子どもたちの笑顔を増やしたい。そのために我々大人・社会ができることって?

皆さんの中で、子ども達の笑顔がもっと増えてほしい!と思う人はいますか?
私も、それを強く願っている一人です。

 

私は、4年前にコエールの前身となるプログラムに、ボランティアとして参加しました。
それがキッカケで、今はスタッフとして働いています。

 

私自身、社会的養護という存在すら知らないところから、ボランティアをしたことで知り、その可能性を見せてもらい、本当に良い経験をさせてもらったからです。
ボランティアで何ができるかな?と思って参加しましたが、貰うものの方が大きくて。
それは、自分の親への感謝だったり、人の可能性を信じる力だったり、チームや努力がもたらすパワーだったり。
ボランティアをする前にイメージしていた“支援者と支援を受ける人”という関係は全くありませんでした。

 

本当に沢山の事を教えて貰いました。
だからこそ、未だ知らない人に届ける、啓発活動を無くしてはいけない!と、直感的に感じ、今に至っています。私自身が、知って動き出した大人の一人なのです。

 

約2年間の準備期間を経て、“親ありき日本を超える” というテーマで、コエールというイベントを開催しました。(2019年7月21日 国立オリンピックセンターにて)

 

・イルミネーター(親を頼れない経験をした若者)のスピーチ
・アクティビスト(解決に向けて動き出している活動家)のプレゼンテーション
・「社会で子どもを育てるとは」というテーマのパネルディスカッション

という内容で、総勢約600人の方が関わるイベントとなりました。

 

その中で、感じたことをお伝えします。

 

イルミネーター達と約半年間の関わりで、一番感銘を受けたのは、「自分と同じ経験を子どもたちにしてほしくない!」という強い想いです。
自分の経験を知ってほしい!知る事で変わる社会があるはず!と、目指す社会を一緒につくるチームであり、同じ志を持つ仲間でした。
その想いが当日の熱気に繋がったのだと思います。

 

イベントに参加した方のアンケートでも、
「小学校の教諭をしていますが、社会的養護の子ども達と、どう関わっていいか分からなかったので、彼らの気持ちを知れたようで良かった」
「すべての若者に等しく明るい未来が訪れるよう、自身でも考えていこうと思いました」

など、イルミネーターの想いが届いたと感じられるコメントも多くいただきました。

 

目指すものは皆一緒なのではないでしょうか??
子ども達の笑顔がもっと増えてほしい!
その為に何が出来るのか?

 

悲しいニュースで心を痛めるだけでなく、社会全体で、日々考えながら出来る事をしていきたいです。
一人一人の力が、社会を変えていくことを信じて。

開催日時・場所:2019/9/21 埼玉ブランチ
参加者数:高校生20人/ボランティア12人
テーマ:しっかりさんの健康管理
講師:キュリー夫人

 

児童養護施設を来年の春に退所予定の高校3年生、4年生を対象にした『巣立ちセミナー』第2回が開催されました!

 

ひとり暮らしになったら、自炊も必要だよね。
睡眠やストレスとの向き合い方も上手にしないと、心と身体の健康は維持できません。

 

というわけで、第2回は「しっかりさんの健康管理」調理実習とその他健康管理の豆知識を一緒に勉強します!

 

◆まずは、自分が何を作るかを確認!

おはよう!という挨拶とともに一番に確認するのは、席順と今回自分が何を作るかです。巣立ちの第1回で第3希望まで出しましたが、果たして自分の作りたい料理になっていたかな?
今回、埼玉ブランチでは、「そぼろ親子丼」、「チキンソテー」「鮭のホイル焼き」の3種類に班が分かれました。

 

◆お買い物前の作戦会議

調理実習前には衛生管理もしっかりとします。

 

体調に異常は無いですか?
手に傷は無いですか?
しっかりとした手洗いはできますか?
を講師のキュリー夫人から手首までしっかり洗うのよと教わりました。

 

そして、いよいよ予算の範囲で料理に何が必要かを検討する作成会議の始まりです。
レシピを確認して、必要な材料と個数を計算します。もしも予算があまったら、果物はOK!お菓子はダメ~というわけで、三々五々作戦会議が終わった班から近所のスーパーへ買い物に出発!
車には気をつけていってらっしゃい!

