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【プレスリリース】児童養護退所者の進学率は約2割(全国平均77%)、進学した退所者の約3割が中退

<プレス・リリース>

2013年5月9日
特定非営利活動法人(NPO法人)ブリッジフォースマイル

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        児童養護退所者の進学率は約2割(全国平均77%)
            進学した退所者の約3割が中退
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NPO法人ブリッジフォースマイルでは、毎年、全国の児童養護施設に向けて、
アンケート調査を実施しています。このたび、昨年度実施「退所者への自立支援」と
「施設運営」についての調査結果をまとめました。

自立支援の調査結果からは、退所者の進学率が約2割(全国平均77%)、進学した
退所者の約3割が、学費と生活費を賄わなければならない経済的理由などから中退
している。という厳しい状況が見えました。
虐待を受け、施設に入所した子どもたちの“希望格差”を、どうしたらなくしていけ
るのか。今、私たち大人が出来る事は何なのか。が問われています。

2012年6月実施の調査結果から、以下の事がわかりました。
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「2012年度自立支援」調査結果(全国584施設に向け実施。有効回答数154施設)
自立支援のアンケートに関しては、施設が知りえる過去3年の退所者の状況を調査
した。施設は約8割の退所者の所在を把握。残り2割の退所者に関しては、すでに
所在を把握しておらず、“不明”となっている。

■退所者の進学率は約2割。全国平均進学率77%を大きく下回る。
施設が所在を把握できている2011年3月退所者のうち55%が就業。
進学は20%である。退所者の進学率20%は、全国平均進学率77%を大きく下回
り、金銭的に頼れる大人のいない退所者の進学の難しさが表れた。

■中退率は約3割。中退理由は「経済的理由」がトップ。
また、過去10年に進学した退所者で施設が把握している654人の中退についても
アンケートを実施した。結果は、進学率が20%にもかかわらず、進学した退所者
の約3割が中退。中退理由のトップは「経済的理由」(24.7%)となり、3位の
「アルバイトとの両立」(15.6%)と合わせると40.3%にものぼる。ここでも、
金銭面で学費と生活費を工面していかなくてはならない子どもたちの、時間と体
力の限界が浮き彫りとなった。

■退所者の約5割は18歳で一人暮らしを余儀なくされる。
18歳で施設を退所しなくてはならない子どもたち。退所後は大きく分け、一人
暮らし・家庭復帰・措置延長による公的施設への入所となる。アンケートの結
果、施設が所在を把握できている2011年3月退所者の49%が一人暮らし、34%
が家庭復帰、17%が公的施設で暮らしており、半数の子どもたちは18歳で何の
保護も頼れる大人もなく、一人暮らしを余儀なくされる。進学していれば生活
費と学費を、もちろん一人で工面しなくてはならない。

施設職員の自由回答からは、「進学者に対する継続的な経済支援」や「施設退
所後に子どもたちが利用できる外部の相談窓口の必要性」「18歳~20歳までの
保証人問題」などの声が寄せられ、退所後支援は、施設職員だけではマンパワー
的にも、社会制度的にも難しいと、施設側が考えている事が見てとれる。
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虐待などで心の傷を持った子どもが増える中、職員が長期的に子どもを見守るこ
とが重要である。また、退所後の自立支援に関しても、入所中に顔なじみだった
職員の離職は、退所後の子どもたちが施設と連絡を取りにくくなる、という状況
を生み出す。ブリッジフォースマイルでは、“施設職員が長期的に勤務できる環
境”が、子どもたちの支援への大きな要因と考え、毎年、施設運営に関し調査を
行ってきた。2012年は、施設職員の離職状況についてアンケート調査を行った。

「2012年度施設運営」調査結果(全国584施設に向け実施。有効回答数158施設)
施設運営に関しては、主に、過去1年の離職者(常勤・非常勤含)に対するアン
ケート調査を実施した。

■若い職員の離職率高。離職者の年代は20代が52%。勤続年数は3年以内が49%。
離職者の勤続年数は3年以内が約半数の49%。また、年代では20代がやはり約半
数の52%を占め、働き始めの若い職員の離職率の高さが浮き彫りとなった。
離職理由としては、男性は「異業種への転職」女性は「結婚・出産・介護など家
庭の事情」がトップ。特に30代、20代の女性の離職理由としてはこの「家庭の事
情」が突出しており、施設職員という仕事と家庭の両立の難しさを伺わせる。

■離職率は、大規模施設より小規模施設の方が高い。
離職率平均は13.5%であったが、子どもの人数が40人以上の大規模施設の離職率
は12.9%だったのに対し、子どもの人数が40人未満の小規模施設の離職率は
14.7%と小規模施設の離職率が高い事がわかった。小規模だからこそ、職員の体
力的、精神的負担が増すのではないか?今後も、さらなる調査が必要だと思われる。
自由回答からは、職員の離職により施設が困る事として、「日常の子どもへの支援
が弱体化する」「他の職員への労働負荷が増す。」が上がっており、職員の離職が、
施設運営に大きく影響し、結果、子どもへの支援が行き届かなくなる事を実感させた。
また、入所中に子どもたちが親代わりとして接していた職員が退職してしまうと、
子どもたちが18歳で施設を退所した後、施設に連絡を取りにくくなるという「退所
後支援の弱体化」をも招く。

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ブリッジフォースマイルでは、今後も、児童養護施設に対し、退所後の子ども
たちへの自立支援、施設職員の働く環境という観点から、さらなる調査を続けて
いく所存です。

◆「全国児童養護施設調査2012」の全国調査結果についての報告書は以下を
 ご確認ください。

◇社会的自立に向けた支援に関する調査はコチラ

◇施設運営に関する調査はコチラ

◆詳しいプレスリリースの内容はコチラからご確認ください。

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ブリッジフォースマイルでは、子どもたちの希望格差を解消するべく奨学金プロ
グラム「カナエール」http://www.canayell.jp/を実施しております。あわせてご覧ください。

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