家庭で暮らせない子どもたちのための、さまざまな施設や制度 その他の社会的養護体制

乳児院

乳児院は児童福祉法に基づいた施設で、生後間もない新生児から2歳ぐらいまでの乳幼児が、保育士や看護婦、栄養士などの専門スタッフによって養育されています。
児童養護施設同様、かつては戦災孤児や捨て子などが入所理由の大半でしたが、現在は児童虐待や家庭の事情による養育者の不在などが多くを占めています。
厚生労働省の調査によると、2013年時点で全国に131の乳児院があり、3,069人が入所しており、費用はおもに国と地方自治体が負担しています。
乳児院に入所した子どもは、その後、両親や親族の元へ引き取られたり、養子縁組などで里親の元へ引き取られますが、それが無理な場合は、児童養護施設へ「措置変更」となります。(※2割程度の子どもが、児童養護施設などに移管されます。)

自立援助ホーム

児童養護施設や児童自立支援施設にいる子どもの多くは、高校中退や高校卒業と同時に施設を出ることになります。1人暮らしを余儀なくされる子どもも多くいますが、必ずしもそのための準備ができているわけではありません。
自立援助ホームは、こうした施設を退所し就職する、おおむね15歳から18歳のうち、なお援助が必要な子どものための施設です。職員のサポートのもとで日常生活上や精神的な自立の準備をさせることを目的とした、児童福祉法に基づく児童福祉施設です。

援助する内容は以下のとおりです。

  • 就労への取り組み姿勢および職場の対人関係についての援助・指導
  • 健康管理、金銭の管理、余暇の活用、食事等日常生活についての援助・指導
  • 職場を開拓するとともに、安定した職業に就かせるための援助・指導
  • 児童の家庭の状況に応じた家庭環境の調整
  • 児童相談所や子ども家庭支援センター、児童委員、公共職業安定所などの関係機関との連携
  • その他必要な援助及び生活指導

母子生活支援施設

母子生活支援施設は、児童福祉法に基づく児童福祉施設で、18歳未満の子どもを養育している母子家庭の女性や、何らかの事情で離婚の届出ができない女性が、子どもと一緒に利用できる施設です。
さまざまな事情で入所されたお母さんと子どもに対して、心身と生活を安定させるための相談・援助を進めながら、自立を支援しています。
2002(平成14)年に厚生労働省から出された「母子家庭等自立支援対策大綱」では、「母子生活支援施設や住宅など自立に向けた生活の場の整備」のもと、母子生活支援施設には、地域で生活する母子への子育て相談・支援や、保育機能の強化などが求められ、施策が進められています。
またドメスティック・バイオレンス(DV)被害者保護においても重要な位置付けをされています。「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」による一時保護施設としては母子生活支援施設が最も多く、DV被害者を保護し、自立支援を進めるための重要な施設となっています。

児童自立支援施設

児童自立支援施設とは、犯罪などの不良行為をした子どもや、こうした行為をするおそれのある子ども、家庭環境などの理由で生活指導が必要とされる子どもを入所させたり、通わせたりすることで、必要な指導をおこなって自立を支援する児童福祉施設です。退所後の子どもに対しても必要な相談や援助を行なっています。
入所の判断の多くは児童相談所の措置によるものですが、少年法に基づく審判の結果により、児童自立支援施設に送致されることもあります。

里親

里親(さとおや)とは、通常の親権を持たないで子どもを養育する「親代わり」とも言える大人を言います。
日本では、保護が必要とされる子ども(要保護児童)を、行政が、あらかじめ認定・登録された人(里親)に養育を委託する「里親制度」があり、児童養護施設・乳児院などによる子どもの養育と並ぶ制度となっています。2013年3月31日現在、全国に9,392人の里親がおり、うち3,487人の里親に計4,578人の児童が委託されています。
児童福祉法第6条の3には、「保護者のない児童又は保護者に監護させることが不適当であると認められる児童(要保護児童)を養育することを希望する者で、都道府県知事又は政令指定都市の市長が適当と認めるもの」を里親と定義しています。
里親希望者は都道府県または政令指定都市に認定を申請し、児童福祉審議会の審議を経た上で認定・登録を受けます。子どもの養育の委託を受けると、行政から児童の養育費・里親手当などが支払われます。 養育の方法などについては省令に最低基準の定めがあります。

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