 

◆お買い物タイム & 調理実習

自炊のための買い物はしたことない子もいたりして、みんなでワイワイお買い物です。
卵がこんな値段なんて知らなかった~、予算あまったからリンゴにする?バナナにする?
施設は違えど、お買い物の目的は一緒。すっかり子どもたちは打ち解けて仲良くなっています。
緊張して予算分の封筒だけしっかり握って出てきた付き添いの大人サポーターは、財布を忘れてしまい予算を超えないかレジ前で内心ドキドキだったり。

 

いよいよ調理実習の始まりです!
エプロンとバンダナ、マスクを装着して、しっかりと手を洗ったら調理開始。
大人サポーターの分も作るから責任は重大です。
包丁気をつけてね、火傷しないでね、大人の心配をよそに子どもたちはテキパキと食材を切ったり、炒めたり、ホイルに包んだりと作業を進めます。
え?やったことあるの?っていうくらいのプロっぽい包丁さばきを見せてくれる子、余った食材でチャチャっともう1品作ってくれる子、デザート用のリンゴをウサギにしてくれたり、しばし調理室は笑い声にあふれていました。

 

◆お待ちかね、実食タイム♪♪

付け合わせのサラダとお味噌汁がそろって、立派なランチが完成!
鮭のホイル焼きなんか最初玉ねぎしかレシピに書いてなかったけど、予算内でうまくやりくりしたらエノキもシメジもキャベツもてんこ盛りに入りました。フライパンの蓋閉まらなかったもんね。
チキンソテーの鶏肉は1枚1枚が大きかったから、がっつりと食べられたよね。そぼろ親子丼もちょっと砂糖を入れすぎたかな?甘めのそぼろだったけどおいしく食べました。
各テーブルからはおいしいね、うまくいったね、あーここをもう少し工夫すればよかったね~などなど、高校生も大人サポーターも和気あいあいの雰囲気。リンゴの1/4切れじゃ、太ったウサギになっちゃったけど、耳も半分取れちゃってたけど、すべては結果オーライの大成功!でした。

 

◆睡魔との闘い

午後はひたすら座学。
午後最初の講義は「睡眠の話」。
そりゃね、散々騒いで、笑って、お腹いっぱいになったらもう寝るしかないでしょう?
ご飯もどんぶりいっぱい食べたし、なんだったらおかわりもしちゃったもんね。
だって、講師のキュリー夫人も睡眠は大事って講義してるもんね。いいよ、気持ち良かったら寝ちゃっても。こういうカリキュラムにした大人が悪いんだから。

 

しかし、子どもたちはひたすら耐えました。「医者の話」では虫歯とか放っておいちゃいけないよとか、「酒、たばこ、ドラッグの話」もたぶん、してた気がする・・・zzz

 

◆ストレスタイプ診断、ポジティブシンキング&ストレス発散

休憩をはさんでストレスタイプ診断をしました。
「ミスをすると、ずっと気にしている」「人の世話を熱心にするほうだ」など28の質問に、いつもそう、たまにはそうなどに分けて点数をつけていきます。

 

みんな宿題だったからちゃんと忘れずにやってきてくれていました。エライ!
点数を集計シートに書き移すと自分がどんなタイプで、どういったストレスをためやすいかがわかります。クヨクヨ型さんは過去に起きたことを、いつまでもクヨクヨと後悔してストレスをため込んでしまうから、気をつけようという具合です。
自分のストレスタイプがあらかじめわかっていたら、日常の生活でストレスをためないようにストレスと上手く付き合うことができるようになります。また、日常でちょっと嫌なことがあった時には、出来事の中にプラスの要素を見つけてみようねという、ポジティブシンキングについてもワークをしました。

 

ストレス発散はグループ内でどんなストレス発散をしているかを話し合いました。お風呂に入ってリラックスする、好きな音楽を聴く、友人とハグするなんていうのもおもしろいリラックス法だよね。
このセッションは高校生にはのちのち退所後に役に立ったという感想が出てくる実践的なセッションらしいです。高校生も眠気が飛んで、積極的に話し合いやワークに参加してくれました。

