2018年12月
【活動報告】2018年、今年もたくさんの退所した若者と交流しました
アトモプロジェクトは、退所者たちが施設を巣立った『後も』、前向きな気持ちで自分自身の人生を主体的に形成していくことを支援する活動です。
教養、趣味、娯楽など多彩なテーマを掲げ、交流会を定期的に開催しています。今年もたくさんの集まりがありました。そのうちのいくつかをご紹介していきます。
退所者30名、サポーター43名が集まりました。
今年の4月に社会人になった子どもたちから、7〜8年前にB4Sのイベントに参加していた若者まで、年齢もバラバラ。「久しぶり」「元気だった?」とお互い笑顔で話していました。
退所者も、サポーターもみんな一緒に、プレゼント争奪じゃんけん大会で盛り上がり、次のアトモイベントを投票で決定し、フラダンスもやりました!
今回は部屋ごとにテーマを設け、皆で盛り上がりたい人、ゆっくりお喋りしたい人など、参加者が思い思いの過ごし方をしていたのも印象的でした。
◆BBQアトモ(5月開催)
辰巳の森海浜公園にて、バーベキュー実施。
鬼ごっこやだるまさんがころんだをして、思いっきり遊びました!
この日集まったのは、退所者24名とサポーター16名。
快晴で絶好のバーベキュー日和でした!
お肉や野菜、焼きそばなどを調理しながら皆で楽しく過ごしました。
退所者の中には小さなお子さん連れで参加してくれた方も!
食べる喋るだけでなく、広場で元気に鬼ごっこやだるまさんがころんだもしました。いつの間にか隣のグループの少年も交じって(笑)、みんな汗だくになりながらも童心に帰って走り回りました。
普段は屋内でのイベントが多いですが、今回は開放的な雰囲気で退所者もサポーターも思いっきり活発に過ごせて、お互いまた違った面が見られてとても充実したイベントでした。
◆アトモバスケ(11月開催)
都内のある児童養護施設の体育館をお借りして児童養護施設出身の若者と社会人ボランティアが集まり、バスケットボールを楽しみました!
参加者は、若者6名、社会人ボランティアが5名の、計11名。
5対5の試合を、延々と繰り返すハードなスケジュールとなりました。
大人側の体力が保つかが、大問題ではありましたが(笑)、バスケが得意な人も、そうでない人も、老若男女も関係なく、チームを組み替え、白熱した試合が続いて、かなり盛り上がる展開に。
この日の得点王(?)は、なんと女性の若者でした!!
普段はなかなか思いっきり運動できませんが、こうやって皆で集まってスポーツするのは、よいものですよね。
次は違う種目で集まりましょう!
◆クリスマス アトモ (12月開催)
なかなか忙しい年末の時期でしたが、大人と若者合わせて40人ほどの参加者が集まり、パーティは大盛況。
料理やお菓子を食べながら、他の人と楽しくお喋りしたり、TVゲーム部屋や漫画部屋、ウクレレ教室などがあり、自分の興味のあることを楽しむ人もいました。
景品付きのビンゴゲームもありました。
予定があってイベントを最後までいられないという若者も、ビンゴゲームを楽しみに参加したと聞いて嬉しい限り。
4月の『同窓会アトモ』で集まった時と比べて心なしかみんな大人びているように見えました。
施設を出て色んな人との出会いや経験を重ね、ちょっとずつ変化が出ているのでしょうか。
今後も楽しめるイベントを定期的に開いて、
彼・彼女らの成長を見守りたいと改めて感じました♪
◆年末 アトモ (12月開催)
「大晦日も誰かと一緒にお喋りしたい…」
そんな声に応えるべく、年末アトモを開催!
参加者、スタッフ、ボランティアのみなさんとみんなでワイワイ楽しく過ごしました。
都内某所のお洒落で素敵な場所をお借りして、企業様からご寄付いただいたおせち料理や食材やお菓子をはじめ、ボランティアさんお手製の手料理やその場で作ったお鍋など、とっても豪華な料理を食べてのんびり過ごすひととき。
さらには、持ち込みでPlayStation VRやNintendo Switchも揃い、普段なかなかできないようなゲームをして楽しむこともできました。
イベントが終わりに近づいてきて「帰りたくない〜」と、名残惜しそうにしてくれる若者もいたりして。みんなが心温かくなれた気がしたイベントでした。
2018年も沢山の笑顔に出会えた良い年でした。来年もまた色んな素敵な出会いがありますように!
