2007年9月
施設訪問 <高校生向け説明会>
先日、巣立ちプロジェクトの参加者募集で、ある施設を訪問してきました。説明を聞いてくれたのは、高校生7名、担当職員2名でした。以下、参加メンバーのレポートです。
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■当日の様子
まず自己紹介からスタート。巣立ちで使うニックネームを確認していく。
その後、巣立ちプロジェクト参加理由をアンケート。
・勉強したい (0名)
・社会人と交流したい (0名)
・高校生同士交流したい (0名)
・プレゼントが貰える (6名)
・都心へいける (0名)
・職員からの強い勧め (1名)
うーん、やっぱり物かあ。ある意味、狙い通りではあるのだけど。
そして、高校生とのコミュニケーションに努める。
Q、アルバイトをしている?
今、就活で休んでいる子や、週2~4日やってる子など。就活が忙しい子、資格試験のセミナーがあって忙しい子も。
Q、今、卒園後に心配なことは?
貯金できるか不安。お金の管理が自分で出来るか(服買っちゃいそう)不安、などなど。
最後に、質問を受け付ける。
Q、プレゼントはなに?
家電、スーツ、デジカメ、iPod・・・。中古品では、家具やノートパソコンがあるかも・・・。
(一同ときめく)
解散した後、施設を見学させてもらい、職員の方へお礼を述べ施設を後にする。
■初めての施設訪問、高校生たちに会った感想。
一人暮らしの生活をまだ思い浮かべられないのか、我々が怖いのか、あまり積極性がなかったような。
そんな子達が社会に出ても困らないためにこのセミナーが必要なんだと再確認。
モチベーションが高まった。
施設では、自分の身の回りのことはある程度自分でやるようになっており、けっこう感心。
(というか、いい年して実家暮らしの自分を思い、やや凹む。)
施設を出るとき、説明会に参加してくれた子が数人こちらに気づいて窓越しに手を振ってくれていた。
僕は、大人になってからしたことがないくらい思いっきり振り返した。
巣立ちで、待ってるよ! (Y)
【9月】 戦場ジャーナリストとバグパイプ
9月のアトモプロジェクトは、元戦場ジャーナリストで、現在バグパイプ奏者の加藤健二郎さんをお招きし、お話を伺いました。
戦場ジャーナリストというと、戦場の悲惨さを伝える使命感を持った人が多い中、加藤さんの場合は、少年時代の憧れから。「戦場に行きたい、軍事に関心がある」というのが、戦場に出る動機でした。そして、3年前、40歳を過ぎてから突然、バグパイプ奏者に転身を果たします。
そんな加藤さんの、フツウの人と違うなあと感じたことをいくつか紹介します。
1、考え、試してみて、自分なりの突破口を開くこと。
□戦場に出向くための最初の一歩は、建設会社への就職。港湾工事等で紛争地に出ることがあると知ったから。その後、フランス傭兵の外国人部隊を目指すものの、視力を理由に採用されず断念。
なんとしても、戦場に行きたかった加藤さんは、ジャーナリストになってプレスカードがもらえれば、従軍カメラマンとして戦場にいけると聞くと、早速勝手に作った「ジャパンフォトプレス」社の証明書を出して、戦場ジャーナリストとしてデビューを果たしたのでした。
□インド・パキスタン戦争の取材、破壊を続ける戦争は、人類の英知の無駄遣い、と感じた加藤さん。
次の仕事を探し始めて行き着いたのがバグパイプ。
有名だけど、現物をみたこと、聞いたことがない人が多い。そんな商品は、商売になる。と、商社マンの太鼓判を得て、バグパイプを始めました。ちなみに、加藤さんのそれまでの人生は、音楽とは縁遠いものだったとか。
2、周りに惑わされない、自分の信念を持つこと。
□加藤さんは、戦争をテーマにしたジャーナリズムに対する純粋さよりも、戦場で使われる兵器や戦略にフォーカスした取材をしました。それは、一般的なマスメディアには取り上げられない、受け入れられない。でも、実行する側の真理、加害者側の真理は、絶対にあるだろう、きっと時代があとから付いてくると信じていました。
軍事の専門誌で取り上げられることの多かった、加藤さんのユニークな切り口は、次第に防衛庁のご意見番とか、私立探偵社とか、兵器を扱う漫画の出版社とかから、依頼が来るようになったのでした。
□戦場ジャーナリスト時代、加藤さんが住んでいた部屋は、家賃28000円。家賃がフロ付きだと、大体4万円位上がります。そこで、加藤さんは、安い部屋に住むことは、年100-150日留守なのだからいいだろう、12ヶ月で約50万になる仕事と考えようと、割り切ったそうです。
□バグパイプを始めたばかりの頃、40歳過ぎてからの挑戦のため、早く上達したかった加藤さんは、ストリートパフォーマンスを重視しました。普通なら上達してから人に聞かせるものでしょう。恥ずかしいし、怒られるし、プレッシャーがかかります。
でも、それは、こんな下手な自分がかっこ悪いから嫌、という自己防衛であって、それを乗り越えるためには、あえてストリートで客の前でやる。すると、手を抜かない。集中度が違うそうです。
そして、たった3年で、年間100回以上の演奏をこなす、プロのバグパイパーに転身したのでした。
そんな加藤さんから、アトモ参加者へのメッセージ。
人にはそれぞれ、時間がない、収入がないとか、いろんな制約があります。でも、忙しく生きている人生も、パーツ(住環境や仕事、人付き合い、お金の使い道等)を入れ替えると、新しいことができます。
そして、1点集中が威力があります。ある方向に走ろうとしたとき、エネルギー、資金、時間の投入の、バランスを崩せたもの勝ち。もし、全部求めるなら、時差、順番をつけた方がいいでしょうね。
是非、工夫してみてください。
加藤さん、ありがとうございました!
ド迫力のバグパイプの生演奏