 

◆社会人の話(心が折れたとき)

今回は社会人のジロマールが、自身の転職の話や仕事やプライベートで起こったアクシデントで心が折れた時の話をしてくれました。
大事なのは日常で予期しない出来事があっても、どうやってそこから復活(回復)したのか経験談を聞くことです。これから進学や就職をして社会に出ると、心が折れる場面はあるかもしれない。そこからどのようにして自分を奮い立たせるか、時には誰かに相談してもいいんだよというメッセージは、高校生にとってとても参考になったと思います。

 

◆振り返りと、サンキューカード作成

今回みんなサンキューカードはいっぱい書いていたね。巣立ちも2回目、調理実習を通して友達も増えたんじゃないかなあ。

 

秋の気配が近づいて、チラホラと進学のための入試や就職のための面接の日程も聞こえてきました。第3回の巣立ちでも元気で明るい顔が見られますように。
本当に一日お疲れさまでした。気をつけて帰ってね。

 

(サポーター:バーボン)

大学・専門学校でIT系分野を専門に学ぶ児童養護施設出身の若者たちを、ジョブシャドウイングと奨学金で応援する「キャリア支援プロジェクト」に参加の「すもも」のジョブ体験レポートをお届けします。


【体験内容】

11:30〜12:00
スライドで会社について説明していただきました。創設者についても深く知ることができました。

 
12:00〜13:00
ビル内のラウンジに案内していただき、会社の方々とランチをさせていただきました。
 
13:00〜16:00
ジョブシャドウイングでは当日担当してくださった方の役割や今までの仕事、また、どのようにシステムやデータベースを作っているのかなどを教わったり、実際に社内見学をさせていただきました。

 

【1日間の体験から感じたこと】

今までの自分の発想にはなかった仕事内容や職種をたくさん教わったり、おすすめのサイトも教えていただき視野を広めることができるとてもいい機会でした。わずか半日でしたが、とても為になることばかりで、またこのようなイベントに参加したいと感じました。

 

【社員の皆さんから感じたこと】

雰囲気はアットホームでフレンドリーでした。目が合うとお互い笑顔で挨拶を交わしたりしていてとても居心地のいいところだなと思いました。また、エンジニアは技術力だけでなく、コミュニケーション能力も大事だと聞きました。普段の生活だけでなく、会社の中でも人とたくさん話すなどしてコミュニケーションスキルを延ばせるのも1つのメリットだと感じました。

 

【今回の経験を、今後どのように生かしていきたいか?】

職業体験だけでなく、社員の方とのお話やランチなどに参加させていただいたことによって、仕事内容に留まらず社員さん一人ひとりの人柄も見ることができました。人望も厚くとても優しい方々だったので私もこうなりたいなと思いました。
また、「セキュリティ関連の職に就きたい」という相談を受けてくれた社員の方には、詳細が載っているおすすめのサイトを教えていただいたり、プログラミングで最低限必要な知識など説明をいただきました。
この貴重な体験は職業選択やインターンシップ、知識の勉強やコミュニケーション能力向上に役立てればいいなと思っています。


※本プロジェクトは、日本オラクル株式会社とブリッジフォースマイルの協働プログラムです。

大学・専門学校でIT系分野を専門に学ぶ児童養護施設出身の若者を、ジョブ体験と奨学金で応援する「キャリア支援プロジェクト」。このプロジェクトの特徴は、実際に仕事をしてみるインターンとは違い、実際にその仕事をしている人に影のように寄り添い、その仕事内容や職場を観察する「ジョブシャドウイング」を体験できることです。

将来、IT系の企業で働きたいと考えている若者が参加しています。
まずは「すもも」をご紹介しましょう。


◆ 高校のころからITに興味をもっていました

高校生の頃からITに興味があり、この学校を選びました。
セキュリティエンジニアまたはセキュリティに携わる仕事をしたいと思っています。
いまは、ITに関する基礎知識、プログラミング、アルゴリズム、マネジメント、ストラテジ、テクノロジーなどの情報処理試験対策、MOS試験対策(Word、Excelの応用)を中心に学んでいます。
学費は、給付奨学金や高校時代にアルバイトで稼いだお金などで賄っています。