巣立ちプロジェクト2018~第5回 「しっかりさんのオサイフ事情」@西東京Bブランチ
開催日時・場所:2018/12/15 西東京Bブランチ
テーマ:しっかりさんのオサイフ事情
参加者数:高校生15人/ボランティア13人
講師:ありぽん
2018年最後の第5回巣立ちセミナーでは、社会に出た時に誰もが関係する“お金”、“税金”、“社会保障”について学んでいきます。
でもこの内容、実は社会人でもしっかり説明できる方は少ないんじゃないでしょうか?
これから先、何が起こるかわからないからこそ、
『事前に教えてくれたらよかったのに!!』
とならないためにも、伝えたいメッセージを絞った説明が続きました!
◆お金、税金、社会保障って??
自己紹介から始まり、“自分が本当に困ったときに捨てていく順番”がわかる心理テストを通して本題に入っていきました。
お金のイメージって?
税金のイメージは?
など、いろいろとグループで会話したり、全体でシェアしあったりコミュニケーションをとっていきます。
「税金は無駄遣いされてる」
「寝ている国会議員の給与」
など中には不満を持っている意見もでたりしながらも、今回学んでいく内容をイメージできるようになっていきました。
2つのケーススタディを通して、社会保証について、よりイメージできるようにしていきます。
登場するのは、アドバイザー的ポジションの“しっかり先生”と実際の相談役ポジションの“A君(ケース1)”“C君(ケース2)”。
しっかり先生をボランティアの方が、相談役のA君、C君を高校生が担当し、参加者全員でケースを読み合わせながら進めていきました。
なにより高校生のなりきり方のセンス◎!
ものすごく感情や抑揚が効いた読み合わせに、それぞれの個性が引き出せつつ楽しく学んでいました。
実際に行った事例をご紹介すると・・・
【ケース1】
会社を辞めてフリーターとして働くAくん。
ケガをしてしまったけれでも、健康保険に入っていないが為に多額の治療費が必要に!
お金のやりくりに困ったAくんは、闇金にも手をだしてしまい、借金も返せなくなってしまう・・・
【ケース2】
仕事に不満のある正社員Cくん。
現状手取りが多いフリータの友達みたくフリータになろうと思っています。
そして、社会保険の違いや生涯年収など、違いを確認していきます。
最初は「フリーターの方が自由でいい~」って言う高校生もいましたが、この違いを知ってからは、「正社員がいい~」と変化が起きたケースワークになりました。
◆ランチタイムはクリスマス仕様で!
今回は12月なので、お昼もいつもよりも少し豪華に!!
ピザやフライドチキンなどクリスマスっぽいランチタイムになりました。
普段あまり食べる機会が少ない子もいたり、「おいしい~」とみんなよく食べていましたぁ。
そして相変わらずですが、全ブランチの中でも西東京Bブランチよりフリーな所はないんじゃないか!って思うほどフリーです。
楽器を持ってきて演奏してるボランティア!
それに合わせて歌っている高校生。
他の場所ではダンスを始めたり、スマホで一緒にゲームしたり、会話を楽しんだり!
回によってはミット打ちが始まったりもします!
参加メンバーにとって、本当に安心安全な環境を生み出せてるなぁ~と思います。
◆ミッションゲーム
午前中に話した内容を、実際に体験を通して更に深めるのがミッションゲーム!!
4月からの新たな生活が始まる中で、自分は会社員なのか、フリーターなのか、学生(昼間または夜間)なのか?
実際の生活を想定した役割に分かれてミッションに取り組みました。
このゲームの目的は“手元にお金をより多く残すこと”。
収入をもとに、税金や社会保障、前回学んだ一人暮らしの費用や、他にもプライベートで発生する様々なイベントを乗り越え、手元にお金を残すためにやりくりしていきます。
最終的にプラスになった高校生、マイナスになってしまった高校生など、いろいろでしたが、毎月のやりくりの大切さに気づけたのではないでしょうか。
今回の午後の休憩タイムもイベントづくし!
スペシャルゲストのサンタがプレゼントを配りに登場!
クリスマス仕様のドーナッツを配ってくれましたぁ~
高校生同士、競ってドーナツの写真を
撮ったり、サンタの登場にとても喜んでいる風景にほのぼの~
これまでにない、高校生、ボランティア全員が一体となって、楽しんだ休憩タイムになっていました。
◆社会人の話
最後の締めの社会人の話は“ガースー”から!
