はホウレンソウ(報告・連絡・相談)のシミュレーションワークです。
会社員になったつもりで様々なシチュエーションでの相談や連絡する方法を考えます。

 

出されたテーマは以下の内容です。
・部署の飲み会が多くて…あまり気乗りしない
・残業が多い。まだ頑張れるがちょっとしんどい…
・上司から毎日、 厳しく怒鳴られている気がする。辛い
・パートナーと結婚することが決まった♪
・残業時間中に上司、先輩も帰宅後にクレームの電話を受けた。電話で平謝りしその場で 対応し、電話を切った

 

社会人だったら、日常にありそうなことなのですが、高校生たちは「いつ」「どこで」「誰に」「どのように」ホウレンソウするか、一生懸命考えてくれました。

 

アルバイト経験があったりすると割と答えやすいものですが、結婚の話なんかは難しかったようです。
周りにいないし、そりゃそうだよね、なんて会話しながら社会人サポーターのフィードバックをもらいつつ、お待ちかねのランチタイムです♪

 

ランチは、前回の健康づくりのところで説明した「ちょい足しメニュー」をサポーターのけっこうさんが考えてくれました。
コンビニで手配した、お弁当・パスタ・サンドイッチ・おにぎり等の主食にサラダを一品選んで、自分の好きな組み合わせで食べるというカタチです。
自分の食べたいものと量を、ある程度調整できるので、高校生に好評でした♪

 

◆性教育

午後に入り、講師は事務局スタッフのぴーこに交代です。
テーマは「性教育」ですが、セミナーで伝えたいメッセージは「自分の体と心を大切に。そしてパートナーも大切に」ということで、ここからは高校生もサポーターも男女に分かれて座りなおしました。

 

最初のワークは「恋と愛」について、ということで社会人でも照れてしまいそうなテーマですが、高校生たちも自分の経験を踏まえていろんな意見を出してくれました。

 

「恋は短い、愛って長いイメージ」
「恋は異性とだけど、愛は兄弟とかいろんな人、動物、ペットとか幅広い感じかな」
「恋はドキドキする。愛はその先にある感じ?」
などなど、みんなのイメージは様々ですが、男子チームはなんとなく照れくささを醸し出し、女子チームは恋バナで盛り上がっているようです。

 

恋にも愛にもいろんな形があって、相手を思いやる気持ちが大事ということをみんな理解してくれていたらと思います。
そしてここからはもう少し真剣モードなテーマに入っていきます。

 

◆デートDV

結婚してない男女間でおきるDVのことを「デートDV」といいますが、10代女性では40%も被害の経験があるそうです。
「相手とずっと一緒にいたい」とか「ほかの人と仲良くしてほしくない」という感情が行き過ぎた結果のようですが、大事なのは相手の気持ちも尊重することですね。
女性だけでなく男性でも暴力を受けたというケースもあり、高校生も意外と多いということにちょっと驚きのようです。

 

◆将来結婚したい?子どもはいつほしい?

これはみんな意見がさまざまで、結構盛り上がりましたね。
なかには「一生結婚しない」という男子がいて、理由を聞くと「小学6年の時に告白してフラれて、それから一生一人で生きていくと決めた」んだそうです。

 

なるほど、そんなに彼女のことが好きだったんだね~と話を聞きながら、でもまだこれからいろんな出会いもあるんじゃないかな~という意見もありました。
他には「早く結婚して家庭を持ちたいんです」という意見も。
自分があまりいい家庭環境じゃなかったから、あったかい家庭を作りたいという気持ちなのだとか。

 

本当にみんな、自分の経験をもとにいろいろ考えているんだなぁと感心いたしました。

 

◆妊娠・出産

体も心も成長すれば、相手と触れ合いたい、セックスをしたいと思うのは当たり前のことです。でも、正しい知識がないと望まない妊娠につながることにもなります。

 

妊娠ということで、女性の体、月経・整理の仕組みを丁寧に学びながらグループワークを進めていきます。
「もし彼女に生理が来ないと相談されたらどうする?」という男子への質問と、女子には「生理が来ない、どうしよう?」でそれぞれ話し合ってもらいました。

 

男子は比較的「相手の望むことをかなえる」という意見が多かったですね。
女子は「相手もだけど、周りの大人や先生にまず相談する」という声も多かったようです。
一言に出産といってもお金もかかるし、人ひとりを育てる責任もあり、とても大事な決断を迫られることになります。
完璧な正解はありませんが、やはり信頼できる先輩や大人、施設の先生に相談してみようという声でまとまりました。