 

◆ 学生寮で一人暮らし。アルバイトは週に20時間ほど

いまは、一人で学生寮に住み、学校に通いながら、某ファストフードチェーン店のキッチンでアルバイトをしています。バイトは週に20時間前後です。
バイトで貯めたお金で生活費や学費を賄っています。ときどき趣味のことに使うのが楽しみです。

 

◆ このプロジェクトにワクワクしています

オラクルでこのような体験ができる機会があることがわかり、とてもワクワクしています。
職業に関するイメージが多少ついてきたところですが、エンジニアといっても幅広い分野であるため、自分がイメージしているもの以外にも、いろいろな仕事があるのではないか、と思っているので、今回、興味のある分野について学べることをとても楽しみにしています。


◆ すももの「ひとコマ」

今住んでいる場所の近くで、野良猫が6匹仲良く暮らしています。彼らは地区より去勢手術を受けていて近所の人々にも受け入れられ、ご飯も貰い、健康に育っているそうです。この写真は今年の5月頃に懐いてきた猫ちゃんです。後ろ姿がとても可愛らしくパシャリしてしまいました。

 


※本プロジェクトは、日本オラクル株式会社とブリッジフォースマイルの協働プログラムです。

キャリア支援

 

昨年に引き続き、今年も大学・専門学校でIT系分野を専門に学ぶ児童養護施設出身の若者たちを、ジョブ体験と奨学金で応援する「キャリア支援プロジェクト」の報告が届きました。

 

このプロジェクトは、IT系の企業で働くことを夢見て勉強をしている若者を応援したいという思いをおもちの日本オラクル株式会社とブリッジフォースマイルの協働プロジェクトです。

 

参加する若者から将来どのような仕事をしたいのかの希望を聞き、できるだけ希望に違い部門の社員に寄り添うジョブシャドウイング(※)などの体験の場をご提供いただきました。また、生活費などを稼ぐための日々アルバイトに忙しいという実情を踏まえ、就職活動期間のアルバイトを抑えられるように、就活期間のタイミングで奨学金を給付していただきます。

 

※ ジョブシャドウイングとは、実際に仕事をしてみるインターンとは違い、実際に仕事をしている人に影のように寄り添い、仕事内容や職場を観察することです。

 

今回のプロジェクトに参加するのは、将来、IT系の企業で働きたいという希望をもっている以下の若者たちです。

 

【すもも】

専門学校のネットワーク系の学科に在籍 1年生

  • ジョブ体験(ジョブシャドウイングなど)
  • 奨学金給付

>> 自己紹介はこちら  >> ジョブ体験レポートはこちら

 

【チャーリー】

4年制大学の政策系の学部に在籍 4年生

  • ジョブ体験(ジョブシャドウイングなど)
  • 奨学金給付

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t.s

4年制大学の経営系の学部に在籍 3年生

  • ジョブ体験(ジョブシャドウイングなど)
  • 奨学金給付

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【ヤキトリ】

専門学校のゲーム制作系の学科に在籍 2年生

  • ジョブ体験(ジョブシャドウイングなど)
  • 奨学金給付

>> 自己紹介はこちら  >> ジョブ体験レポートはこちら

 

2019年夏、彼らが体験したことを、彼ら自身の言葉で語ってもらいます。レポートが届き次第、順次公開していきます。お楽しみ!

目標500万円 ! 全国の”親を頼れない”子どもに届けるために

B4S初、クラファンを「社会問題と向き合う人のクラウドファンディング」Good Morning(グッドモーニング)にてオープンしました!

