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奨学金支援プログラム「カナエール」終了について

2017年3月31日

奨学金支援プログラム「カナエール」終了について

 

NPO法人ブリッジフォースマイル
理事長 林 恵子

いつも児童養護の子どもたち、そして当団体をご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

さて標記の件、2017年度を以って当プログラムを終了することとなりました。以下のとおり、昨今の社会情勢の変化などプログラム終了の決断に至った理由、今後当団体が目指す方向性について詳しく説明をさせていただきます。

 

◆プログラム終了の理由

カナエールは、児童養護施設等を退所する子どもたちが経済的な理由から夢を諦めることがないよう、奨学金支援で進学の道を拓くことを目指したプログラムです。学費や生活費全部を出してはあげられないけれど、少しでもアルバイトを減らし時間の余裕が持てるよう、卒業まで毎月3万円の奨学金を支給してきました。また、お金の支援だけではなく、卒業までの苦しい生活を乗り越える強さを持ってもらえるよう、意欲面からの支援も行ってきました。

嬉しいことにカナエールを始めてから7年間で、企業や財団などによる奨学金支援は格段に増えました。大学でも学費減免などの制度が整いつつあります。また、「子どもの貧困」が社会問題として注目される中、昨年3月には厚生労働省が社会的養護の子どもたちへの生活費を実質給付することを発表、12月には文部科学省が経済的に困難な進学者たちへ返済不要の奨学金を給付することを発表し、国による公的支援が大きく前進しました(制度の詳細は参考資料1をご参照ください)。制度の浸透は段階的であるにせよ、「お金」が理由で進学を諦めなければいけないという問題は、今後解消されていくと予想されます。

NPOは公的支援の届かないところへの支援や、潜在的な問題を顕在化する役割を担っていると考えています。当団体は、自立支援、退所後支援が確立されていなかった時から、仕組みを作るところにチャレンジしてきました。私たちがカナエールで取り組んだ、児童養護施設の子どもたちの進学のための資金不足という問題に対し、国を含め多くの取り組みが始まったのであれば、私たちはまだ解決策の見つからない問題に限られた資源を集中していくべきだと考えました。

 

◆今後の支援活動

初回から今年度コンテストまでのカナエルンジャーに対する支援は、これまで通り卒業まで継続いたします。カナエルンジャー全員の卒業までの奨学金については、開催年度毎に必要となる奨学金を積み立ててきておりますのでご安心ください。定期的な面談など、卒業までの見守り支援も続けていきます。

カナエール横浜につきましては、横浜市こども青少年局との共催という形で実施してまいりました。奨学金の支給、および卒業までの見守り支援は、事業受託の一環として今後も継続してまいります。

これから、中退予防および中退者への支援は、ますます強化していく必要があります。なぜなら、施設退所者の中退率(約25%)は、全国平均の約3倍と高く、その理由はお金の問題だけではないことを私たちはカナエールの経験から知っているからです。経済的なハードルが下がったことで、将来の目標がはっきりしないまま、とりあえず進学の道を選ぶ子どもも増えるでしょう。つまり、中退者がますます増える可能性があります。中退を予防するためには、何のために進学するのか、早期からのキャリア教育が欠かせません。また、中退してしまった場合でも就労支援など生活の立て直しが必要です。

また、生活費貸付支援は、大学等を卒業後に継続して就労することが返済免除の条件となっていることから、施設退所後の支援期間はますます延びていくことが予想されます。いざ困ったときに頼れる存在となるために、当団体は何をすべきか。何ができるのか。経済的支援だけでは解決しない問題、退所者が必要とする支援を徹底して考えていきます。これからの当団体の活動、新しいプログラムにご期待ください。

 

◆これからも応援の輪を

カナエールは7年にわたり計124名の奨学生カナエルンジャーを迎えることができました。すでにコンテストに出場し、大学等へ進学したカナエルンジャー96名に毎月奨学金を届けることができました。カナエルンジャーたちに届けられる奨学金は、総額1億4,300万円にもなります。

これもひとえに多くのみなさまに様々な形でご支援いただきましたおかげです。この6年間のご支援者は、数えられるだけでも、ボランティア延べ560名、奨学金継続サポーター460名、来場者延べ約5000名、協賛企業は78社にも及びます。これだけ多くのみなさまに応援していただいたカナエールを終了することは、寂しくもあります。しかしながら、これは多くの方のご関心、ご支援が後押しとなって大きな社会変化を起こすことができた結果と考えています。生まれや育ちのハンディキャップを抱えた子どもたちに、大学進学の大きな希望をつなぐことができました。これほど幸せなプログラムの終了はありません。最後の年となるカナエール2017では、3拠点で合計24名のカナエルンジャーが舞台に立ちます。ぜひ、最後のスピーチコンテストにご来場いただけましたら幸いです。

一方で、子どもたちが抱える問題は、お金の面だけではありません。将来に向けて「安心感」と「希望」を持てるかどうかが、大きな鍵となります。そのためには、早期からのキャリア教育、施設等を巣立った後の継続的な支援体制、そして多くの応援者の存在が欠かせません。

何卒引き続き、児童養護の子どもたち、そして当団体へのご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

奨学金支援プログラム「カナエール」終了について(2017年3月31日)
参考資料1:社会的養護の子どもたち向け奨学金一覧
参考資料2:カナエールがこれまでに支援した子どもたちの状況
参考資料3:カナエール資金状況

◆お問い合わせ先
ご質問は、以下の担当までお願いいたします。

植村百合香 yuemura★b4s.jp(★を@に変えてください)

 

継続サポーター、正会員、B4S賛助会員のみなさまへ:
ブリッジフォースマイルより、ご連絡を差し上げております。

 

 

以上

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