限られた時間のなかでほぼ半生記のような濃い内容を、オープンに話てくれました。
多人数の前で話すのは、難しい部分もあったかと思いますが、やはり当事者(経験者)の言葉だからこそ、本当の意味で彼らに寄り添えると感じさせてくれました。
そしてなにより、同じ環境にいた人が立派な社会人でいるということが高校生にとって心強いと感じました。
◆全体を通して
今回の内容は、前回の不動産の内容と同じく現実感を持ちづらい内容でしたが、ボランティア含め全員でサポートして進められていました。
高校生の中には、一番「メモとった~」という発言があったり、高校生同士での節約術をシェアし合ってたり、社会人からの節約術や無料で遊ぶための工夫シェアだったり、全体通してコミュニケーションが生まれてました。
そして、毎回他のブランチから振り替えで参加する高校生もいますが、ギクシャクした感じもなく交流がうまれてるのは素敵だなぁと思います。
いよいよ巣立ちもラスト1回!!
来年もこのメンバーで楽しくやりきっていきます。
サポーター ありぽん
【活動報告】BNYメロン「中学生のための面接対策セミナー」
開催日時:2018年11月10日
子ども参加人数:8人
内容
・座学と実習:マナー講座
・ワーク:自己PRシート作成
・ロールプレイ:面接練習
・ランチ
・振り返りセッション
・グループワーク:集団討論
ニューヨークメロン銀行東京支店は、世界36カ国に事務所を持つ米国の大手金融機関であるニューヨークメロン銀行の東京支店として1973 年に開設されました。日本の投資家が世界の金融市場で行う資産の取引、運用、管理に対して、先進的金融サービスを提供されています。
今回は、東京駅日本橋口からほどちかい、丸の内トラストタワー内のオフィスでジョブプラクティスが開催されました。中学校3年生の子どもたちが高校入試や将来に備えて面接や集団討論の練習を経験し、その後は美味しいランチを食べながら交流しました。
◆座学と実習:マナー講座
はじめに、4~5人1組(子ども2人と大人2~3人)でテーブルに座り、自己紹介したあと、面接の対策を学びました。
ハッキリと話す、明るい笑顔で、背筋を伸ばす、などなど、面接には様々な注意点があります。「全部は無理でも1つ自分で目標を持って臨もう」というアドバイスが講師からありました。
身だしなみについての注意も説明されました。その後座り方やお辞儀のきれいさを実際に試して、大人がチェックしました。
◆ワーク:自己PRシート
次に、面接でアピールする内容をまとめる自己PRシート作成を行いました。
中学生の部活での経験談などを聞いた大人たちが「それは協調性があるということだね」などそれぞれの良さを言葉にまとめていったり、面接官の経験のある大人が面接官の立場でどんなことを期待しているかを説明したりしながら、自己PRシートの作成をサポートし、中学生はそれを聞きながらシートを完成させていきました。
中学生自身が自分で気がついていない長所の発見もあったようです。
◆ロールプレイ:面接練習
その後は中学生1人と大人1~2人が組になり、事務所内に沢山ある小さめの会議室に分散。組を変えて計2回、実際に面接の練習を行いました。
そのような部屋に入るのもはじめてであろう中学生たちは「緊張します」と言いながら会議室のドアをノックし、面接練習に挑んでいました。
面接練習後は、中学生も面接官役の大人も振り返りシートにそれぞれの良かったところ、もっと良くしたらよいところについて記入し、それに基づいて振り返りを行いました。「うまくできた」とほほ笑む頼もしい中学生もいました。
◆ランチ
お洒落なサンドウィッチやピザ、それにマカロンなどのお菓子を食べながら、部活や学校のこと、学校や生活の今と昔の違いなどいろいろな話をして中学生と大人が交流しました。「結婚生活ってどうですか」などなかなか難しい(?)質問も飛び出しました。
◆グループワーク:集団討論
最近の高校入試では集団討論が行われるケースがあります。
まずは、自分の意見をキチンと言うことだけでなく、人の意見をキチンと受け入れる、高校や会社の求める人物像を把握してそれに沿って討論する、といった心構えから、強調したいとこはゆっくり話す、といった“テクニック”的なことも学びました。
その後は大人による実践。大人たちは様々ないい例、悪い例を演じましたが、中学生たちはしっかり見抜いていました。
集団討論では、どんなところに気をつけたいか、大人とペアになって目標を確認してから、中学生による実践。「18歳は大人か」というテーマで6分間集団討論をしました。
「大人だ」「まだ大人じゃない」「どちらともいえない」、意見はそれぞれですが、それぞれが結婚や選挙権、お酒・タバコなど様々な題材を引き合いに、また“テクニック”も織り交ぜながら意見を言いました。
「年齢ではなく個々人の自覚の問題」「ある年齢になったら自覚を持つようすべき」など大人もハッとさせられる意見が沢山出ました!