 

児童養護施設や里親家庭から巣立つ高校3年生向けセミナー「巣立ちプロジェクト」は一人暮らしに向けた“知識”“仲間”“生活必需品”を届ける、B4Sの看板プログラムです。

今年度参加の210名は、一都三県(東京、神奈川、千葉、埼玉)の児童養護施設で生活する高校3年生の約6割にあたります。

 

活動15年目のいま、増え続けるニーズゆえの、2つの大きな課題にぶつかっています。

①巣立ちを迎える高校生へプレゼントする生活必需品が足りない。今年は過去最大の合計630万円相当(一人につき3万円)が必要。

②「寄付品から、高校生が自分の欲しいプレゼントを選べること」を大切にしているため全員の希望をできる限り叶うようにする膨大なマッチング作業が発生

この課題の解決なしには、これ以上活動を広げることはできません。

 

これまで着実に地域展開のチャンスは形にしてきました。3年前に佐賀県に拠点をつくり、今年は熊本県でも巣立ちプログラムを実施中です。

全国の児童養護施設には「出張セミナー」という形で年間120回ほどお呼ばれしてきましたが、求められる支援に応えていくには、いまここで思い切って問題解決をするべきだと決断しました。

どうしたらもっと多くの子ども・若者に使ってもらえるかを考え続けて構想2年半。

「全国に支援を届けたい。」夢だけが膨らむ状況を打破すべく、クラウドファンディングに挑戦します。

応援よろしくお願いいたします。

開催日時・場所:2019/8/24 中央東京ブランチ
参加者数:高校生20人/ボランティア12人
テーマ:知ってトクするコミュニケーション
講師:ありぽん

 

児童養護施設を来年の春に退所予定の高校3年生、4年生を対象にした『巣立ちセミナー』がいよいよ始まりました!
これから半年間、全6回にわたって、社会人になって必要な知識を、仲間とともに学んでいきます。

 

記念すべき第1回となったこの日のテーマは『コミュニケーション』
就職しても進学しても、円滑に日常を送るために大切な、人とのかかわり方についてのセミナーです。

 

◆まずはお互いを知って覚えることから

初回は高校生もサポーターも初の顔合わせ。緊張しないワケがない!
そこでアイスブレークを兼ねて、お互いの名前を覚えるために『キャッチボールゲーム』をやりました。

 

ブリッジフォースマイルでは、高校生もサポーターもお互いをニックネームで呼びあいます。
まずは簡単に作った名札を首にかけてグループごとに円を作ります。スタートと同時に、一人が誰かのニックネームを呼んでボールをパス。それを数分間繰り返します。
最初は名札を見ながらだったのが、どんどんニックネームを覚えられました。

 

最後には部屋いっぱいに全員で大きな円になって、一人ずつ順番に名札を見せながら自己紹介。部屋の反対側の人にも聞こえるよう大きな声で!朝には緊張でほとんど無口だった高校生も不思議と声が出るようになっていて、一気に場の空気がほぐれました。

 

◆名札作成ワーク

キャッチボールの次は名札の作成。単に自分の名札を作るのではなく『インタビュー』を通じて知ったことを参考に別のメンバーの名札を作り、交換します。インタビューする人、される人、メモを取る人など、6人1グループでそれぞれ役割を決め、順番にインタビューをしていきます。

 

「好きな色は?」
「好きな食べ物は?」
「趣味は何ですか?」

 

自分の話をするなかなかない機会です。サッカー好き、スケボー好き、可愛いもの好きなど、みんなの「好き」がたくさん出てきました。途中、ゲームやアーティストの話題では、サポーターがついていけないくらい高校生同士で話が盛り上がりました。

 

◆不安に思っていることを書き出してみる

いよいよセミナーは巣立ちの本題へと進んでいきます。
次のワークでは、まず社会に出るにあたって不安に思っていることを、思いつく限り付箋に書き出していきました。
それを、心配なこと「お金」⇒「あ、それ自分も書いた!」といった具合に、KJ法を使って用紙に貼り付けグルーピングしていきます。
どんなものが出たか一部をあげると、

 

「お金」…家賃、光熱費、通信費、ゲームの課金
「仕事」…職場でうまくやっていけるか、人間関係
「健康」…自炊できるか、健康管理、保険のこと
「心のこと」…一人暮らしの孤独感、つらいときの相談相手
など。

 

一番多かったのは、やっぱり「お金」
一口にお金と言っても、「お金さえあれば何とかなるから」とそれしか書かなかった生徒から(なるほど!)、すでに手取り額や社宅の家賃がわかっている生徒のもっと具体的な心配まで、さまざま。

 

「健康保険のほかに、毎月貯蓄になるようなのもあるんだよ」
「えー、知らなかった!」(メモメモ…)
大人顔負けに色々なことに興味をもつ高校生も!

