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カナエール2012 夢スピーチコンテスト開催

※本稿は、コンテストにご来場いただいた、佐藤香純さんに寄稿していただきました。

2012年7月1日(日)、大手町にて、NPO法人ブリッジフォースマイル(以下、B4S)主催、「カナエール2012夢スピーチコンテスト」が行われました。児童養護施設を巣立つ、17歳~22歳の若者たち9名がスピーチを通して、約250名もの観客たちに自らの夢を語りました。

「児童養護施設に勤め、自分を育ててくれた職員の先生のようになりたい」「たくさんの人を笑わせるマンガ家になりたい」「トランペット奏者になって、人の心に響く演奏したい」夢のカタチに違いはあれど、9人全員が素直な気持ちで夢を語っていました。とても堂々として、晴れやかな表情が印象に残ります。

■施設の教育格差解消目指す、「カナエール」
施設で暮らしている子どもたちは原則18歳で高校卒業すると同時に、児童養護施設を出て、自分の力で生活しなければなりません。そのような厳しい生活の中で大学等に進学できるのは本当に一握り。大学等進学率の全国平均が約7割なのに対し、施設出身の進学者は約2割しかありません。B4Sはこの進学格差を解消し、「施設出身でも進学できる、夢を叶えることができる」という希望を施設の子どもたちに与えるため「カナエール」プロジェクトを2010年から開始しました。奨学金の支給、スピーチコンテストとメンタルサポートによる進学意欲の形成、この二つの面から、奨学生を支援します。カナエールでは、奨学生たちを「カナエルンジャー」と呼び、カナエルンジャーを応援してくれるたくさんの大人を巻き込みながらプログラムを運営しています。
今回の9名のカナエルンジャーが決定してから、7月1日本番のスピーチコンテスとまでを「エンパワ」と呼ばれているサポートボランティアが支えてきました。原稿作成のサポートや、PR活動、コンテストでの紹介VTRの製作など、一人のカナエルンジャーにつき3人の大人がチームとなって支えてきました。

■第一部、スピーチコンテスト
会場は彼らの勇姿を一目見ようと集まった人でいっぱいでした。
司会がカナエール2012夢スピーチコンテストの開催を宣言し、いよいよ発表が始まりました。
トップバッターはカナエルンジャーブルーあっくん。「トランペットが好きすぎて」そう話す彼の夢はもちろんトランペット奏者になること。会場の前方のスクリーンにはエンパワが制作した、カナエルンジャーの素顔や日々の生活がわかる数分間の映像が映し出されました。「ここで観客のみなさんと夢を共有できることが嬉しい」という言葉を最後に映像が終わり、いよいよあっくんのスピーチがはじまります。
「施設での生活がつらいときに、夢中になって忘れさせてくれるものが音楽だった。」涙ながらに語りました。その涙につられ、発表を見ている多くの人が涙をこぼします。あっくんを支えてきたエンパワもカナエルンジャーの発表する姿を固唾を呑んで見守ります。

現在美術系の専門学校に通っているドモン。マンガ家になるという彼の夢の原点は、施設に入る前に母親とともにマンガを見ていっしょに笑ったこと。幼い頃のやさしい記憶に導かれるように、マンガ家を志すようになりました。「大勢の人の前で話すのは苦手」ということでしたが、最後まで堂々として発表をしていました。

発表を振り返ってみると、観客の心を動かしたのはいつも「カナエルンジャー」たちの強い言葉でした。「僕はもう前しか見えない」(カナエルンジャーブルーあっくん)、「すべての壁を乗り越える」(カナエルンジャーブラックあっきー)、「施設出身者がなんだ!私はあきらめない」(カナエルンジャーホワイトユズ)。これがほんの20歳前後の学生の言葉だなんて信じられるでしょうか。なんて強くて、まっすぐなんだろう。

カナエルンジャーのスピーチを聞いていた審査員の方からは「彼女のような(つらい状況を乗り越えてきた)子たちが社会にでることが、きっとみんなに元気を与えてくれる」と力強いコメントをいただきました。

■第二部、2011年カナエルンジャーのいまと審査結果発表
 第二部の始まりはサプライズVTRの上映から始まりました。アルピニストの野口健さんから、来場者とカナエルンジャーへのメッセージが流れます。
(野口さんのメッセージ、ダイジェスト版はコチラ) 
 次に、カナエール2011に出場し、奨学金を受け取りながら日々頑張っているカナエルンジャー2011のメンバーからの近況報告とメッセージVTRが上映されました。

 最後はいよいよ審査結果の発表です。
第3位はカナエルンジャーゴールドみさき。みさきの夢は児童養護施設の職員になることです。みさき自身が施設の職員に何度も助けられ「自分のことを見てくれている人がいる」と気づき、とても満ち足りた気持ちになったと語っていました。今度は自分と同じ境遇にある子に同じ気持ちになって欲しい、そんなメッセージを私たちに伝えてくれました。
第2位はカナエルンジャーグリーン、ダニエル。ダニエルの夢は頼れるスポーツインストラクターになること。彼はスポーツインストラクターの資格を取るため勉強しながら、深夜までバイトをしています。ふつうならそこでへこたれてしまいそうですが、彼はとても元気でパワフル。スピーチの最後まで観客に笑顔を与えてくれました。
第1位はカナエルンジャーピンク、ゆう。「安心と癒しを与える看護師になりたい」と話す彼女も、幼い頃は「感謝」という意味がわからなかったといいました。それでも彼女は成長するほどに、施設の生活にありがたみを感じるようになったのです。施設の方からたくさんの愛をもらった彼女が夢を叶えるときがきたら、そのときは目の前にいる患者の方に対し、大きな愛情をもって接することでしょう。

たくさんの感動に溢れた発表の後の結果発表では入賞者には素敵な賞品が贈られました。「カナエルンジャー」たちは会場のスクリーンに映し出された豪華商品を見てはしゃいでいました。

■つらい過去があったからこそ今がある
9人のカナエルンジャーたちはみな、様々な事情で親元から離れ、施設で暮らすことを余儀なくされた子供たちだ。それでも、施設で葛藤を持ちながらも成長した子供たちは、人一倍たくましく、人一倍心がやさしい子になりました。だからこそこれから彼らは社会に出て、多くの人に囲まれ、たくさん愛される人になるでしょう。

「夢、カナエール!!」
会場にいるカナエルンジャー、審査委員、来場者、スタッフみんなが、こぶしを天に向け、その掛け声で一つになったところで、カナエール2012夢スピーチコンテスとは閉会しました。会場には、こだまするような大きな拍手がいつまでも、いつまでも鳴り響いていました。

(寄稿/佐藤香純)

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