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【イベント報告】映画「うまれる」上映会&豪田監督×林代表トークセッションを開催しました

2013年6月9日(日)、東京都千代田区にある、パソナグループ本社で、映画「うまれる」の上映会と、この映画の豪田トモ監督とブリッジフォースマイル(B4S)代表の林恵子によるトークセッションが開催されました。イベントには約160人が参加、赤ちゃんや小さな子どもたちと一緒のお父さん、お母さんの姿もたくさん見られました。

■子どもたちも一緒、あたたかい雰囲気の上映会

映画『うまれる』は、【世界一ママに優しい映画】を目指し、「赤ちゃんの泣き声は映画のBGM」として、3歳以下のお子さんと一緒に見ることができる上映会を推奨しています。今回の上映会ももちろん、この精神にのっとって開催されました。

このお陰で、時には赤ちゃんの泣き声や、広い会場を楽しそうに駆け回る子どもたちの足音も聞こえて、あたたかい雰囲気に包まれた上映会になりました。ストーリーにあわせて笑い声が上がったり、登場人物の言葉に共感した様子で「うんうん」と深くうなずいている姿も見られたほか、悲しい場面では涙をぬぐう姿も。途中、座席を離れて、会場後方のスペースで立って赤ちゃんを抱っこしてあやしながら映画を鑑賞しているお父さん、お母さんたちの姿も見られました。

また、今回はメイン会場のほかに、ベビーベッドや授乳スペースを設けた「ママスペース」も開設、周りに気兼ねなく映画を鑑賞していただけるよう、小さなスクリーンで映画を上映するという試みも行いました。上映中のご利用はありませんでしたが、上映前や後に、赤ちゃんのおむつ換えや授乳、離乳食を食べさせたりなどで利用されるお客様がいらっしゃいました。

■“伝える”こと、“伝わる”こと

映画上映の後は、豪田監督とB4Sの林代表によるトークセッションです。「これだけ大勢の前で話すのは初めて」という、B4Sのボランティア“にゃんこ”がファシリテーターを務めました。

映画について語る豪田トモ監督

映画について語る豪田トモ監督

最初に豪田監督から、「この映画はドキュメンタリーなので、映画が終わったあとも、(登場したみなさんの)人生は進んでいくのです」として、この映画の登場人物たちの「その後」について紹介がありました。詳しくは同映画のホームページで紹介しているほか、続編を製作する予定で継続的に撮影をしているそうです。

 

トークセッションにも、たくさんの方にご参加いただきました

トークセッションにも、たくさんの方にご参加いただきました

最初ににゃんこから監督に投げかけられた質問は、この映画を作ったきっかけについて。

「もともと妊娠や出産、育児にはまったく興味がなかった」という豪田監督ですが、実はご自身が親に愛された記憶がなく、親と良い関係が築けなかったそうです。そんな中、たまたま参加した、子どもたちが生まれる前の「胎内記憶」に関する池川明産婦人科医師(映画でもコメンテーターとして登場されています)の講演で「子どもは親を選んで来る」という考え方を聞いたことがきっかけで、この映画を撮ろうと考えました。

この映画の撮影は、豪田監督にも2つの変化をもたらしたそうです。

1つ目は、両親と和解することができたこと。「言いにくかったけれど、あえて言葉にして『産んでくれてありがとう』と伝えた」のだそうです。「親は(子どもである自分のことを)愛していなかったわけではなく、当たり前のことだから伝わっていると思っていた。でも、やはりそれが伝わってはいなかった。親子関係だけでなく、夫婦関係でもそうですが、こちらは伝えているつもりでも、相手に伝わっていないことはとても多いのではないでしょうか。この映画を作るときにも、『伝える』と『伝わる』の違いを意識して、こちらの思いがきちんと伝わるように工夫したつもりです」(豪田監督)

そして2つ目は、「親になりたい、パパになってみたい」と思うようになったことです。「これまで、子育てに対して『おもしろそう』『楽しそう』と思ったことがなかったし、(親になる)なり方がわからなかった。それを、登場人物たちに教えてもらいました」という豪田監督。映画に登場した伴真和さんの等身大の姿を間近に見て、大きな影響を受けました。

当初、まったく子どもが欲しいと思っていなかったという伴さんは、「まるで自分の分身のようだった」と監督は言います。そんな伴さんが、とまどいながらも一歩一歩“パパ”になっていく姿を見ることで、刺激を受けたそうです。

 