 

◆避妊・中絶

望まない妊娠を避けるためにも避妊はとても大切です。
出産して子どもを育てることがまだできない環境なら、しっかりと避妊をすることが必要です。
高校生のみんなに考えてもらいたかったのは、ここでもパートナーの気持ちを尊重することが大切だということです。

 

避妊をしてくれない相手は、本当にあなたのことを考えてくれているのか。
そして、中絶のこともどれだけのリスクがあるのか、普段はなかなかちゃんと考える機会が少ないと思いますが、自分事として、社会人サポーターも真剣に話し合いました。

 

◆性感染症:STD

コンドームに代表される避妊具は、性感染症(STD)の予防にも大きく効果があります。
カラフルコミュニケーションを通じて、性感染症がどのように広がっていくのかをみんなで体感しました。

 

カラフルコミュニケーションとは、一人1枚折り紙をもって、誰かとそのお折り紙を重ね合わせて半分に破っていきます。
4人繰り返すと、元の自分の折り紙のほかにたくさんの色が混ざり合っているかたちになります。
要するに、いろんな人と性交渉を繰り返うちに、ぜんぜん知らない人の病原菌に自分も感染する可能性がある、ってことになります。

 

ここまで休憩もはさみながらセミナーを続けてきましたが、高校生もだいぶ神経を使ったようで、ちょっと疲れがみえていました。

 

◆先輩社会人の話

ここで講師 ぴーこ の体験談をみんなで聞く時間になりました。
ぴーこは、結婚と出産を通して、自分の心と身体を大切にすることを学んだ、という話をしてくれました。

 

社会人の話を聞いて、いろいろな価値観を持った大人がいることや、さまざまな体験をしている大人がいるんだな、と高校生に知ってもらえたらと思います。

 

全体を通じていえることは、信頼できる人に相談できる関係性を築くことと、自分のことも相手のことも大切に考えること、そしてそれは安心感を生むコミュニケーションの上に成り立つ、ということですね。

 

最後に次回の案内とサンキューカードの交換をしておしまいです。
3回も行っていると、だいぶコミュニケーションが取れてきて、高校生もサポーターも会話が弾み、良い雰囲気になってきました。
残り3回、また一緒に楽しく学べることを楽しみにしています。

 

そして帰りもきれいな夕景の富士山に見送られて国府津を後にしました。

 

(サポーター:デイブ)

開催日時:2019年8月16日(金) 11:00~15:15

子ども参加人数:17人

 

内容:

ガイダンス(コンピューターはどこで動いている?・Greenfootの紹介・簡単な操作説明)、ランチ、キャンディ(犬)とふれあい、プログラミング体験、今日体験したことが社会だとどのように使われているのかの説明、修了証授与、アンケート記入、質疑応答

 

■日本オラクルとは

日本オラクル株式会社とは米国企業オラクルコーポレーションが1985年に日本で設立した日本法人です。
国内を拠点とした情報システムの構築のためのソフトウェア製品、ハードウェア製品、ソリューション、コンサルティング、サポートサービス、教育の事業を展開している世界的な企業です。

 

■ガイダンス

はじめにオラクルという会社について、そして普段コンピューターがどこで使われているか学びました。
パソコンやスマホはもちろん、お店のレジや駅の改札、世の中にはたくさんのコンピューターとプログラミングの技術が使われ、皆の生活を支えていることが分かりました。

 

そして、今回は「Greenfoot」という教材を使って、プログラミングの奥深い世界を体験しました!

 

■スペイン在住の高橋さんのお話

社員さんのお知り合いで現在スペインに在住している高橋さんから、ご自身の高校から現在までのお話をしてくださいました!
プログラミングの技術を身につけ、海外で活躍される高橋さんが語る、高校生当時の状況や抱いていた思いは、子どもたちにとって良い刺激になったのではないでしょうか。

 

■ランチタイム

ミーティングルームに移動してお昼ご飯の時間です!
2つのお部屋に分かれて、社員の方々と談笑しながら楽しい時間を過ごしました!

お弁当はお野菜たっぷり!
みんな残さず食べていました。社員の方々からはオフィスの窓からTBSの建物が見えることや社員の方の苦手な食べ物のことなどたくさんのお話を聞くことができました!

