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【イベント報告】映画『隣る人』上映会&トークセッション

2013年11月21日(木)13:30~、東京都千代田区にある、パソナグループ本社で、映画「隣る人」の上映会と座談会が開催されました。
イベントには約120名の方が参加、お子様連れの方や、若い方の姿もたくさん見られました。
座談会では、現役の児童養護施設職員4名(臼井由智さん、広瀬朋美さん、梅山哲也さん、黒川未帆さん)とブリッジフォースマイル(B4S)代表の林恵子により、児童養護施設の現状などについて語られました。

■映画『隣る人』
映画「隣る人」は、フィリピンやインドネシアなどの児童問題を取材してきた刀川和也監督が児童養護施設(光の子どもの家)を8年にわたって密着し、日常を淡々と丁寧に描いたドキュメンタリーです。
刀川和也監督は「付属池田小事件」をきっかけに、犯人の背景に虐待が関係している事を知り、虐待について調べていく中で、児童養護施設(光の子どもの家)の理事長である、菅原哲男さんに出会いました。
菅原哲男さんは、映画の原作である「誰がこの子を受けとめるのか(光の子どもの家)の記録」の著者であり、「隣る人」という言葉を生み出した方です。菅原哲男さんは、隣る人をこのように説明されています。
僕は居続ける人のことを「隣る人」という造語で呼んでいます。
「どんなことになっても、絶対に逃げないから大丈夫だ」、そう言ってくれる人が「隣る人」であり、それは誰にとっても必要だと考えています。

ナレーションもテロップもBGMもない、映画「隣る人」は、無意識に誰かに頼らざる得ないほど、弱い存在の子どもにとって、存在を丸ごと受けとめ、愛情をもってやさしく傍にいてくれる人がいかに大切かを語りかけます。

B4Sイベントとしては過去最多に近い来場者数でした

B4Sイベントとしては過去最多に近い来場者数でした

秋晴れの下、上映会は和やかな落ち着いた雰囲気で始まりましたが、上映が進むうちに、日常のリアリティに引き込まれ、会場内は静まり返り、参加者の方々は皆、真剣な眼差しで、スクリーンを見つめていました。
今回はメイン会場のほかに、授乳スペースも設け、お子様連れの方も安心して鑑賞していただけるようになっています。又、途中、座席を離れて、会場後方のスペースでお子様をあやしながら映画を観賞している方の姿も見られました。

真剣なまなざしで見入っています

真剣なまなざしで見入っています

■児童養護施設の実態
映画上映の後は、現役の児童養護施設職員の方々とB4S林代表による座談会です。

最初に、児童養護施設の形態についてお話を伺いました。
一つの大きな建物で全員が生活する施設(大舎制)や少人数で生活する施設(グループホーム)等、様々な形態がありますが、近年は、大きな集団から、より子どもたちと密接に関わる、里親・ファミリーホームを推進しているそうです。
※ファミリーホーム(小規模住居型児童養育事業)は、児童養護施設、里親制度と並ぶ新しい児童養護のかたちとして2009年4月に制度化されました。里親は夫婦か片親で育てるのに対し、親となる養育者を3人以上置いてすることが条件となります。一般の住宅で開設できますが、預かる児童の定員は5、または6人で、養育里親が同時に預かることができる人数(4人)より多く、職業として運営できることが里親との違いです。

座談会にご登壇頂いた現役の児童養護施設職員の方々 左から(B4S林代表、臼井由智さん、黒川未帆さん、梅山哲也さん、広瀬朋美さん)

座談会にご登壇頂いた児童養護に携わる方々
左から(B4S林代表、臼井由智さん、黒川未帆さん、梅山哲也さん、広瀬朋美さん)