映画の公開と時を同じくしてパパになったという豪田監督。来場していた奥様、2歳半になる娘さんも登場してくれました。

映画の公開と時を同じくしてパパになったという豪田監督。来場していた奥様、2歳半になる娘さんも登場してくれました。

■自身が抱えた『愛着障害』きっかけに、児童養護に関心

幼少期に、親からの無条件な愛情が十分得られなかった場合、大きくなってからも、自尊心を持てなかったり、周りとの安定した人間関係を築くことができなかったりという影響が出ることがあります。これは「愛着障害」と呼ばれています。豪田監督自身もかつて、こうした障害を抱えていたと言います。「自分は『うまれる』の撮影を通じて、こうした状態から抜け出すことができた。一方、(親と離れて生活する)児童養護施設の子どもたちの多くも愛着障害を抱えると聞き、とても他人事とは思えなかった」と語ります。

林代表によると、実際児童養護施設の子どもたちは、親との関係を築けなかったことによる愛着障害を抱えて大人になり、人を信じることができなかったり、過剰に依存してしまったりするなど、男女関係や職場関係などでも、安定した人間関係が保てないケースが多く見られるそうです。

こうして、児童養護施設に関心を持った豪田監督は、B4Sの、児童養護施設出身者向けの奨学金プログラム『カナエール』に関心を持ち、そこから知り合いを通じてB4S林を紹介され、親交を結ぶことになりました。

「初めて『カナエール』のDVDを見たときは、本当に感動しました。“夢を持つ”というのがどういうことかわからなかった子どもたちが、大勢の観客の前で夢を語ることができるようになる様子は、本当に素晴らしかった。今年も6月30日にカナエールのスピーチコンテストが行われます。まさに、人生を変える1日になると思うので、だまされたと思って(笑)ぜひ多くの人に見てほしいですね」と、カナエールについても熱く語っていただきました。

B4Sのプログラム「カナエール」についても、「だまされたと思って(笑)ぜひ多くの人に見てほしい」と熱く語る豪田監督

B4Sのプログラム「カナエール」についても、「だまされたと思って(笑)ぜひ多くの人に見てほしい」と熱く語る豪田監督

■児童養護施設の子どもたちも鑑賞した『うまれる』

最後に会場から、「この映画は、どんな人に見てほしいと思いますか?」という質問が出ました。豪田監督は、「特に、(こんな人に見てほしいというのは)ありません。子宮出身の人すべてに見てほしい」との回答が。

この映画は、児童養護施設では無料で上映できるようになっており、既に約10施設で上映されたそうです。「その際は、まずは(施設の)職員の方々に見ていただき、子どもたちにどのように見せるか判断してもらっている」とのこと。映画は、子どもたちが「親を選んで産まれてきた」と語る“胎内記憶”に関する映像で始まりますが、親との関係に複雑な思いを抱く児童養護施設の子どもたちに配慮し、この部分をカットしたバージョンも準備したそうです。しかし「実際は(この部分がカットされていない)通常のバージョンを上映する施設が多く、それでも否定的にとらえる子どもはいないという報告をいただいています。これまで避けてきた親子関係を見つめるいいきっかけとなったという子も多く、まだ映画を見ていない施設職員に『いい映画だから、見たほうがいいよ』と勧める子がいたりするほど。子どもたちは、実は僕らが思うよりも、ずっと強いのかもしれないとも思いました」と豪田監督は語ります。

■映画の感想や個人の体験を共有

トークショーが終わると、同じビルの一階に会場を変えて、懇親会が開催されました。子ども連れを含めた約20人が参加しました。

ビールやソフトドリンクに、軽食をつまみながら、3つのグループに分かれて、それぞれで自己紹介や映画の感想、出産や子育ての体験などを共有。途中で司会の合図に合わせて席替えをして、また同じように話を進めました。

顔ぶれが変わると、話の流れも変わります。参加者は、子育て中のパパ、ママ、独身の方など、年齢も多様。児童養護施設職員の方もいらっしゃいました。

グループに分かれて、映画の感想などを共有しました

グループに分かれて、映画の感想などを共有しました

「映画を見て、自分が今ここにいることの奇跡に対して、あらためて感謝の気持ちが持てた」

「トークセッションで豪田監督が言っていた、『伝わっていないのなら、伝えていないのと同じ』というお話に共感した。あえて言葉にして伝えることが大切だと思いました」

などの感想があがっていました。

次回は8月4日(日)に、ファザーリング・ジャパンのファウンダーで、タイガーマスク基金の代表理事の安藤哲也さんと、結婚情報誌『ゼクシィ』編集長の伊藤綾さんをお招きし、「女性・家庭・キャリア」をテーマにしたトークイベントを予定しています。こちらも追ってお知らせしますので、ぜひご参加ください!

(担当/あっこ)

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