 

■キャンディ(犬)とのふれあい

ランチ後になんとオラクルの社員であるワンちゃんと戯れることができました!!
名前はキャンディーちゃん!毛がフサフサしていて触り心地が良さそう!
子どもたちも楽しそうにたくさんキャンディーちゃんを撫でていました。

 

■プログラミング体験

今回子どもたちが使う「gleenfoot」は、2Dゲームやシミュレーションを通じてプログラミングを学べる教材です。
今回体験するのは、餌のオブジェクトを目指して、蛇を操作するボビースネークというゲーム。蛇が壁や自分の体に当たるとゲームオーバー。餌を食べるたび、蛇は体が大きくなり、動くスピードも変わってだんだん難しくなります。

 

ひとしきり子どもたちはゲームを楽しんだあと、いよいよプログラミングがスタート!
プログラミングでこのゲームに新しいルールを追加する作業をしていきます。
難しく感じたり、思うようにいかなくても大丈夫。
社員やボランティアの方が丁寧にサポートしてくれます。

 

蛇の速度、餌の数、ステージの環境…プログラムの入力によって自在にゲームをつくる楽しさが子どもたちから伝わってきました。
上手くいって画面に新しいキャラが登場すると、「おー!出てきた!」と大はしゃぎ!
試行錯誤したあとの成功はひときわ嬉しいですね。

 

なかには、自主的にどんどんゲーム画面のデザインを改造している子も!!
のめり込むように作業しています。どの子どもたちも作業すればするほど熱心になっていきます。
もしかして適性があるのでは!?
「もっとやっていたい!」という声が子どもたちからたくさん上がりました。

 

■今日体験したことが社会だとどのように使われているの?

そして社員の方々から今回体験した内容が実際に仕事ないし社会でどのように使われているのかの説明がありました。
オラクルでは主にデータを守るソフトを作っているということでした。

 

■修了証授与

最後に、参加した子どもたち全員に本日の修了証が渡されました。
さらになんと豪華なプレゼントが!!
USBメモリが子どもたちに渡されました!

このUSBメモリに今回使用したソフトを保存すると自分のパソコンでもプログラミングができます!
ぜひ帰ってから取り組んでほしいですね!

 

■質疑応答

子どもたちから社員の方々に沢山の質問が寄せられました。
なかには「ハッキングの仕組みってどうなっているの?」という深い質問も。
また社員の方から「ホワイトハッカーというお仕事もあるよ」と話してくださいました。
プログラミングでも色々なお仕事があるんですね!

 

■最後に

今回のジョブ・プラクティスで子どもたちはプログラミング楽しさや奥深さを知ることができたと思います。
また社員の方やボランティアスタッフの方とたくさん交流して、良い刺激を受けることが出来たのではないでしょうか。
ぜひ、この経験を活かして夢に繋げていただけたら嬉しいです!!

 

日本オラクルの皆様、貴重な体験の場を設けていただきありがとうございました!

開催日時:2019年7月26日(金) 12:00~16:30

子ども参加人数:6人

 

体験内容
社員の方々の自己紹介、会社説明、お昼ご飯、接客の体験、マナー講座、社員との座談会

 

プリモ・ジャパンはブライダルジュエリー専門店として、国内最大規模の店舗数を展開している会社です。ブライダルジュエリーの専門店「アイプリモ」や、高級ダイヤモンド専門店「ラザールダイヤモンドブティック」を、日本のほか台湾や香港で展開しています。

 

今回もプリモ・ジャパン株式会社のご協力のもと、ジョブ・プラクティスを行いました。

 

■自己紹介&プリモ・ジャパン企業紹介

今回のジョブ・プラクティスはお昼の12時からはじまり、まずは社員のみなさんの自己紹介からスタート。続いて、会社説明が行われました。プリモ・ジャパンはブライダルの中で唯一後々形に残る婚約指輪や結婚指輪を販売しているというお話や「顧客志向」を大切にし、常にお客様の立場に立って考えているというお話をしてくださいました。
中高生は緊張しながらも真剣な表情でお話に耳を傾けていました。

 

そのあとは社員のみなさんと一緒にお昼ご飯。オムライス弁当とハンバーグ弁当の2種類用意されていました!
お弁当を食べながら、いつしか社員さんとも打ち解け、好きなミュージシャンの話などをするようになっていました。
食後は社員の方と歯磨きをしました。接客において口内ケアはとても重要ですね!!

