入所の理由、施設での生活、退所後に困ること…ご存知ですか? 児童養護のいま

子どもを取り巻く環境

児童養護施設に入る理由No.1は親からの虐待

児童養護施設というと、一般的には親と死別した子どもが入所する場所と思いがちですが、実は、入所する理由のNo.1は親からの虐待です。
児童相談所に報告される児童虐待の数は、1990年から2010年の20年で50倍以上に拡大しています。
児童虐待の背景には、母親の育児ストレスが挙げられます。実際、虐待行為の6割は実の母親によって行われているというデータがあります。夫や父母の助けを十分に得られなかったり、近所付き合いもなく家の中で孤立していたりするなか、子どもに関わる時間が最も長い母親が、思い通りにいかない子育てに一人で悩んでいるケースが多いとみられています。

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児童養護施設の現状

施設職員1人あたり18人の子どもを担当する激務

児童養護施設は、全国に約590施設あり、2歳から18歳の子どもたち約30,000人が生活しています。 子どもたちと一緒に生活する施設の職員は、正式には、「児童指導員」もしくは「保育士」と呼ばれます。親と別れて入所した子どもたちにとっての親代わりとなるべき、重要な存在です。

2012年度は32年ぶりに、児童養護施設に置かれる職員数の最低基準が引き上げられ、小学生以上の子ども5.5人に対して1人の職員が生活の世話をすることになりましたが、それまでは子ども6人に対して職員1人と定められてきました。「子ども6人に対して職員1人」とはいえ、実際は1日8時間の勤務としても、1日3人の職員が必要です。単純に計算すると、1人で最大18人の子どもを担当する可能性があります。1人の職員が同時に十数人の子どもたちの生活の世話をし、毎日の様子を記録し、学校行事に親代わりとして出席することになるのです。 子どもたち一人一人に、退所後に一人で生き抜く力を身につけさせるには、大変な労働となります。

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施設を退所した子どもたちが困ること

頼れる親がいない、住む家がない、学歴や資格もない

18歳で児童養護施設を出ると、子どもたちは、仕事をして自ら稼いだお金で、住まいや衣服を整え、食事をして、生活をしていかなければなりません。しかし、子どもたちの中には、家庭の事情や生まれ育った環境から、基礎的な生活能力や、周りの人とうまくコミュニケーションをとる力、仕事に対する意欲などが低い人が少なくありません。

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施設での集団生活から、いきなり1人暮らしを余儀なくされ、身近に相談できる大人もおらず、孤独感や孤立感を深める子どもも少なくありません。お金や人間関係のトラブルなどで困難な状況に陥ったとき、自力で乗り越えられず、誰にも相談できずにいるうちに、かえって問題を大きくしてしまうことがあります。

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