最後は目標にしていたことができたか確認のうえ、別テーマで再度実践。中学生のしっかりした討論ぶりに大人は関心しきりでした。
はじめは緊張していた子どもたちですが、徐々にリラックスした雰囲気になりました。中学校3年生でこのような、知らない大人との面接練習の機会を持つことは稀です。東京のど真ん中の立派なオフィスの会議室で緊張する経験をすれば、きっと他の面接の機会でも大丈夫でしょう。
ニューヨークメロン銀行の皆様、ブリッジフォースマイルサポーターの皆さん、この度はお忙しいなか、ありがとうございました!
[Co-yell始動:参加者募集]『親を頼れない子どもたちの不公平』を変えていくチャレンジ!
Co-yell(コーエール)始動!
「親を頼れない子どもたちの不公平の解消」を目指し、新たなプログラムがスタートします。
Co-yellは、同じ問題意識を持つ人たちが立場を越えて協力し、明日を変えていくために行動を起こしていくプログラムです。
7月に開催予定のイベントでは、“親を頼れない環境で育った当事者たちによる思いを語るスピーチ”と“活動家による課題解決に向けたプレゼンテーションコンテスト”を行い、この問題に関心を持つ観客に協力を呼びかけます。
登壇者は、イベントまで5ヵ月間かけて準備をします。
いまこの瞬間も不公平に苦しんでいる子どもたちの状況を変えるため、ぜひ多くの方のお力を貸してください。
◆今回、参加者募集をするのは、以下の人たちです。
・不公平を経験した若者(当事者スピーカー)
・不公平を解消するために行動している人(支援活動プレゼンター)
◆不公平の事例
・虐待、または十分な養育を受けられずにいる子どもたちの状況
・児童相談所に保護された後、子どもたちを育てる仕組みが不十分な状況
・幼少期に親を頼れなかった環境が原因で、問題行動に至っている10代の若者の状況
・親の経済的困難から学習が遅れている子ども、大学等への進学を選べないでいる若者がいる状況
・虐待の背景にある経済的、時間的、精神的に余裕のないひとり親が追い詰められている状況 など
◆募集要項
詳細は、それぞれ募集要項をご覧ください。
締め切りは、1月21日(月)です。
申し込み者には、順次面接を実施いたします。
1、不公平を経験した若者(当事者スピーカー10名)
[PDF]当事者スピーカー募集要項
2、不公平を解消するために行動している人(支援活動プレゼンター10名)
[PDF]支援活動プレゼンター募集要項
[word]支援活動プレゼンター応募書類
巣立ちプロジェクト2018~第4回 「しっかりさんの一人暮らし」@西東京Aブランチ
開催日時・場所:2018/11/18 西東京Aブランチ
テーマ:しっかりさんの一人暮らし
参加者数:高校生17人/ボランティア18人
講師:キュリー夫人
8月に始まった巣立ちセミナーも、早くも後半編。第4回では、施設退所後の一人暮らしに向けて必要な準備や金銭管理、トラブルの回避方法などについて学んでいきます。
今回の講師はキュリー夫人。ご自身で会社を立ち上げ、運営している経験や、最近したという引っ越しの話も交えながら、一人暮らしのポイントについて、面白くかつ分かりやすく説明してくれました。
4回目ということもあり、高校生たちも慣れてきたのかリラックスしている様子。お茶やお菓子、他の高校生との会話も楽しみつつ、セミナーが始まると、講師の話に真剣に耳を傾けていました。
お金、どうやって使う?