 

■接客体験

お昼を食べたら、アイプリモの銀座本店へ移動。
お店に入ると本物のダイヤモンドや指輪が沢山!
本物のダイヤモンドや指輪を目の前にして、中高生は「きれい!」「全部の指に付けたい!」と大はしゃぎでした。

 

まず社員の方が中高生に指輪の説明をしていきます。
「手を振って指輪が第2関節まで落ちなければ大丈夫ですよ」「指輪を外すときはこうやって・・・」などとレクチャーを受けながら中高生の方が実際に指輪を付けていました。
中高生からは「この指輪気に入った!」との声も。みんな指輪にすっかり心を奪われていました。

 

そして今度はいよいよ中高生が店員役として接客体験をしていきます!
中高生は二人一組で店員役とお客さん役に分かれ、ロールプレイングをします。
「どれがいいですか?」と聞き、実際に白い手袋をつけて指輪をお客さんに付けてあげる姿は本物の店員さんのようでした!
付けてあげた後にお客さんの指を鏡に映してあげながら「きれいですね」と声をかけるなど、様々な工夫をしていました。

 

■マナー講座 

続いては社員の方による「気持ちのよいマナー講座」の時間。
話を聞く際に気を付けること、笑顔の作り方、コミュニケーション力アップの方法、面接で役立つマナー、名刺交換などについて実践を交えながら学びました。

 

最後にはなんとプリモ・ジャパンの社長と名刺交換しました!
中高生からは「緊張する・・・」との声もありましたが、社員の方のフォローを受けながら上手く名刺交換することができました!

 

■社員の方々と座談会

最後は社員の方々と中高生が円になって座談会を実施しました。

「やりがいを感じることと大変だったときはなんですか?」
「仕事をするうえで大切にしていることはなんですか?」
「ダイヤモンドはどこから仕入れているんですか?」
「ジュエリーのデザインはどうやって考えているんですか?」
「ジュエリー業界に入るにあたってどんな勉強をしましたか?」
などなど、とても深くて中高生の熱心さが伝わるような質問がたくさん挙がり、社員の方々も質問に対してご自身の経験を踏まえながら熱心に答えてくださいました。

中高生もメモを取りながら社員の方のお話に耳を傾けていました。

 

最後に社長から「常に笑顔を忘れずに」というお話をしてくださいました。
今回のジョブ・プラクティスでの体験が、自分も笑顔になり相手も笑顔になっていただけるような人生を送るための足掛かりになれば大変嬉しいです。

 

今年は美しいジュエリーに触れ、憧れの販売員のお仕事を体験するとともに、そこで働く社員さんの生の声をたくさん聞くことができました。
こんな言葉が心に残った、あんな社員さんになりたい、ジュエリー業界や接客業を目指す子どもたちが様々なことを吸収できた、そんなジョブ・プラクティスだったと思います。

 

プリモ・ジャパンの社員のみなさま、子どもたちのために貴重な場をご用意くださり、本当にありがとうございました!

「困難な状況にある子どもたちのために何かしたい!」

「でも特別な資格はないし、子どもと話したこともあまりないし・・・。」

「ボランティアとして何かできることって、ほんとにあるの?」

そう思われている方は意外と多いのではないでしょうか。

実は私がまさにそういう人でした(笑)。

 

でも大丈夫!

子どもたちと直接関わって自立支援をすることだけではなく、ブリッジフォースマイルは児童養護問題を世の中に知ってもらう啓発活動もとても大事にしています。
その啓発活動の一つとして「児童養護施設への調査」があり、多くのボランティアの方にご協力をいただいています。

 

◆ 児童養護施設への調査って何をするの?

児童養護施設への調査は2011年から継続的に行っています。目的は児童養護に関わる現状を正しく把握し、子どもたちへの支援のあり方を提言するためです。

 

最新の2018年調査では、過去5年間の退所者の退所直後から現在までの状況や、施設職員の支援上の課題などについてのアンケートを送り、全国180施設から回答をいただきました。
結果の概要はこちらをご覧ください。

 

この結果をまとめるまで、調査プロジェクトのボランティアの方々には
・アンケート内容の検討
・データの入力
・報告書の作成
を分担して作業していただききました。

仕事帰りの夜にB4Sオフィスに集まっての打ち合わせ、ご自宅での各自の作業、SNSを使って作業経過報告…、お忙しい社会人ボランティアの皆さんとはそんな感じで作業を進めていきました。

 

◆ これからどんな調査をするの?