職員の方々からは、愛着関係を築くことの大切さ、そして難しさについて体験を通して語っていただきました。
児童養護施設職員の黒川未帆さんからは、ご自身の体験を通して、子ども達からの日常の暴力行為や暴言等の、職員が抱えるストレスの問題について言及がありました。暴力行為や暴言は、子どもから大人への愛情の試し行動として出る場合もある。それをいかに解決していくか、若いスタッフにはベテランのスタッフのサポートなど、相談できる環境と周囲の協力がとても大事だと語られました。

B4S林代表からは、「愛着が子どもの養育の中で大切と言われているが、どのように関係を築いていけば良いか」質問が投げかけられ、児童養護施設職員の方々に、日々の関わりの中で感じている事をお話しいただきました。

臼井由智さん「人との関係作りがうまく作れないのは親との関わりが関係している。施設で裏切ることをしてしまえば、傷つけてしまう。他人であっても出来る事はいっぱいある。(子どもが)、悲しい時、苦しい時に、安心感というものを子どもの時のスキンシップ(だっこしたり、頭をなでたり)を通して、心のよりどころを作ってあげる事が大事」

広瀬朋美さん「自分自身で自分をコントロールできるのは、小さい時に培った愛着が関係している。信頼している人が近くにいなくても、心にいるから頑張れる」

愛着関係から依存関係に陥ってしまう難しさなど、職員の方々は日々悩み、傷つきながらも、子どもたちの幸せを考え行動されている姿に、会場の参加者からは、深くうなずき共感している姿が見受けられました。

あちこちで真剣にメモを取る姿も見られました

あちこちで真剣にメモを取る姿も見られました

■児童養護施設職員の方々からのメッセージ

臼井由智さん…子育ては子どもに関わるだけでなく、夫婦関係もすごく大事です。夫婦関係が子どもとの関係に連鎖します。子どもと関わる時に大切なのは、やり過ぎない事。手を抜く事で、子どもが気付いてくれるし、そして、手伝ってくれた時は「ありがとう」のシャワーを浴びせてあげる事が大事だと思います。

広瀬朋美さん…まず、子どもの話を否定しないで、じっくり聞いてあげてほしい。そして、比較で褒めずに、プロセスを大切にして褒めてほしい。
躾は、しつけ糸のように本縫いにならないように、子どもと接してほしいです。

梅山哲也さん…愛情(笑顔)も連鎖していきます。子どもの良いところを見てほしいです。生きている事自体が、立派だという思いで子どもと接してほしいと思います。

黒川未帆さん…私はこの仕事に就いて、子育てというものの一言では言い表せない大変さを痛感しています。もちろん、感動する事や楽しい事もあるかと思いますが、世の中の家事や育児をしているお母さん方は当たり前のことと思わず、ご自身の事を立派であると感じてほしいと思います。

■にぎやかな懇親会
座談会が終わると、同じビルの一階に会場を移して、懇親会が開催されました。
子育て中の方、児童養護施設職員、児童養護に関心のある方など、多種多様な約30名の方にご参加いただきました。

アルコールやソフトドリンク、軽食やスイーツを楽しみながら、2つのグループに分かれて、自己紹介や映画の感想、子ども達への思いを共有しました。
時間が進むにつれて、いくつかのグループに細かく分かれて懇談が始まり、会場内はさらに盛り上がりました。

懇親会では和気あいあいと語り合いました

懇親会では和気あいあいと語り合いました

「想像以上に施設での職員の関わりが深いことを知り、将来は仕事として携わっていきたいと思った」30代・女性会社員

「職員の方の苦労や努力、葛藤を感じ、本当にすごいと感じた。同時に、この現実をどうしてゆくのか、幸せとは何なのかを考えさせられた」30代・女性会社員

「施設の日常がリアルに描かれていた」20代・女性児童養護施設職員

などの感想が上がりました。

今回のイベントで設置したB4S募金箱では、たくさんの方々に温かいご支援をいただきました

今回のイベントで設置したB4S募金箱では、たくさんの方々に温かいご支援をいただきました

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