まずは、お金の使い方を考えるためのアイスブレイク。「10円、100円、1000円、7000円、10万円あったら何に使う?」という問いから、普段のお金の使い方を考えます。「貯金する」という堅実な答えから、「服を買う」「1日かけて遊ぶ」など、人や金額によって答えは様々。今後のお金の使い道について考える良いきっかけになりました。
次は、施設を退所した後の生活をイメージするワーク。今の休日の過ごし方と、退所後の生活はどう変わるのかを考えます。多かったのが、「家事を自分でしないといけない」「とにかくお金が必要」という意見。身の回りのことや金銭管理など、何でも自分でしなくてはいけない一人暮らしについて想像することで、4月以降の生活についてイメージが膨らんだのではないでしょうか。
いざ、一人暮らしの物件探しへ
そして、いよいよ実際の物件情報を見て、どんな部屋に住みたいかを考えていきます。立川駅周辺のいくつかの物件情報を見ながら、「この部屋良さそう!」などと、気に入った物件に目星をつけます。
部屋の広さは、長い毛糸のヒモを使って実際に体感。4畳半、6畳、8畳の広さのヒモの中に入ると、「意外と広いね」「いや、でも家具を置くとー」などと、間取りを見るだけでは分からなかった具体的な広さのイメージができたようです。
駅からの距離、防犯、トイレとお風呂は別かなど、こだわる条件は人によって違いましたが、「鍋パーティをするならこの広さでは足りない!」など、今後の楽しそうな生活のイメージもばっちりできていました。
12時になり、お待ちかねのランチタイム!今回はのり弁やチンジャオロースなど、彩り豊かな4種類のお弁当を用意。「じゃんけんに負けたグループから選んでOK」というルールにしたため、じゃんけんの弱い代表者が選抜されて、じゃんけん大会が行われました。
さらに、ボランティアからの差し入れで、大量のみかんが! 高校生たちも朝からみかんを手に取っており、机の上にたくさんのみかんが並べられている光景はなんだかほっこりとしました。
一人暮らしに必要なこと
お昼ご飯もしっかり食べて休憩したところで、午後は、契約時に注意するポイントについて見ていきます。ネットや紙の情報だけではなく、実際に物件を見に行って周囲の環境についても知ること、契約書の説明を聞いてわからない点があったら必ず確認すること、などの説明がありました。
また、一人暮らしを始める時には、様々な手続きをする必要があります。水やガスなどのインフラから、郵便物の住所変更届まで、「何の手続きをいつやるか」をグループで考えるワークでは、「引っ越しってこんなに沢山やることあるんだ! 忙しいから、早めに準備しておかなきゃ」という感想が出ていました。
続いて、生活必需品のリストをもとに、何を揃えるか、全部でどのくらいの費用がかかるかを計算します。洗濯機、テーブル、カーテンなど、必要なものは多く、先ほど選んだ物件の家賃なども合わせて計算すると「初期費用が40万円を超えてしまった!これはダメだ」と、住む部屋から見直す高校生もいました。
ここで、社会人の体験談コーナーです。大家さんが夜逃げ(!)して、敷金が返してもらえなかった話、家賃を値切ったら安くなった話など、実際の体験に基づく話に、高校生たちも興味深そうに話を聞いており、「私も家賃を値切ってみる!」と意気込む姿も見られました。
怖いトラブルに要注意!
続いて、一人暮らしで気をつけたいトラブルについても学んでいきます。鍵はきちんと閉める、隣人がどんな人か注意するなど、一人で暮らす上での防犯のポイントや、架空請求詐欺、携帯代理契約、スカウト商法などの詐欺的なトラブルについて困った時の相談窓口が紹介されました。
最後のケーススタディでは、高校生たちがトラブル事例を役に分かれて演じました。仕事でのトラブルについて、「早めに施設などに相談すべき」「辞めたいと簡単に会社の人に言ってはいけない」など、仕事は生活に直結する問題であるだけに、慎重に行動すべきだという感想が多く聞かれました。
社会人の体験談では、マルチ商法に3回も誘われたという体験からの教訓として、怪しいと思ったらすぐ逃げること、早めに周囲や専門機関に相談することという話がありました。「何かあったらすぐ相談してね」というメッセージが、高校生たちにも届いたのではないでしょうか。
今日の学びを振り返って
振り返りでは、「やっぱりお金は大事なので貯金する」「一人暮らしに備えて早めに準備しておく」などの意見が出て、みんなそれぞれに、4月以降の新生活に向けての目標や課題が見えてきたようです。
サンキューカードも、「たくさん書きたい」と言って時間をかけて書いている高校生もおり、少しずつ他の高校生やボランティアとの距離も縮まっているようで嬉しかったです。
帰りは、会場の片付けを手伝い、ボランティアの解散まで会場に残っていた高校生も! セミナー中には、「あと2回で終わりなんだね。3月まであればいいのに」という声も聞かれ、長く過ごしたいと感じられる、居心地の良い雰囲気作りができていたのなら良かったな、と思いました。
早いもので、巣立ちセミナーも残り2回。次回はクリスマスということで、高校生たちもかなり楽しみにしている様子。来月もまた、巣立ちに向けて一緒に学んでいきたいです!
サポーター ラッシー