児童養護施設への調査は引き続き行いますが、もっと効率的に作業を進められないか、退所者の動向がもっと明らかになるやり方はないかなど、内容のバージョンアップを皆さんと検討中です。

 

児童養護の現場での課題をデータで示して皆に知ってもらう…それも子どもの自立を後押しするボランティア活動のひとつです。

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親の同意を得られず予防接種を受けられない子どもが3割

あなたは虐待を受けた子どもたちのその後を知っていますか?

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虐待防止月間によせて 認定NPO法人ブリッジフォースマイルは、全国の児童養護施設へ実施した『親権者の同意に関する実態調査』の結果を公開いたしました。

( 47都道府県の児童養護施設640件へ実施 総回答数120件 有効回答数83件)

 

虐待や育児放棄、親の精神疾患、経済的理由などで児童養護施設に入る子どもたちの9割に親が存在します。適切な養育環境でないと判断され、親から離し社会的養護の下に保護されても、今の制度では様々な場面で「親の同意」が求められ、親権という壁が子どもの権利を阻みます。

 

2019年7月21日に私たちが実施したイベントで、児童養護施設で育った経験を持つ2名の若者が親の同意を得られないために困った経験をスピーチしました。具体的には、インフルエンザの予防接種が受けられなかった事、パスポートの取得に困った事、でした。これをきっかけに私たちは、全国の児童養護施設へ親権者の同意に関する実態調査を実施いたしました。

 

親の同意が必要なものには、主に
●予防接種や疾病・ケガの治療などの医療行為
●携帯電話の購入や保険の加入などの契約行為
●パスポート・ビザの取得や婚姻届などの行政手続
●高校・大学等への入学や奨学金手続きなどの教育関係
があります。

 

以前は、親の同意が必要なこういった手続きを児童相談所や児童養護施設が行うには、親権喪失の申し立てをしなければ法律上難しい状況でした。予防接種や高校への入学といった日常的な対応にさえも困るこの状況をなんとかしようと、関係各所が動いたことで平成24年(2012年)に児童福祉法が改正されます。この改正により、「親権者が、児童相談所長や児童福祉施設長などが子どもたちに対して行う監護・教育及び懲戒に関する措置を不当に妨げてはならない」ことが明確化され、厚生労働省から通達『児童相談所長又は施設長等による監護措置と親権者等との関係に関するガイドライン』が出されました。

 

児童福祉法では、「児童相談所長や児童福祉施設長が児童に対し監護・教育及び懲戒に関しその児童の福祉のために必要な措置をとることができる」としていますが、予防接種実施規則では「保護者からの文書による同意が必要」と明記されていることから、平成28年(2016年)3月31日厚生労働省から、予防接種に関し「児童相談所または児童福祉施設において、保護者の包括的同意文章を事前に取得しておいて差し支えない」と明記された通達が出されました。

 

結果、児童養護施設では、入所時に「包括的同意文書」を取る形で運用が進められていますが、その運用方法や適用範囲には、施設によって大きな差が見られます。また、包括的同意文書を取れない場合(児童福祉法28条適用ケースなど)の方針も、明確ではありません

『親権者の同意に関する実態調査』では、この運用の部分も明らかになりました。


「親権者の同意」に関する実態調査(児童養護施設編)】

調査実施者:特定非営利活動法人ブリッジフォースマイル
調査対象:全国の児童養護施設/ 640件
調査時期:2019年9⽉20⽇(⾦)~9⽉30⽇(⽉)
調査方法:インターネット調査
有効回答数:83件
調査目的:

児童養護施設に⼊所中、および退所後未成年者に関して「親権者の同意」が必要な場面について、現在どのような現状があるのか実態を把握する


※本件へのお問い合わせ・取材のお申し込みは、お問い合わせフォームからお願いします。

Bridge for Smile

認定NPO法人ブリッジフォースマイルのホームページへようこそ!

私たちは、児童養護施設や里親家庭などで暮らす、親を頼れない子どもたちの巣立ち支援をしているNPOです。
ご関心に合わせ、以下から知りたい項目をお選びください。