 

他の人の話を聞くうちに、新しく不安なことに気づいて付箋を書き足したりと、イメージを広げるきっかけになったようでした。

 

◆お待ちかねのランチタイム♪

午前中の時間を少し押してみっちり学んだあとは、ほっと一息ランチタイム。
日替わりハンバーグなど数種類のお弁当、サンドイッチ、冷やしうどんなどから好きなものを選びました。大人向けに用意したつもりの助六寿司が意外と大人気。「いなり寿司大好きなんです~!」大喜びでほおばる様子にほっこりです。
ペットボトルのドリンクバーとお菓子コーナーのほか、インスタント味噌汁とポットも用意されました。
「味噌汁がしみる~!」お昼時の温かい飲み物は良いですね。
BGMで好みの曲が流れるとまた話が盛り上がり、ワイワイとリラックスした時間を過ごしました。

 

◆仕事するうえでの大切なコミュニケーション「ホウ・レン・ソウ」

午後は、実際に起きた事例をもとにグループワークを行いました。

 

【事例】
涼しい屋内の部署からエアコンのきかない工場に部署移動になったA君。
もとの部署に戻りたくて、上司や同僚に相談した際、

 

「今の仕事を辞めたいのですが…」

 

と言ってしまったところ、話がトントン拍子に進んでしまい、仕事と社宅だった住まいまで失ってしまうことに。
さて、A君は、どうすれば良かったのでしょう?

 

グループで話し合い、中には「私も学校を辞めたくなったことがあって…」「僕もついこの前、部活を辞めようと思って…」と、自分の体験を話してくれる高校生もいました。ほかの生徒も、自分のこととして真剣に耳を傾けていました。
学校や施設では、気持ちを察して先生や周りの人が止めてくれますが、会社では言葉そのままに受け取られてしまうことがほとんど。察してくれるだろう、は危険だよ、という社会の厳しさ、難しさを習いました。

 

◆正しく伝えるって難しい!『コミュニケーション伝達ゲーム』

内容が間違って伝わってしまうと思わぬ大惨事になってしまうコミュニケーション。
では、正しく伝えるにはどうしたら良いでしょう?
実際に体験するために『コミュニケーション伝達ゲーム』をやりました。

 

グループの代表が1枚の絵と、2つのNGワードを見せられます。
生徒はそれを記憶してグループに戻り、NGワード以外の言葉で絵の説明をします。メンバーは説明をもとに絵を描きます。

 

説明役が「これは絶対に伝わる!」と自信をもって言ったことが「なんでそうなっちゃうの~?」となったり、右と左を間違えて全員が反対に描いてしまったり、簡単な図形がなかなか描けず四苦八苦。
「左に、1対1対ルート2(三角形のこと)」「右に、テンション下げ~(下向き矢印のこと)」わかんないよー!
メッセージを送る側と受ける側、両方の立場を体験して、どうすればより伝わりやすいかを体感しました。

 

◆振り返りと、サンキューカード作成

最後に一日の振り返りと、この日同じグループでともに頑張ったメンバーに、サンキューカードを書きました。
カードはグループメンバー全員にそれぞれが1枚ずつ、その日の感想や良かったことなどを書き、声に出して読みあげ「ありがとう」と手渡します。これは、本当に嬉しい!
もらったカードは半年間ファイルに貯めていきます。終わるときにはきっとステキな思い出の品になることでしょう。

 

振り返りでは「座学は嫌いだけど、これなら楽しく続けられそう」という頼もしい声も聞かれました。次回も全員が元気に出席してくれることを楽しみにしています!

 

(サポーター:くわちゃん)

Bridge for Smile

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